学校へ行く意味・休む意味: 不登校ってなんだろう? (どう考える?ニッポンの教育問題シリーズ)
- 日本図書センター (2012年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784284304498
作品紹介・あらすじ
なぜ、人は学校へ行くのか?「不登校」理解、ここから、はじまる!学校が生まれた理由、立身・出世の夢、戦後ニッポンの大変化、高度経済成長の夢と希望、失われた学校の聖性、そして増え続ける不登校…さぁ、深く考えてみよう。
感想・レビュー・書評
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教育だけでなく日本社会の戦前・戦後の歴史全般をひも解きながら不登校増加の背景について解説している。いささか冗長の感は否めないが、その道で仕事をしたいと考えている人には一読をお勧めしたい。
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不登校はなぜ増えたのか? 心理学教授が戦後の社会と教育の変化を振り返りその理由を説いていく。
学校に行かないという選択肢は戦後まもなくは多くやがて減少したが、今度は不登校という形で増加し、現在に至っている。作者は産業構造の変化によって学校へ行く(勉強する)意味が変化したことがこの理由であるとしている。学校へ行く重みが減ったから不登校が増えているという考えは私も大筋では賛成である。
しかし、だ。この本は最後の章でその対策となる部分を書こうとしていると思うのだが、そこで急速に今までの説得力が失われ、当たり障りのない意見で終わってしまっている。この尻つぼみは残念。
不登校問題をマクロの視点で考える資料として一読の価値あり。 -
371.4||Ta
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歴史認識も踏まえて不登校問題を考察する、なかなかの良書
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ざっと飛ばし読み。小学生の親をしているとつい学校の存在を大きく感じすぎて、無意識に学校での生活を無難に過ごさせることを優先してしまう。だからたまにはこういう本も読んでよかった。
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この春、職場異動①
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仕事関連本として。
次、第8章から。
全部読めずに返却。 -
不登校について、偏りのない視点から述べられていて、参考になる。
なぜ学校に行くのか?それは勉強のためなどではなく、他者のなかに入ってはじめて「自分」を見出せるため。というのは、腑に落ちる回答だった。 -
サブタイトルにある通り、不登校に関する本。「第一世代の不登校」は、一見何の心配もなさそうな子が学校にいけないという、いわば"不可解な不登校"であったが、じょじょに様々なタイプが生まれ対象が広がってきた。また情短施設は社会的ニーズを受けて対象が低年齢層から中学生以上に広がり、戸塚ヨットスクール事件を機に文部省がそれを追認するようになった、など不登校という概念の歴史的・社会的背景が読みやすく書かれていて、この問題を理解するのに役に立つ。
ただ、あまりに冗舌すぎて、嫌になることも。不登校を社会的な文脈に位置づけようとするのはわかるけれど、さすがに教育勅語や東西冷戦など、全くとは言わないまでもほとんど関係ないことについて記述が多すぎ。あと驚きべきことに、グラフなどがいくつかあるのに、そのデータの引用元が明記されていない(たとえばP.140の長欠率の推移)。これはマナー違反であるので、反省と改善を望みたい。