琥珀蒐集クラブ (ランダムハウス講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270100325

感想・レビュー・書評

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  • 宝石に関する資料を集めていたときに検索にひかかってきた。
    自分は琥珀というと、宝石としての価値よりもミステリアスな逸話に惹かれます。
    そんな逸話のひとつ、琥珀に心を奪われてとうとう書斎の壁一面を琥珀の象嵌で飾り立てようとしたのがかつてのプロイセン王フリードリヒ1世、そして完成させたエカテリーナ2世。
    美しく細工された琥珀で覆われた部屋は世界の覇者たちの垂涎の的となり、第二次世界大戦時にナチスドイツによって壁のパネルが略奪されナチス衰退時に隠されてからは、凄腕のトレジャーハンターとソビエト政府が躍起になって探し回ることになる。
    失われた琥珀のパネルをめぐって対立するハンターと彼らの後ろ盾の大富豪たち。巻き込まれ危険に翻弄されるアメリカ人夫婦。結局琥珀は現存するのか、するならばどこにあるのか。
    琥珀の間以外にも、ロマノフ王朝時代の宝石で飾られた小箱や道具など優美な宝物が出てきて、自分にとっては思わぬ収穫でした。図鑑みたいにそのものを写真で確かめるのもいいけれど、文章で表現される宝石も生きているようで美しいです。

    宝石の美しさに引き換え、ハンター・ノルが下品でどうしても好きになれなかった。ハンターになる前、保険屋さん時代の勇敢なエピソードは良かったのに。見た目は良いようだけど殺人マニアで下品とかひどい。
    最後はノルとモニカだけ死んで、ロリングとスザンヌは琥珀の間に呪われたまま宝を守っていって欲しかったかも。(それではダークファンタジーみたいになってしまうか…)琥珀のためなら殺人も厭わない姿勢は確かに悪なんだけど、ふたりとふたりの関係が上品で、どう見てもふたりとも個人の欲を超えて琥珀のために正気を失っているのでちょっと好きでした。

  •  スナック梨明日の入口近くのカウンター席で、いつも琥珀を磨いている勉さん。かれの心を捉えて放さない琥珀は、遠い昔のロシア皇族も魅了したようで、エカテリーナ宮殿に四方全てを琥珀のパネルで装飾した『琥珀の間』というものがあったらしい。 
     しかしナチスによる略奪で、琥珀の間を装飾していたパネルは消失し、以来その行方はわからなくなっていた。ヒトラーによって隠されたという説もあれば、仲たがい関係にあったゲーリングがヒトラーを騙して、奪い去ったという説もある。果たして琥珀の間に使用された大量の琥珀パネルは、まだ現存するのだろうか、それともすでに破壊されてしまっているのだろうか…
     琥珀の間をめぐる壮絶なる奪い合いが始まる!


     簡単に言うとこんな内容の小説。


     この本は600ページ近くある。200ページくらいまでは面白かった。
     ヒトラーが征服した国々から美術品を略奪し、洞窟内に隠したというのは有名な話。戦後そこから救出された美術品は多々あるが、いまだに行方知れずのものも多い。しかしその中には紛失したというよりも、富豪のコレクターたちによって闇で取引され、公に返還されることを阻止された例が少なくない。タイトルの『琥珀蒐集クラブ』のクラブとは、これらのコレクターたちが集いあい、所蔵するお宝コレクションを披露するための秘密クラブのことだ。その中でも『琥珀の間』獲得に執念を燃やす二人のコレクターが、刺客を刺し向け合い、どちらが先に真実にたどり着くかを競い合う。
     
     正直なところ、盛り上がりに欠けた感は否めない。史実に基づいた前半は面白かったけれど、中盤以降は取っ組み合いの喧嘩みたいなドタバタしか起きないので、飽きてしまった。


     もっと短くすれば面白かったと思う。


     ロシアは、もう現存しないものと諦めたのか、『琥珀の間』を復元してしまったようだ。
     一度でいいから見てみたい。 

  • ダ・ヴィンチ・コードで一躍有名作家のダン・ブラウンが絶賛ということで、購入した本。
    作者は、ずーっと法律に携わって生きてきた人なだけに、主人公も「判事」と「弁護士」。
    話の内容は、超大金持ちたちが、戦争中に略奪されたりして一般にはなくなったと思われている秘宝を、とレジャーハンターを雇って蒐集しまくっている。
    その中で最も熱をあげて蒐集しているのが、第二次世界大戦中にロシアからナチスに奪われて以来、忽然と姿を消してしまった「琥珀の間」。
    それをめぐって、殺人、だましあい・・・でハラハラドキドキ。おもしろい!
    ちょっと、ダン・ブラウンの『作品と通ずるものがあって、とてもテンポよく話が進むので読みやすい♪中に、色々な歴史や美術にまつわるマメ知識が入っているのも嬉しい。

  • 歴史の謎を追う冒険活劇ミステリー。ダ・ヴィンチ・コード系。
    判事夫妻にはイラッとしたけど、概ねおもしろかったです。
    ちょっと前に読んだやっぱり似た系統のダ・ヴィンチ・レガシーよりも、歴史蘊蓄と財宝分が多めで良かった!
    ファベルジェの煙草入れやら琥珀の間の表現にうっとり

  • 予定

  • テンポが良くて読みやすい。ストーリーも面白かった。

  • 物語は捕虜収容所の残酷なリンチの場面から始まります。

    しかも暴行を加えるのは捕虜同士・・・
    そうまでして口を割らせたかった理由は・・・


    現在あるエカテリーナ宮殿にある琥珀の間は復元されたもので、1941年にナチス・ドイツにより解体され持ち去られたオリジナルは、今もって行方不明のままだそうです。

    この本を読んで知ったこと、それは泥棒の泥棒がいるってこと。
    一度盗み出されて手に入れた盗品は、例えそれをまた盗まれても盗品だから被害届が出せないわけで、そんな盗品狙いの泥棒の泥棒を雇う大金持ちの集まり『失われた秘宝蒐集クラブ』なるクラブがもしかしたらあるのかもしれない・・・と思わせるようなほんと良く出来た作品でした。



    ご存知のように、琥珀とは石ではなく、植物のヤニや樹脂の化石。
    中には虫が入ったものもあり、そういうものは値打ちがあり、映画:ジュラシックパークでは化石の中の蚊が吸った血液からDNAを採取して物語がはじまりましたね。
    琥珀には乳白色から蜂蜜色、黒までいろんな色があって、青や緑のものもあるのだそうです。こういうのは価値が高いそうな・・
    中国では琥珀を焚いてお香にしたり、よく言う七宝の中の一つとされています。
    ちなみに七宝とは金・銀・瑠璃・珊瑚・琥珀・シャコ・瑪瑙。

  • 大戦中に消えた「琥珀の間」を巡る収集家グループとその傭兵の争いに元夫婦の弁護士・判事が巻き込まれる。

  • ダ・ヴィンチ・コードで一躍有名作家のダン・ブラウンが絶賛ということで、購入した本。
    作者は、ずーっと法律に携わって生きてきた人なだけに、主人公も「判事」と「弁護士」。
    話の内容は、超大金持ちたちが、戦争中に略奪されたりして一般にはなくなったと思われている秘宝を、とレジャーハンターを雇って蒐集しまくっている。
    その中で最も熱をあげて蒐集しているのが、第二次世界大戦中にロシアからナチスに奪われて以来、忽然と姿を消してしまった「琥珀の間」。
    それをめぐって、殺人、だましあい・・・でハラハラドキドキ。おもしろい!
    ちょっと、ダン・ブラウンの『作品と通ずるものがあって、とてもテンポよく話が進むので読みやすい♪中に、色々な歴史や美術にまつわるマメ知識が入っているのも嬉しい。

  • 失われた帝政ロシアの至宝と、それを巡って起こる不可思議な死の真相は?歴史ミステリ・サスペンスは好きですvv

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