東京藝大美術学部 究極の思考

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295405344

感想・レビュー・書評

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  • 日本における芸術系の最高学府、東京藝大出身者の思考について、入試から大学での学び、卒業生のインタビューを通して解説&解明した本。

    進学校にいながら勉強が得意ではなかった私が選んだ進路は美大だった。
    当時は共通一次を全科目受験しなきゃいけなかったのも苦痛だったし、デッサンが苦手だったので受かるわけがないと記念受験すらしなかった藝大。

    大学院美術研究科絵画専攻油画修了の小左誠一郎さんは、好きなことをやるために実技の一次試験であるデッサンを効率的に描く術を開発した。

    そんな発想があったとは。

    進路選びからして逃げだったし、大学に入ってからも真剣に向き合っていなかったし、就職もなんとなく決めた。

    当時の私は「アティチュード」の何たるかも理解していなかったと思う(今もか)。

    好きなことで結果を出して生きていきたい人のヒントになる本。

  • 日本一入試の倍率が高い東京藝術大学。藝大卒のアーティストにインタビューし、彼ら彼女らの思考を紐解いていき、現代に「アート」はどう生かされるのか考察した本です。

    一章の藝大入試の話がめちゃくちゃ面白かったです。
    ほとんど禅問答のような試験問題で、傾向もない。受験生に必要なのは『ビジョン』や『哲学』と、それをアウトプットする技術というわけです。

    当方、美術大学を受験しましたが、藝大は秒で諦めた記憶があります。
    ただ「超絶技術がある」受験生しか受からないからあれだけ何浪する人がいるんだろうと思っていました。藝大受験の実態は漫画『ブルービリオド』でも描かれていましたが、藝大はただ絵が上手い人を求めているのではないことにこの本で改めて気付かされました。

    >予期せぬ環境下に置かれることで、その人の内面世界というものがギュッと出てきます。それこそが自己表現であり、入試ではここを見ています。圧をかけたときに、自分のそれまでの人生が表現できているのかが最も重要なのです。

    藝大卒生にインタービューしたなかで著者は、アーティストが持つ理力として
    ① 言語と非言語、具象と抽象を網羅する理力
    ② 好奇心を持ち、問う理力
    ③ 熱狂的に没頭できる理力
    上記3つをあげています。
    特に①は、アートという非言語な世界に生きながら、必ず言語化ということも重要としていて、藝大では講評会を通して言語化の訓練をしているし、卒業すればプレゼンやドキュメンテーションを作成し、自身の作品を自ら語る必要があります。藝大卒生はアートで成功するのは厳しいというけれど、一般企業でも活躍できる能力は身に付くわけですね。

  • アートな思考をもって仕事にあたる。新たな見方を与えてくれる一冊。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC07724357

  • ダメだな、最後まで読んでも、思考の重層化という言葉の具体的なイメージが湧かなかった。
    読み物としては面白いし、藝大生やそのOBの人たちの実話も面白いのだが、じゃあどうしてその人たちが、どういう思考をどのような場面でどうやって行なっているのか、表象はわかっても深部がわからないというか、「感じて、みようとしてみる」とか言われても、なんとなくしか分からなかった。
    前々から簡単なデッサンはできるようになりたくて、それこそモレスキン持って散歩がてら、感じたままに絵を描きたいということを考えているので、まずはそれやってみて、観察する経験を積み上げていくともしかしたら、この著者の言わんとすることも少しは腑に落ちたように思えるのだろうか…

  • ビジネスに通ずる何かを求めて読みました。
    美大を卒業して生保の会社でトップ売上した人の話、もっと読みたかったです。

  • 2022.10.18 とても刺激になった。やっぱりアートがビジネスはもちろん、生きる上でも大事だと思う。面白かった。

  • ■ 理解できたこと
    ・いわゆる”美大”として国内最高峰の「東京藝術大学」では、一般的な受験対策が通じず、ひたすら自分と向き合った先に絞り出される、究極の感性が試される
    (参考:御茶ノ水美術学院 油絵科ギャラリー)
    https://gakuin.ochabi.ac.jp/gallery/468.html

    ・ロジカルシンキングや問題解決では得られない「創造する力」は、アートだけでなく、ビジネスでも活かされている
    ・かと言って、基本が不要といっているわけでもなく、守破離ではないが、まずは形を覚えることは重要
    ・お手本を正しく真似て、そこから自分なりの正解を見つけ出していく(=ひたすら自分と向き合う)

    ■ レビュー
    ・タイトルから「思考法」のようなノウハウ本を想像しがちだが、内容は異なるので注意
    ・発想、想造、デザイン思考等、バズワードで終わりがちな言葉の具体的意味合いや、現実社会での実績、影響が、少し理解できる
    ・「芸術大学」の内側に興味がある方はおすすめである

  • 単純に自分とは違う色々な方の人生を知れて面白かった。決められたレールに乗らず、自分を表すこと、自分に向き合っていくことをする人々は辛そうでもあるが、だからこそ才能が開花するんだなと思った。
    ビジネスにも必要な要所があり勉強になった。

  • いわゆる美大といえば、美術系に特化した職しかなく、狭き門な故、苦労されている方が多いイメージでしたが、そんな時代ではないようです。
    今では観察力に優れ、解のない問題に対してどう取り組み、自分なりの回答を導くのか、非認知能力の高さなどなどあらゆる業界で重宝される人材のようです。
    昨今、縦割りだった学問が横断化され新しい視点で模索している流れを考えれば、美術の領域もそうなった、ということなんでしょう。

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