- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296000081
作品紹介・あらすじ
医学界大注目! 「オートファジー(細胞のおそうじ機能)」のスイッチを入れて、病気や不調を跳ね返す!
■人の身体は数十兆超の細胞からなり、「人間の健康」とは「細胞が健康であること」にほかなりません。そして細胞の健康の鍵を握るのが、本書のテーマである「オートファジー」という細胞内おそうじ・抗菌機能(細胞内の不要物・異物・細菌を処理し、使える物はリサイクルする)です。2016年に日本の生物学者、大隅良典氏が「オートファジーの仕組みの解明」でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。オートファジーはいま最も注目されているテーマです。
■オートファジーはすべての細胞に備わっていて、正常に働いていると、細胞の健康が保たれ、ひいては健康長寿を実現できます。ところが、現代人は栄養過剰のためオートファジーがきちんと働きません。その影響が加齢とともに積み重なり、生活習慣病などの病気や不調を引き起こす原因になっています。
本書は、オートファジーの仕組みをわかりやすく解説するだけでなく、眠ったままの「オートファジー」のスイッチを無理なく起動させる方法を提示します。
■オートファジーについて知れば知るほど、効果があるとされている世の中の多くの「健康法」や「食事法」は、結局、オートファジーを動かすための手段にすぎないことが明らかになってきます。「健康法」はいろいろありすぎて迷っている(あるいは信用できない)という人にもおすすめです。
感想・レビュー・書評
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「オートファジーとは-細胞内で老化した器官を再利用したり、病原菌や有害物質を取り除いたりする、細胞の自己浄化作用のこと。すべての人が備え持つ、アンチエイジングと健康長寿の鍵だ。」(本書カバー袖部分より)
著者は、弁護士からビアパブのオーナーを経て生物科学の研究者になった異色の人。生物学に関する大学院等の教育機関でのキャリアは無いものの、膨大な量の論文を読みこなし、自身でも多くの論文を執筆しているとの事。
なお、本書の序文をハーバード大医学部の教授が書いているのだが、それによると、著者は60歳(!)の時にその教授のところへ、今から大学院の博士課程に進学しようかどうか迷っている、と相談に行ったとの事だが、それだけでも著者の生物学に対する並々ならぬ熱意が感じられた。
ところで、肝心の本書の中身だが、そのような研究熱心な著者らしく、オートファジーと生物学にまつわる理論的な内容が大半を占めているので、具体的にどうすればオートファジーが発動させられるのかだけを手っ取り早く知りたい人は、最後の第9勝だけで読めばよいように思う。
ただ、提案されている食品、メニューそしてスケジュールは一般的にはかなり実践が難しいように感じたので、何も食べない時間を可能な限り長く取ったうえで(本書推奨は16時間以上)、推奨されている食品/食材を意識的に多く取り、非推奨のもの(卵や乳製品を含む動物性たんぱく質)を可能な限り減らして、運動を定期的に行う、というレベルからまずは実践してみようかと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は、健康長寿の科学的探求を自らのライフワークと定めた生物科学研究者。
20年以上を費やして老化生物学に関する論文を1万8000本以上読破し、それらのメタ解析から健康長寿の〝極意〟を導き出したという。本書はそれを一般向けに開陳したものだ。
「オートファジーで手に入れる究極の健康長寿」との副題が示すとおり、中心となるのは「オートファジー」を活性化させるための方法だ。
タイトルの「SWITCH」とは、オートファジーと「mTOR」(mechanistic target of rapamycin=ラパマイシン機構的標的タンパク質。「エムトア」と読む)がトレードオフの関係にあることを、ダイアル式スイッチになぞらえたもの。
《mTORの働きが抑制されると「細胞の自己浄化モード」であるオートファジーが起動し、脂肪を燃焼させるだけではなく、細胞内に生じた有毒物質や増殖しようとしているがん細胞を除去する。逆に、mTORが活性化すると、「細胞の成長モード」に入る。》27ページ
オートファジーもmTORも体にとっては大切だ。しかし、現代人の生活は飽食などによってmTOR側に大きく傾きすぎている。
そこで、スイッチをオートファジー側に引き戻すことで健康長寿につなげよう、というのが本書のおもな主張である。
悪い本ではないが、全体にわかりにくい。
「一般書なのだから、ここはそんなにくわしく解説しなくてもよいだろう」と思わせる部分が多いのだ。著者には、一般書にふさわしい力の抜き加減がよくわかっていないと思う。
類書であるデビッド・A・シンクレア(著者の友人でもあり、本書に推薦の辞も寄せている)のベストセラー『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』はそのへんが見事で、一般人にとっても面白い読み物になっていた。読み比べてみると、本書の出来の悪さが目立つ。
本書は「実用書」でもあるわけだが、その点でもやや疑問符がつく。
著者が提示する健康長寿の条件があまりに厳しくて、実行のハードルが高すぎるのだ(甘いものは一切禁止とか、乳製品はほぼ禁止で〝牛乳をやめて羊乳にしろ〟とかw)。
自分でも実行可能な部分だけ、つまみ食いで参考にすればよいと思う。 -
オートファジーについて。1日5-10本論文を読み、合計18000本読み、自分でも実践してる人の著作。
「朝飯抜くと16時間空腹でオートファジー発動する」「パレオダイエット(石器時代の食生活)」など、高城剛さんと言ってることが似てる。
成長止めるとオートファジー発動するのも面白かった。
ダイエットというより、健康に長寿を生きるための科学的指南、実験書。
ナッツもマカデミアンナッツが良いらしい。精製砂糖、小麦、牛乳はダメ。脂質は、オリーブオイル、MCT(ココナッツ)でとる。
人類のDNAは百万年前と0.5%しか変わってないのに、食べるモノが変わりすぎている。
栄養過多なのに人間の体が追いついてないという視点が面白かった。 -
この本すごい。図書館で借りたけど、食の教科書としていつでも参照できるように買う。
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オートファジーとは、細胞内で老化した器官を再利用したり、病原菌や有害物質を取り除いたりする、細胞の自己浄化機能のこと。
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ナッツの中では、一価不飽和脂肪酸を特に多く含むマカダミアナッツがお勧め。
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●タンパク質循環によるオートファジーの活性化
1週間のうち、タンパク質摂取量を抑える日を連続させずに3日設ける。この三日間は、夕食後から翌日の正午まで断食し(理想的には合計18時間)、午後の食事では、タンパク質の摂取量を25グラム以下にする。
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●運動でオートファジーをさらに活性化。
マウスをトレッドミルで30分間走らせたところ、細胞が健康的に分解される速度が急激に上昇した。30分間のランニングによって、オートファジーが40から50%増加していた。 -
内容的には少し難しい。断食16時間が大事。糖質ダイエットなど、話題の健康法を科学的に検証した本。ギリシャのアトス山の修道士の話しに興味を持った。
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各章で低身長の人の遺伝子や沖縄や修道士の食習慣などを例にデータを示しながら科学的な食生活を説明して、最後の章に具体的な食習慣をどうすればいいかとまとめる、という構成。
沖縄や修道士の例などは興味深かったけど、結局この知識をどう生活に落とし込めばいいのかは分かりづらかった。サーモンを食べる頻度を増やしていこうと思ったくらいかな。 -
これが本当なら、身体に良いと思って摂取していたものが大きく変わった。
マカデミアナッツを摂ってみるかな。 -
オートファジーについて、原理と実践方法を科学的にエビデンスベースドで書かれており良書。現代病はこの飽食の環境が引き起こすエラーであることがよく分かる。無闇にプチ断食を続けるのではなく、mTORのオンオフを意識した食生活をしていきたい(が、なかなか食後のデザートがやめれない)
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元々はダイエットの文脈で”アートファジー”に出会ったのだが、その後いろいろ調べていると、単純な16時間ダイエットとかではなく、老化防止や疾病予防に効果がある(というよりこちらが目的)ということで読んだ。
身体の生体メカニズムから詳細に書かれていて、とても勉強になるし腑に落ちることも多かった。
ただ、肝心のオートファジーに関してはなかなかハードルが高く感じる。確かに単純に16時間ダイエットから始めてもいいのだろうが…。