決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール
- 武田ランダムハウスジャパン (2007年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270002629
作品紹介・あらすじ
数字に隠された財務諸表のトリックを暴け。プロ会計士にしかわからなかった「危ない会社」のシグナルがあなたにも見抜ける。
感想・レビュー・書評
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マンガの原作です
こちらの方がよくわかるかもしれません。
「本当に成長している会社の特徴」
①利益だけでなくキャッシュも伸びている
②より効率良く資産を使っている
①については損益計算書とキャッシュフロー計算書を見比べる。
②については損益計算書と貸借対照表を見比べる。
とあります。
本書を読んでよくわかるのはキャッシュフロー計算書は事実なので化粧のしようがないけど他の2つは捉え方で書き方を変えることができるということです。
逆にいうと矛盾と言わないまでも不自然な決算書は美しくないということですね。
バランスが悪い決算書に現れるということやと思います。
ただ僕にはインデックス投信が身の丈に合ってると本当に思いました^_^詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上念司がラジオで、ゴーンさんがニッサンのV字回復でやった手法は「ビッグバス会計」と言い、この本を読みばわかると言ってたので読んでみた。
会計というのが、なぜこのような仕組みになってるのかというところから説明があって、実例を挙げて解説するので、なかなか良かった。もっとも読み手の方が、本書では説明なしに出てくる「費用化する」ってなに?というレベルだったので。。。
「ビッグバス会計」とは、ある年度に大きな損失をドーンとまとめて計上してしまって、翌年以降の数字を良く見せようというのが狙いだと。まるで大きなお風呂で垢を洗い流してサッパリするかのような会計処理だと。
面白いのは、ライブドア事件でのやり方の実データによる説明を軽くている点。
勝間和代は、事件前からライブドアの決算書がおかしいことに気づいていたらしい。
やったことはわかったが、ホリエモンだけ実刑食らったというのは納得いかん。もっと大物いるだろ!と。
面白いけど、誰向けの本?と思って表紙を見たら、赤丸の中に「ダメ株を見破る投資のルール」とあり納得。決算書を誠実に記載しない会社には投資しちゃダメってことらしい。
個別の株に投資する気は無いので、猫に小判だが、公開情報だけから、その会社の真面目さが評価できることはわかった!(ような気がする。) -
本書は、株式投資先にふさわしい会社、ふさわしくない社を見極めるためのテクニック解説書である。違法行為や、違法すれすれの方法により粉飾決算を行い、株価維持、吊り上げを行う会社が後を絶たない現在、投資家は自らが公表されたBS、PL、CFの各財務表を基にリスク回避できなければ、ライブドアの株主のごとく踏みにじられてしまう。そうならないための考え方、BS、PL、CFの読み方、これらの関連からその会社の決算に対する考え方を読み解く方法は、実例を挙げ(ライブドア以外は実法人名は出てこない)おおむね分かりやすく書いてあり、株式投資するまえには読んでおいて損のない本である。ただし、話が込み入ってくると説明を適当なところで切り上げる姿勢ははいただけない(こういう人は、私の偏見では、文科系の人が多い。その例に倣って?、この著者も文系。ちなみに、この手の本の著者は理系の人も結構いる)。例を挙げれば、「ビッグバス」。このビッグバスとは、のれん代等の割と償却期間の長い資産を、2,3年の短期間で償却する財務処理手法。これは、現在違法となっているらしいのだが、これが投資家にとってどう危険なのかまったく説明されていない。これじゃあ、「暗号を解け」って題名が泣いちゃいます。
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財務諸表をはじめとする決算書類の見方、コツについてをわかりやすく教えてくれる良著。今回は図書館で借りたが、もう一度また読みたい。
<新たな知識>
・業界構造、ビジネスモデルという観点のアナリスト目線と財務諸表部という観点の会計士目線両方が必要!
・貸借対照表はどこからお金を借りて、何に投資しているのかというビジネスの源泉を表現。
・資産の部にのってくるものにはこれから費用化される項目の覚書も含まれる
資産には三つの種類あり①額面通りの価値があるもの。現金、預金など
②額面通りの価値があるか不明なもの。売掛金、棚卸資産など
③いずれ費用化するもの。建物、ソフトウェアなどの固定資産、繰延資産
・投資キャッシュフローが営業キャッシュフローから賄えているか
・損益計算書、貸借対照表と違い、キャッシュフロー表は操作しずらい。
・会計発生高=当期純利益+特別損失-特別利益-営業キャッシュフロー
が高いなら要注意
・ROAが下がっていないか(通常3~15%)
・収益前倒しの方法
①顧客が支払い義務を負う前に収益計上②複数年契約で本来は複数年のものを前倒し計上する③利害関係者など仲間内に販売する
・のれん代を守備的利益調整は2~5年で、攻撃的利益調整は20年で償却する。
・買収のコツは割安な会社を買う。そうすると時価総額が増える。
○分析の4ステップ 1必要なものを準備(決算書、同業他社の財務諸表)
2アナリスト目線 分析対象企業が属する業界の今後の成長。規制産業か?規模の経済が働くか? 企業はライバルにない強みがあるか?参入障壁は?
3会計士目線 売上高、営業利益、経常利益の伸び ROA のれん代(償却方法) 営業利益、営業CF、投資CFのバランス
4投資家目線 自分の見方とマーケットの見方を整理する。投資判断マトリックスでとるべきアクションを決める
アナリスト目線で決算短信の経営方針経営成績を鵜呑みにせずに読み解く
会計士目線で貸借対照表、損益計算書、CF計算書などの数字を追いかけて検証する。
・営業利益率は金融、証券、医薬品、不動産など一部を除くと10%以下が通常
・ビジネス常識で減価償却費が小さい営業CFは営業利益の60%くらい、減価償却費が大きい営業CFは営業利益の120%くらい
・決算短信表紙のチェックポイント ①会計処理方法の変更はないか②営業CFはコンスタントに伸びているか③投資CFは営業CF内か④営業CFは営業利益の60~120%に収まっているか⑤ROAは伸びているか?など
・業界の伸びと比較して、本当に業績が伸び売るかを考える
・2p以降自社にとっても都合が悪いことも書いている?新規事業を計画している?既存事業ノウハウを活用できるか、
・資産の部 売掛金、受取手形が膨らんでいないか 棚卸資産は?繰延税金資産は?有形固定資産額は?
・負債の部 引当金や前受収益が少なくないか 社債、転換社債を発行していないか
・キャッシュフロー計算書 ①営業CFは売上や営業利益に照らして適切か
②投資CFは自社投資に使っているか③財務CFはプラスかマイナスか
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決算書をどう読むか?
→財務三表間のバランスから分析する
BSとPLはROA、PLとCFは会計発生高
会計発生高とは、当期純利益+特別損失−特別利益−営業CFで算出し、大きいほど利益の質に問題がある -
読み終えての感想としては「文句の付けようのない最高クラスの決算書分析本」だと断言します
内容は比較的、高度でありながら読みやすい。ライブドアの決算書をはじめいくつかの会社が紹介されますが
何が不自然な部分なのか?
どこが利益を捻出させるために無理をしているのか?
来期から利益を前借りすると決算書はどうなるのか?
来期へ費用を先送りすると決算書はどうなるのか?
・・・どこを見て判断すればいいのか?
決算書を見る基本を知っていても目から鱗の学ぶべき内容の多い良書ですね?
これは決算書の本にしては珍しく「楽しい」です。だからサクサクと読み進められる。
それでいて奥が深い傑作です。 -
粉飾決算の見抜き方。面白い。
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分かりやすい、個人投資家にとっては為になる
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客観的に分析、自分と市場の乖離に気づく
ライフワークバランスについて考え、本書を出した著者は、われわれ個人投資家にとって非常に好意的な存在だと思います。
その事は、佐藤優氏の「読書の技法」にも書かれています。
本書では、まさに私のように決算書が数字の羅列にしか見えない者に、新しい味方を教示してくれます。
数学やこのようなデータ分析は、佐藤優氏の言葉を借りるならば、「テクネー」であり、自分で手を動かし、身体で覚えていくタイプの勉強だと思います。
基礎知識を固めた上でコツコツと続けていく、そのために繰り返し読みたい本だと思います。