ハッキング思考 強者はいかにしてルールを歪めるのか、それを正すにはどうしたらいいのか
- 日経BP (2023年10月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296001576
作品紹介・あらすじ
富裕層、権力者、急成長企業はシステムをハッキングして成功した。AI時代にルールを味方につけるには、「正しいハッキングの考え方」が必要だ。あらゆるシステム(コンピュータ/金融/法律/政治/認知……)はハッキングでき、それは大きな成果を生む。・ピーター・ティールは10億ドルの資本利得税を支払わずに済んだ。・グーグルやアップルは税制の抜け穴を利用して多額の税金を逃れた。・ゴールドマンはアルミニウムを買い占め供給を操作、膨大な利益を得た。・ウーバーやエアビーアンドビーは業界の規制から逃れて急成長した。・恣意的な選挙区割り、議事事妨害……選挙も立法もハッキングされる。・野球、バスケ(スラムダンクはハックだった!)、アイスホッケー、水泳、F1……スポーツ界はハックの宝庫。・フェイスブックやユーチューブは人間の認知システムをハッキングして稼ぐ。・AIにより、速度、規模、範囲、複雑度の4次元でハッキングが加速する。ハッキングとは、システムが新たな環境・展開・技術に適応していく過程である。強者と弱者では、ハッキングのしかたに違いがある。強者は、権力を行使する方法のひとつとして使う。弱者は、権力構造をくつがえすために使う。規則は破るためにある、とよく言われる。だがそれ以上に、規則は出し抜かれ、悪用され、回避され、裏をかかれる――つまり「ハッキング」される。人間の独創性をとかくゆがんだ意図に利用し、文明社会のよって立つ制度を損ねるこのハッキングという現象を説明するのに、ブルース・シュナイアーほどの適任者はいない。『ハッキング思考』は、現代社会の活力と健全性を奪いかねないこの力について新たな発見をもたらす重要な一冊だ。――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学心理学教授、近著『人はどこまで合理的か』)本書は、 情報セキュリティの第一人者Bruce Schneier著、A Hacker's Mind: How the Powerful Bend Society's Rules, and How to Bend them Back の邦訳です。
感想・レビュー・書評
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ルールの範囲内で存在する抜け穴を使うことは強者が当たり前に行なっていることである
という本。
冒頭は良かったが、途中から具体性の薄い各業界のハッキング例紹介になってきてちょっとイマイチだった。
でも自分のメンタリティを後押ししてくれたので好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハッキングとは、ある規則のルールは守るが、作成時の理念や目的を無視し、一方的に利益を得る行為を指すそうです。
この本を読むまで、コンピュータシステム分野の文脈での狭い文脈でしかハッキングという言葉を意識できていませんでした。この本では、富裕層が法律などの人やお金に関するルールをハックし、さらなる富を獲得する行為の仕組みを教えてくれます。
ベンチャーキャピタルに対するイメージが少し変わり、彼らを見る目が少しだけ否定的になりました。 -
ハッキングといってもPCやデータだけではないです。税金、人の気持ちなど多岐にわたります。
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東洋経済2024217 評者:砂原庸介(神戸大学法学研究科教授、選挙制度、地方政治、他)
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