海のカテドラル 上 (RHブックス+プラス フ 12-1)
- 武田ランダムハウスジャパン (2010年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270103302
感想・レビュー・書評
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中世スペインの熱気が伝わってくる
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バルセロナ、フランスなどを舞台とした作品です。
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一応面白く最後まで読んだ
でも「大聖堂」の信奉者としては物足りない
何故だろう
きっと貫かれた哲学みたいなものが欠如しているのかも知れない
読後感が全然違った -
中世のスペインではいかに一般市民が貴族に虐げられていたか。
前半の主人公の境遇は相当にきつい。
子供が徹底的に痛めつけられ、精神的にも嬲られている様は、
読んでいるだけでも相当につらかった。
それでもどうに父子で生きて行く様には感動する部分はある。 -
スペイン版おしん
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生い立ちから悲惨な主人公達、更に追い打ちをかけるように次々と襲いかかる困難や試練。どれもが不条理で納得いかないことばかりだけど、心根がまっすぐなアルナウを思わず応援したくなってページを捲る手が止まらない。「弟」ジュアンの母が彼の幸せを願いつつ最期を迎えるシーンは哀しいけれど暖かみを感じた。バルナットの突然のキレっぷりには、唐突過ぎてアルナウ同様困惑したままとなってしまったのが残念。優しく頼もしいバスターシュに好感が持てる。下巻も楽しみ。
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『自由の値段ってどれくらいなんだろう?』
14世紀のスペインを舞台とした自由と絶望の物語。主要ストーリーのみならず、政治、信仰、建築等、描写が非常に細かくて丁寧。スペインという国を知るよすがになる、確かに。
ひどい、悲しい、可哀想、理不尽だ、そういった感想を抱く背景にエンターテイメント性以外の何物も存在しないことは確かだろう。それでも、スペインという国のテンポラリーな「文化」を見聞きし語る上で、読んでおいて損はない、そんな内容だと思う。 -
衝撃的な出来事で物語が始まる。その後は悲惨な状況が続き、読むのが辛くなって来たけど、物事が順調に進み始める。
でも、主人公の心の弱さから、、、「どうして、そんな?」ってことをし、また読むのが辛くなって来た。
でも、早速下巻を読み始めるつもり。下巻の初めはさらに悲惨な出来事が起こるらしい。
スペインの歴史って奥深い。wikiで調べよ〜! -
図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
14世紀、カタルーニャの農村で、農奴と村娘の婚礼の宴が晴れやかに行われていた。しかし、領主の来訪によって一変。泣き叫ぶ娘は領主に暴行され処女を奪われてしまった。領主は夫より先に新妻と同衾する権利が認められていたのだ。この衝撃的な冒頭から一大叙事詩の幕はあがった。理不尽に絶望し自由という新天地を求めて力強く歩き出した農奴バルナット。時代の渦に翻弄されながらも尊厳を失わずに生きていく運命は如何に。
バルナットの悔しさって、たぶん普通なら「しょうがない」で済ませてしまう痛みだったんだろうと思うのね。時代的に。
それをどうしていくか?が彼の生命力なのね。
La catedral del mar by Ildefonso Falcones -
春の戴冠からロンドンときて、今回はスペインが舞台の本。
最初から衝撃的。それさえ乗り越えればあとはノンストップ。
いつも爆睡する通学の電車で一睡もできなかったくらい、本当に面白かった。
悲惨な生い立ちの主人公に、追い打ちをかけるように次々と理不尽な事件が降りかかる。
抵抗できず屈してしまう場面もあるが、必ず立ちあがって別の方法を探していく姿に、思い通りに生きていくことはできなくとも必死に頑張っていればなんとかなるんだと勇気をもらえる。
階級の低い者の視点で当時のスペインの状況が描かれており、教科書を読むよりも勉強になる。