交響録 N響で出会った名指揮者たち

著者 :
  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276211315

作品紹介・あらすじ

N響30年。元首席オーボエ奏者にして人気エッセイスト、しかも現役指揮者でもある著者が、N響で共演した巨匠・名指揮者(34名+約100名)との思い出を綴る。聴くだけではわからない指揮者の個性、仕事ぶり、普段の姿、また、現在指揮者として活躍する著者からみた彼らの技量…。そして、彼らとの演奏により著者が味わった感動や熱い想いが、読者も自らの聴取体験と重ね合わせながらしみじみと味わえる。

感想・レビュー・書評

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  • 茂木大輔氏は元NHK交響楽団の首席オーボエ奏者だった人。さすがNHK交響楽団だ、錚々たる指揮者たちに客演してもらっている。ソロで吹く場面も多い茂木氏は指揮者にいじられることが多々あったようだが、意外と指揮者と楽団員が会話を交わすことは少なかったようだ。それでもそれぞれの指揮者の個性が伝わって来るエッセイで面白かった。サヴァリッシュ、あの強面の顔の通り、自分の構想通りきっちり指揮する人だったようだ。怒鳴ったりはしなかったようだけど。楽団員に最も愛されたというホルスト・シュタインは実演が聴きかったなあ。シャルル・ヂュトワはバチバチに練習をやりこんだようだ。だからこその名演になったんだねえ。アンドレ・プレヴィン、なかなか楽しそうだ。ロジャー・ノリントンとは上手くいかなかったようだね。NHK交響楽団にはノン・ヴィヴラート奏法は合わないんだよ。というか楽団のプライドが高すぎてやる気がないのかもね。テレビでリハーサルの様子を放送しているのを見たが。ロリン・マゼールはさすがの貫禄。パーヴォ・ヤルヴィは楽団の個性を引き出す指揮者だそうだが、実際にはどんなことをしたんだろう。クラリネットの松本くんが面白かった。

  • 本当に面白かった!茂木さんは、色々な指揮者やオケ(N響)に頼りにされていたオーボエ奏者だったのだろうと思ったし、茂木さんもこの本は特に書きたかった部分もあったようだと思った。しかも、誰も悪くは描かれていなくて茂木さんの性格の良さが窺える。
    自分は多分クラオタ(クラシック音楽オタク)なので、読みながら「この指揮者は聴いたかなぁ?」とか「この指揮者のサントリー公演は覚えてる!面白かった!!」等と思いだしながら読めたが、N響や読響を何回か聴いた方やこれから聴こうという方はクラシック音楽のコンサートは、このようにして作られている、またこういったものだという良い本になっていると思う。

  • これもこんなものかな。もうすこし話ありそうだけど。

  • 茂木氏の交遊録的な雰囲気。知っている指揮者も知らない指揮者も裏話的な要素やお人柄などが面白かった。聴くだけではわからないオーケストラ団員との実際の雰囲気なども読んでいて楽しかった。

  • N響の首席オーボエ奏者だった著者のであった指揮者たちの列伝.ご本人もあとがきで書いているが,個人的な交流はすくなく,全体的に演奏や人となりの抽象的な印象の記述が多く薄味.

    私は大学時代にN響の定期会員なって演奏会に通い熱心に聞いていた時期がある.その時期と著者のN響でのキャリアの最初の部分が重なり,懐かしく思い出されたこともある.

    しかし,また再び,熱心に音楽を耳を傾ける機会は訪れるだろうか.

  • 聴く側では知り得ない、指揮者の個性、技量…。1990年から2019年に定年退職するまでの29年間、NHK交響楽団(N響)の首席オーボエ奏者として演奏した著者が、共演した名指揮者たちとの思い出を綴る。

    仙台フィルでも誰か書いてくれないかなぁ(笑)。
    ひとりじゃなくて複数人でヴェロさんについて書くとか・・・。

  • 「残念な事情で」放送されなかったデュトワの最後の定期、亡くなったときには放送されるのかな、と不謹慎なことを考えてしまうが、レヴァイン死すとも回顧はされず、な状況なので期待薄かなぁ…

  • マエストロを内側からみた本。本人が指揮者のため、踏み込み不足は否めない。でも素敵な人たちである。クラシックを聴きたくなる。

  • 著者は元N響オーボエ奏者。N響に登場した多くの指揮者の印象を書き記しているが、一人あたり長くても4頁程度なので物足りない。
    60年代にウィーン交響楽団とともに来日したハインツ・ワルベルクがアンコールで聞かせてくれた「レモンの花咲く頃」で、ホール全体が一気にウィーンの雰囲気(当時はまだ行ったことがなかったけど)になったのが強烈に印象に残っていて、90年代にN響を振っていたこと、著者が高く評価していることが妙に嬉しかった。

  • 私自身がN響ファンでも指揮者ヲタクでもないので、読んでフーン程度なのだが文章としては良く書けている。ただ著者は奏者から指揮者に転向してしまったので師弟関係やら忖度やらでハッキリ書けない部分もあるのではないか。最も賛同したのは似非古楽な指揮者ノータリントンの項。
    著者の指揮は知らないが奏者としてのバッハ演奏は資料としてリリンクのカンタータ全集を持っているが私の好みではない。

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著者プロフィール

シュトゥットガルト・ フィルを経て、1990年から2019年までNHK交響楽団首席オーボエ奏者を務め、世界的指揮者と共演を重ねた。1996年から指揮活動に入り、解説コンサートや「のだめ音楽会」などを全国展開。群響、仙台フィル、東フィル、名フィル、九響など全国の団体を指揮。50歳にして東京音大の指揮科に再入学。現在同学助教。指揮を故・岩城宏之、外山雄三、広上淳一の各氏に師事。『オーケストラ楽器別人間学』など多数の著書がある。

「2020年 『交響録 N響で出会った名指揮者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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