- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296000487
作品紹介・あらすじ
修羅場のプロフェッショナル・冨山和彦氏と
『ダークサイド・スキル』木村尚敬氏のコラボレーション!
乱世の今こそ、古典に学べ!
多くのリーダーが座右の書として挙げるマキャベリの『君主論』。
そのエッセンスを現代のビジネスに当てはめつつ、解説するのが本書だ。
きれいごとではすまされない再生・改革の修羅場を潜り抜けてきた2人が、
その経験をもとにリアルに語る。
第1部では、なぜいま君主論なのか、コロナで一変した日本企業を取り巻く状況と、
リーダーの役割の変化とを関連付けて、冨山氏が解説する。
第2部では、君主論からの重要ポイントを引用し、その意味するところを説明しながら、
実際のビジネスの現場でどのように適用すればいいのか、
木村氏が事例を使いながら紹介する。
第3部は、君主論を体現するリーダーであり、日立の再生を成功させた中西宏明氏の
改革手法について、冨山氏と木村氏が対談形式で語る。
――マキャベリは「非連続な時代において、国を統治する君主はどうあるべきか」を論じた。それが『君主論』である。
そして「国」を「企業」に置き換えれば、そのまま現代のビジネスリーダーが直面しているテーマと重なる。すなわち「非連続な時代において、企業を統治するリーダーはどうあるべきか」である。
よって『君主論』は、現代のリーダーや次世代リーダーにとって、またとない教科書となる。その内容は500年経っても色褪せない普遍性を備えており、企業経営・組織マネジメントに携わる者にとって必読の書と言えるだろう。――「はじめに」より
【本書の主な内容】
-善良なリーダーが全員を不幸にする
-小泉純一郎元首相が密かに明かした「政治家の裏事情」とは
-「宿敵」と共著を出した経団連トップ
-「突出したアウトロー」を集めて躍進したリクルート・江副浩正氏
-高校生が取締役会に参加するユーグレナ
-マキャベリにならった産業再生機構時代
-会社は遊園地ではなく戦場だ
-社内政治に勝って昇進したサラリーマンの末路
-軍事は支配者に期待される唯一の技能である
-抵抗勢力の処遇は冷徹に決断する
-平時の言動だけで相手を信用するな
-リーダーは外見で判断される
-冷徹な判断こそ、情の厚い意思決定になる
-第一線で戦えない君主は役に立たない
-痛みを伴う改革は一度でやり切る
ほか
感想・レビュー・書評
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リーダーの心得、リーダーの選び方
概要
・なぜリーダー君主論を学ぶべきなのか。マキャヴェリの時代と同じく今は有事だから。サラリーマンの出世のゴールが社長という時代ではない
・リーダーに求められるもの。君主論から抜粋。非情に改革は徹底的にスピードを持ってやる、抵抗勢力への温情は仇
・リーダーには規範やふるまい、外見も求められる。演技でよい、見せ方が大切。威厳を保って孤独でよい
感想
君主論本編を読んでみたくはなったが、本書の内容は冨山氏の普段の主張と同じであり、新たな発見はあまりない。
・経営者の選び方も既視感あり。三品教授が2010年以前から主張してきた内容、ようやく浸透してきたものの、まだマイナーであり、そこに一石を投じている。
・★規範を作る、というのが識学と似ている。識学は細かいルールまで決めるが、こちらは行動規範のレベル。組織や人材のレベルによってはこれでいいかもしれない、というのが気づき。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の解説だけで理解するなら、マキャベリズムとは、統治において為政者は民への印象を自らコントロールすべきで、その内容については畏敬を保つべく、原則的に善良でなくて構わない。また、人間観察を旨とし、大胆に決断せよ、と私の頭ではこんな浅い解釈になる。残酷or慈悲、という選択肢など、マキャベリはこうした冷徹さが一人歩きし、マキャベリズムというと、サイコだったり非道な人を揶揄するイメージがこびりついているような気がする。それの印象そのままに、自己啓発、リーダーシップ論に落とし込んだのが本著と言えるだろうか。
マキャベリの人となりを詳しく学びたいなら本著では足りない。シン・君主論とあるが、新しくはない。シンゴジラとか、シンウルトラマン、シンサラリーマン、シンニホン。何ぞ、シンとや。なんて事はない、iPhone、iPS細胞の小文字i同様、商業主義的アイキャッチなアイデアの一種か。 -
戦略を変えることはできても、それに組織がついていくのは大変である。だからこそ企業が持つ組織能力そのものを抜本的に進化させ、加速する環境変化に迅速かつ的確に対応し続けられるだけの可変性を持たせることが重要。
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非連続性の世の中において、マキャベリの君主論を題材に砕いて解説してくれていて分かりやすかった。
マキャベリの原著にも是非触れてみたいと思った。 -
君主論をビジネスシーンに即し、コンサルタントが論じる一冊。大手企業の例が中心だが、心構えや考え方は普遍的だと思う。
最大の敵が社内の抵抗勢力という話に、考えさせられた。 -
人間はそれぞれにこのためなら動くという動機づけやインセンティブを持っている。それが理解できれば自分と相手の利害が一致する地点を見つけて折り合いをつけられるものだ。
リーダーが絶対にやってはいけないのが全員に愛されようとすることだ。
信念があれば嫌われることを恐れない。
信念とはすなわち大義。 -
中身のある内容は100p程だったので、コスパわるい。まあ実例ありきで例えてくれるのはいいけどね。でもまあ君主論そもそも2章(ぎりギリ3章)しか見るとこないしそんなもんか。参考にするべき部分はインプット。
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君主論を読み返す機会にはなる。真新しい解釈はないかと思う。ユーグレナなどの事例がいくつか参考にはなった。
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リーダーとして馴れ合ってはいけない。下の人に見せるイメージをコントロールする。リーダーは孤独に耐える必要。その人がいるだけでピリッとする。
リーダーとそれ以外の生存戦略は異なるし、リーダーとして愛されるだけではダメなのだと痛感。 -
非連続な時代の国の統治 → 君主論
非連続な時代の企業の統治 → 社長論 ダブる
長年の組織文化によって戦略を時代にあわせ変えても組織が追い着いてこない 日本企業
活路としてはメンバーシップ型からプロ型 ジョブ型の人材を集める
組織の意識でリーダーは人をよく見る