NUDGE 実践 行動経済学 完全版

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000982

作品紹介・あらすじ

「行動経済学」最高の入門書!

ノーベル経済学賞受賞! セイラー教授の代表作が、
「最新の話題」を盛り込み、より「役に立つ」かたちになってリニューアル!

「NUDGE(ナッジ)」とは
親ゾウが、子ゾウの背中を鼻でちょっと押すように、
強制や禁止をせずに
本人の「よりよい選択」を後押しする「使える」経済学!


◆     ◆     ◆
「うっかりしていた」「知らなかった」「じっくり考える時間がなかった」……
実はその「損」、ナッジの活用で防げます!

・ジム、動画、音楽、雑誌……サブスクの「解約し忘れ」はなぜ起こる?
・保険料を得して医療費を安く抑える保険の選び方
・老後の年金を結果的に「一番多く」する方法

・事故多発の道路を安全に変えた「ある工夫」
・地球温暖化防止、ドナー登録……不快感を生まずに参加者を増やす方法は?
・我慢や強制ではなく、「健康的な生活」を“自然に”送るには?
・新型コロナウイルスのワクチン接種、最初から接種率が高かった自治体の手法は?

……

◆     ◆     ◆

◆「賢い人」「思慮深い人」ほど要注意!「ナッジ」で「認知バイアス」を乗り越えよう。

本書ではナッジにまつわる面白い実験を紹介している。たとえば、こんな実験だ。

あなたはいま、視覚認知テストを受けている6人の集団のなかにいる。
大きな白いカードに1本の線が描かれており、それをほかの3本の線と比べて、長さが同じものはどれか答える。3問目まではなにごともなく全員が同じ答えを選ぶ。
しかし、4問目であなた以外の5人が先に同じ線を選ぶのだが、それがどう見てもまちがっている。さあ、今度はあなたが答える番だ。あなたはどうするだろう。

・自分が「正解だ」と思った線を選ぶ
・前の5人が選んだ線を選ぶ

あなたは自信を持って、「正解だ」と思った線を選べるだろうか? 
3問目までと比べて、少しためらいながら答えることになるのではないだろうか?

実は、このシチュエーションで、前の5人が選んだ線を選んでしまう人は珍しくはない。
ナッジとは、他人の回答に惑わされてしまう人間にとって、実に役に立つものなのだ。

感想・レビュー・書評

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  • ナッジとは、行動科学の知見から、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチのこと。日本育英会は、面接の際に十分なナッジを取ってくれたかな?と若い頃を思い出しましたが。記憶はない。

  • この初期設定、誰のためのNUDGE なの?
    手続き簡単、自分の為ですよね……
    この商品のカタログの説明書、大きい字と小さい字の差は何?よく読めません……
    大事な事は、小さな字で書かれているそうです。
    考えさせられました。

  • 想定の内容ではなかった気がする…

  • ナッジや行動経済学ということにふれたことがない方にとっては非常に面白い本。
    2008年版を読んだ方には「ほとんど同じように感じ」る本。

    ナッジや選択アーキテクチャはうまく設計されれば、時に快適に、時にパワフルに、時に魔法のように、私達の日々の選択や行動を後押ししてくれる。それは本書を読んで、また実際に経験してみて思うことである。

    そんなナッジにも課題は色々あるが、特に臓器提供の章で指摘されているものは、取り上げているテーマがテーマということもあり、重要であると感じた。
    つまり、ナッジを利用した選択•決定における一連の流れには、熟慮がなくほとんど意思が欠除していることがある、ということだ。
    結果良ければ全て良し的な領域であればガンガンにナッジをすすめていってもらっていい。しかし例えば医療で言えば臓器提供や人生会議(ACP)、延命治療など、決めるのが難しいが当事者や家族など身近な人がしっかり考えて話し合うこと自体が重要な領域については、ナッジの使いすぎに注意が必要だろう。

  • 細心の部分が記載されておりわかりやすい

  • もう一度読み返すとしたら、15章の「ナッジをめぐる“から騒ぎ”」かな。
    選択アーキテクチャによって誘導されているように見えようとも、多くのナッジは人々を助ける。キュレーションがしっかりと行われていて、絞り込まれた“選択肢”の中から選べるようになるとありがたいし、よく考えられた“デフォルト”が提示されていて、かつオプトアウトしたければそうできるのであれば助かる。
    われわれは、人々が“バカ”だとは考えていない。世の中が複雑すぎるのだ!
    ごもっとも。

  • 行動経済学というよりも、それ自体が話題の「ナッジ理論」
    読んでみました。

    行動経済学や心理学など人間の思考や行動の「癖」を扱う学問は、それ自体を習得するよりもどのように応用するかが実際のところの有用性。ナッジやスラッジの概念を取り入れて、禁煙を成功させたいと思います。

  • 勉強になった点もあったけど、中盤以降年金、保険、住宅ローン、移植の話にページを割かれてて物足りない気がしました。

  • 2008年度版の本から一部の内容を2021年度に合致するように改訂した本。修正した部分は、臓器提供、同性婚、お金に関する章である。第一部と二部はナッジがいかなるもので、より良い選択をさせるためにはどうすれば良いかを論じており、楽しく読めたが、三部以降はほぼ各論に入っており、そのトピック自体に興味がないと読んでいてつまらなくなる部分があった。ただ、一部二部は非常に勉強になった。

  • 2008年に初版が刊行された、行動経済学の実践的概念の一つである「ナッジ」のメカニズムと活用手法を解説した一冊の増補改訂版。

    人々が日々行う意思決定において直感に頼った場合に陥り易いバイアスや誤謬、他人からの誤った影響に起因するミスを回避し、より良い選択を”そっと後押しする仕掛け”がナッジであり、最も望ましい選択肢をデフォルトにする、多過ぎる選択肢を適切にキュレーションする、さりげなくインセンティブを設定するなどの”仕掛け”により、カフェテリアのメニューの配置から確定拠出型年金や臓器提供といった公共性の高い政策を含めた幅広い分野において、最終的には自らが選択する自由を確保しつつ、「より良い選択を簡単にできる」ようにすることが可能であると説く。

    本改訂版で追加されたナッジ批判への反論では、ナッジが悪用され、消費者が知らないうちに誘導されてしまうのではないかとの懸念に対し、ナッジする側が守るべき透明性や公知性といった基本原則をまとめた「ナッジの権利章典」の策定を提案しており、結局のところ企業や政策担当者がナッジで目指す目標を明らかにした上で、選択肢を適切にデザインする”良心頼み”となる感は否めないが、ナッジする側・される側両面の立場から多くを学べる行動経済学の入門書として読む価値がある。

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著者プロフィール

米シカゴ大学経営大学院教授。1945年米ニュージャージー州生まれ。74 年米ロチェスター大学で経済学の博士号取得(Ph.D)。米コーネル大学、米マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院などを経て95年から現職。行動経済学の研究で、2017 年にノーベル経済学賞を受賞した。著書に『行動経済学の逆襲』(遠藤真美訳、早川書房)、『セイラー教授の行動経済学入門』(篠原勝訳、ダイヤモンド社)などがある。

「2022年 『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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