中森明菜の真実 (MdN新書)

著者 :
  • エムディエヌコーポレーション
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295204398

感想・レビュー・書評

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  • 内容は他の暴露本とか評論とかとまぁ同じ、エピソードの深度も同じだろうけど、いいの、同じ話の繰り返しでも。読みたいんだもの。

    と思って読んでみたら初めて知る事もありおもろかった。

    他の明菜本も時間の流れを利用して臨場感やそれぞれの出来事をドラマティックに書いているが、この本はさらに強弱がありデビューから1989年までを(当然レコ大までに重点置いてるし途中結構ワープするけど)時間の流れを感触を持って読めた。当時の状況を出来るだけ偏見なく中立の立場でトレースしたように見せる努力?仕掛け?を感じる本。実際はかなり明菜寄りだけど。
    ファンなら「あのエピソード書いてくれよ」ってのもありましたけどまぁ主だったエピソードも拾ってる。

    初期の作品を語っていく上で普通ならインタビューの軸にしそうな島田氏が全く出てこない。文中「担当ディレクター」とすることで故意に避けているのが分かる。
    ところが飾りからミアモにかけてのディレクター交代(島田 to 藤倉)で突如名前呼び。
    島田氏の後任ディレクター藤倉氏「嫌がらせを受けた」発言まで明確に書き、明菜にまつわる利権の深度を表す具体例として挙げているように読める。(がしかし「温もり」については言及なし)

    賞レースが事務所とレコード会社の金のかけ方次第(審査員の買収次第)であることが明菜の新人賞やレコード大賞、歌謡大賞に田原や近藤など、繰り返し繰り返し語られる。
    また1985年当時でもレコード大賞の権威が落ちていることの関係者懸念が語られる。

    少女Aの元タイトル「少女A(17)」には触れないものの、1/2の神話の元タイトル「不良1/2」については当時のNHK忖度のみならず2020年NHK番組内での売野の愚痴?文句?をも拾ってる。
    でもね売野さん。確かにあなたの元タイトル
    少女A(17)にしろ不良1/2にしろ、そりゃこっちの方がインパクトあるし絶対売れるよ、売れるんだけど。問題は「その後」だよね。
    三原じゅん子はさすがに軽く超えてるとはいえ、セカンド&フォースシングルでこんな飛ばし方したら燃え尽きちゃうっていうか、時代が明菜を短期間で食い尽くしちゃったかもよ?
    フィンガー、ピンク、光ゲンジ。
    爆発的な売れ方ってのは文字通り爆発であって、短期間であることが宿命だもの。
    トワイライト(ジャケ写が秀逸で有名な)のころの謀反(トワ発売日にワーナー常務が謀叛起こしてハミングバード設立)も今まで読んだ明菜本には詳しく書いてなかったように思う。初期ディレクター島田氏の本しかり、他の本しかり。
    ロングセラーの後遺症、大衆の明菜像から外れた、というのはまぁそうなんでしょう。オリコン無視集計(おそらく出荷のみ)では少女100万セカラ120万神話100万でトワが40-50万。最高2位。んー。楽曲の良さを考えるとやはりこれは探偵物語のせいでもないし、中休みでもないし、プロモーションが足りなかった、もっというと商品価値の水準にプロモが達してなかったからなのでは?と。そりゃディレクター以外スタッフ総入れ替えなら仕方ないけんど。

    北ウィングとサザン(南)ウィンドの言葉遊び。
    今初めて気付いた。気持ちいい。
    サザンウィンドについて「豊満で気だるい避暑地的な夏をドライに歌い上げ」とはぴったりの表現。
    これから人に聞かれたらこう答えよう。

    84年12月発売、飾りのセルフカバー陽水の「9.5カラット」アルバムは160万枚。フォーライフボーナス9.5ヶ月。
    こういう綺麗なエピソードも好き。

    ジプシークイーン125ページ。永遠の反対という意味での1/8つまり0.125。なにこれ。かっこよすぎ。なお岡田有希子の時刻も12時5分。アスファルトのベッド。

    最近読んだ明菜本の中では1番自分には合っていたような気がします。

    で。

    この本からは少し外れて明菜本全体に言えることなんだけど。

    1) いわゆる「睨んだようなジャケット」とか「甘辛ミックス」のシングルリリース戦略。これって別に特別なことじゃないでしょ。明菜本だから強調ポイントなのは分かるけど殊更に言い立てすぎると逆に内容が小さく読める。聖子もパイナ以外は笑ってないって聞くし、ありがとう→デジタルナイトララバイとかいくらでもあんじゃん。

    2)明菜に限らずだけど16歳の天才アイドルの立場になって書いてあげてよと思う。スタ誕最高得点だよ?中村センセ100点だよ?プラカードも沢山上がって。なのに第一プロandコロムビアで決まってたのがオトナの事情で研音andワーナーになり(ワーナーを明菜が気に入ってたって言うのは本当かどうか分からない。後付けじゃない?淳子の森田健作のファンでしたみたいなもんで。だって自分で選んでないし。)、デビューは皆んなから遅れて5/1のGW真っ只中。
    最近ユッコの日記を初めて読みましたが、あのユッコ(1人だけ最優秀新人賞を貰うのが嫌で吉川晃司と同時受賞だとニコニコしてた、という設定の)ですら自身のデビューが遅いだの、サンミュが同年に瀧里美をデビューさせてるのが力が分散するから気に入らないだの書いてるわけよ。明菜がイラつかないわけないじゃん。挙句に「ちょっとエッチな美新人」てアンタ。デビュー曲はいいけどセカンドは清瀬丸出し。これじゃ三原じゅん子や石坂智子の二の舞じゃんよと思うよ本人も。
    その辺の心境を書いてあげて欲しい。

    最後に

    「業界ウケは一般ウケしない、明菜が業界ウケしなかったのが良かったのかも」
    おっと黒木真由美と清水由紀子の悪口はそこまでだ。


  • 80年代の中森明菜について知れる本。楽曲制作におけるエピソードなど面白かった

  • 中森明菜のヒット曲がどのように作られたか関係者に取材してまとめられた本。全盛期までのシングル全ての曲作りの裏側が書かれていた。トラブル続きということも含めて彼女は大スターだと思う。ずっと第一線で活躍できる才能を持っているのに何が彼女を疲れさせてしまったのだろう。今年の紅白への出演の有無が話題になっているがどうなんだろう。代表曲を唄う彼女をぜひ観たい。

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