ウィキペディアで何が起こっているのか 変わり始めるソーシャルメディア信仰

  • オーム社
3.00
  • (2)
  • (3)
  • (12)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 65
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784274067310

作品紹介・あらすじ

ウィキペディアを編集しているのは誰なのか?管理しているのは誰なのか?ウィキペディア日本語版、その運営は謎に包まれている。本書では、ウィキペディアにまつわる疑問を明らかにし、さらにはソーシャルメディアが抱える問題に切り込んでいく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ウィキペディア信仰に対する警鐘の本です。一見、立派な百科事典ですが、仕組み・管理体制はかなり脆弱です。

    あらためて、ウィキペディア内の各種論争を見てみました。本書執筆時点(08年7月ごろ)で、Wikipedia日本語版の管理者は50-60名で、人数が少なく、脆弱で危ないと警鐘していました。ところが、今日現在(3月23日時点)、37名まで減っています。

    映画スターウォーズエピソードI〜IIIを彷彿させます。悪意のある書き込みをする人は、書き込みブロックされてもクローンを量産し、攻撃してくる。対する平和を愛し民主主義を守るジェダイ騎士団。今現在、悪のクローン軍団に押され気味です。

    ジェダイ騎士団として参戦したいところなのですが、ウィキペディア管理者というのは、相当骨の折れる仕事です。とてもじゃないですが、できません。現管理者の人たちの奮戦を祈るばかりです。


    目次を全部引用すると長いので、抜粋します。

    01/ウィキペディアとは
     ウィキペディアの何が画期的だったのか
     ウィキペディアの運営母体
     ウィキペディアのユーザー
     ウィキペディア管理者とは
     ウィキペディアの法律、方針文書
     ウィキペディアの対外窓口

    02/ウィキペディアで起きた事件
     日本語版の方針とガイドライン
     ウィキペディアでできる編集操作
     行動についてのトラブル事例
      楽天証券・西和彦・女性モデル・声優ページ、ジミーウェールズ・初音ミク・ちゅるやさん・引用禁止措置・静岡新聞
      IPユーザの匿名性は存在しない
      ソニー vs. マイクロソフト編集合戦・省庁・長妻代議士・イオンド大学
     問題視されるアカウントユーザ

    03/ウィキペディアの管理は問題山積み
     治外法権ウィキペディア
      ウィキペディアと2ちゃんねる
     ウィキペディア管理者の誕生
      特別な存在ではない管理者
     ウィキペディアは本当に中立を維持できるのか
     その書き込みの責任は誰にあるのか
     独裁者を嫌う思想
     ソーシャルメディアに内在する欠点と次なる脅威
      情報は一度は公開される
     その後のウィキペディア

    04/それぞれが考えるウィキペディア日本語版
     管理者Tomos氏、Ks aka 98氏が語るウィキペディア日本語版の姿
     アンチウィキペディアの立場から、吉本敏洋氏に聞く
     山口貴士弁護士が見るウィキペディア日本語版

    05/変わり始めるソーシャルメディア信仰
     そもそもソーシャルメディアとは
     ユーザーは企業にコントロールされなくなった
     企業と対立するソーシャルメディア
     ソーシャルメディア対マスコミ
     ソーシャルメディアが信仰に
     ソーシャルメディアが悪用され始める
     公平性とは何か
     公平性への解決策、ウィキペディアの方法と限界
     ネット実名への議論
     変わり始める、ソーシャルメディアと企業の関係
     今、ソーシャルメディアに必要なこと

  • 2008年時点での日本語版ウィキペディアの実情、ウィキペディアで起きた事件。

    ある意味まだ、混沌とした状況。

  • ウィキペディアは確かに便利です。ネットを通じた新たな知の世界です。

  • 「誰でも気軽に参加できる百科事典」
    ウィキペディアの実態を詳細にまとめた一冊。
    ウィキペディアによる
    企業・行政の不公正な書き込みの実態、
    2ちゃんねるさながらのユーザーの書き込み、
    ウィキペディア記事を裁判の証拠資料とした事例の記述など、
    ウィキペディアに関する数々の事例が紹介されており、
    現在のウィキペディアの課題を浮かび上がらせている。

    ただし、この著書は
    「記述内容の信頼性に問題」
    「プライバシーを保護できないシステム」などと
    ウィキペディアの現状・課題を
    ただ語って終わるのではなく、
    権力やメディアに関する話に踏み込んで
    論が展開されており、
    メディア論の著書としても
    非常に良質なものになっているように感じた。
    (特に、表面的にはインターネットと対立する
     企業・マスメディアが
     社会情勢の変化に合わせて融和していくとした
     著者の分析は秀逸だと思う)

    もちろん、この本は学術書ではないので、
    学問的な妥当性については疑問の余地があるが、
    適度な読みやすさと内容の深さの両方を兼ね備えているので、
    ネットの問題、メディアの問題に興味がある人は
    一度呼んでみることをお勧めしたい。

全4件中 1 - 4件を表示

山本まさきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×