ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー

制作 : おぐら なおみ/漫画 
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296107698

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『ファンベース』著者の佐藤尚之(さとなお、ファンベースカンパニー会長)と、ネスレ日本でコーヒーのオフィス向け定期宅配サービス「ネスカフェ アンバサダー」を大成功に導いた津田匡保(ファンベースカンパニー代表)の共著による待望の書。漫画と対談でファンベースの実践ポイントを解説します。

人口急減や超高齢化、超成熟市場といった消費環境の一大変化に加え、相次ぐ自然災害の発生などで「先が見えない時代」。あなたの会社や事業の逆境を支えてくれるのは、まだ見ぬ新規顧客ではなく、熱烈に愛してくれている「ファン」の存在です。
さとなおが提唱するファンベースとは、「自社のサービスやブランドを愛してくれるファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売り上げや事業価値を高める」考え方。ともすれば、顧客を囲い込む、無理に増やすといった発想に陥りがちな「ファンマーケティング」や「コミュニティービジネス」とは一線を画すものです。
みなさん、頭では理解したつもりでも、「実際どうやってファンベースを実践すれば良いのか分からない」というのが本音でしょう。それに100%応えるのが本書です。
 本書では、さとなおによる漫画版ファンベース最新解説に加えて、ファンベースに試行錯誤しながら取り組んでいる「ファンベースなひとたち」の実践例を漫画と対談形式で紹介していきます。「中の人」はどんな思いで、どんな苦労を積み重ねながらファンと共に成長の道を歩んでいるのか――。漫画と対談で分かりやすくひも解いていきます。
 ファンベースカンパニーで80社以上の企業プロジェクトに伴走してきた経験からブラッシュアップされた、最新の「実践ファンベース」をこの1冊で学べます。
 楽しいファンベースの世界へ、ようこそ!

【本書のポイント】
◆最新のファンベース理論が漫画で学べる!「さとなお集中講義」
◆ファンベース実践10社の具体的な取り組みとポイントが漫画と対談で分かる!
◆ロングセラーブランド、ベンチャー企業、新規事業開発、地方企業・・・・・・
事業ステージ、タイプ別のファンベース事例からヒントが見つかる!

感想・レビュー・書評

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  • これからの時代に大切になってくるであろう「コミュニティー」に興味があったので、読んでみました。

    佐藤氏の提唱する「ファンベース」という概念を実践されている色々な企業の実例が豊富に載っています。
    半分くらいは漫画(コミック)なので、読みやすいです。

    というか、あまり本の内容を分からずに本を買ってしまいましたが、
    ベースとして新書の「ファンベース」という本を読んだ上で、
    実例を読んだ方がより理解が深まったような気がします。
    (本書にも冒頭、少しだけ著者の佐藤氏によるファンベースの解説はあるのですが…。)

    ※ファンベース
    https://booklog.jp/item/1/448007127X

    各社それぞれ色んな施策をしていてとても参考になります。
    個人的に一番、印象的だったのは、
    住まいのサブスクを提供している会社の担当者が言っていた
    「ファン自らサービスに関わる機会を増やしたいので、できるだけ「隙」だらけの状態にしている」という言葉。
    この感覚は、自分の普段働いている周囲にはない考え方だった。
    (もちろん、この考え方が、全ての業界・業種に当てはまる訳ではないけれど。)

    どの企業もB2Cだったので(おそらく)、
    ファンベースという考え方はB2Bでは中々適応が難しいのかな。。
    B2Bだとどうしても、「俺は客だから、オタクでやるのが当然でしょ」という関係になりがちだからなぁ。。
    (そして、サービス提供側も、相手のニーズに応えて色々先読みしてやってあげる営業がいい営業、みたいな雰囲気もあるし…。」

    基本、B2C向けのマーケティング担当や広報担当向けの本ではあるものの、
    B2Bに勤める人が自分の視野を広げるために読んでみても面白いかもしれません。
    (「こんなん、全く役に立たない…」と
    拒絶反応を起こしてしまうかもしれないけど。。
    頭が柔軟な人なら、感じるモノはあるはず…。)

    「コミュニティー」については、こちらの本もおススメ。

    ※WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344032918#comment

  • ファンベースカンパニーの代表である著者が自社が展開するファンベースという考え方について実践している10の企業の事例をもとに書いた一冊。

    誰もが知っているカゴメや巨人などの有名企業からネスカフェやmineoなどのきぎょうまでが実践しているファンベースという取り組みについて漫画と対談の二本立てで紹介されていて理解が深まりました。
    自社の製品に特別な感情を持ってもらうために行うこととして社内を巻き込むことやファンが自腹を切って自社を知るイベントを企画することなど様々なアプローチでファンベースを展開していることを知ることができました。
    コミュニティーサイトや社員とファンが交流するものや体験型のイベント開催など特別感を感じる施策を行っていくことが大切だと感じました。

    自社製品だけでなく社員の知らない側面を知るきっかけになっていることやファンから入社して社員になるケースやファンベースが浸透するとファンがブランドやサービスを自走させていくようになっていくことなど新たな一面や展開があることも知りました。

    物が飽和して多様な価値観で溢れている現代で熱烈なファンに支えてもらうファンベースの魅力を本書で知ることができました。
    そして、各社のファンベースの取り組みを知って各社各様のやり方でファンの取り込みを行い自社製品の魅力を伝えていることも感じました。
    本書でのファンベースの知識をさらに深めて自分のものにしていきたいと感じた一冊でした。

  • 業界には「ファンベースを提案しよう」とか言っている輩が多いが、本当に理解しているのか疑いたくなる時がある。本書はちゃんと実践した人たちとの対話を通して、その難しさを教えてくれる。それぞれのブランドにそれぞれのファンがいるとのことで、ウワベをマネするのではダメだと説くがその通りだと思う。20年以上前に習ったCRMにおける顧客の段階は、機能的ベネフィットに共感する人たち、ブランドが自分のことを知っていると言う人たち、それが進むとブランドと顧客がコミュニティになると。まさに、それが今のファンベースにも通じていて、ブランドの「なかの人」と顧客がコミュニティになるのだと感じた。
    また、山口周さんで言うと、「役に立つより意味があるブランド」と言うことだと思った。良書。

  • 非常に勉強になりました。
    上位顧客に好かれるようにする、といった考え方は持っていたのですが、より共感を大事にし共に歩んでいく考え方は、私になかった考え方でした。


    ・よく来てくれる、たくさん買ってくれる人がファンではない。企業が大切にしている価値を支持してくれる人がファン。

    ・まずは自分の想いを語ることから。その想いに共感した人がファンに

    ・ブランドやUSPはコピーが可能という点で、いずれ陳腐化する。しかし情緒価値は真似できない。

  • ファンがどうやってファンになったのか、ファンはこの会社の何が好きなのかを熟考する機会を与えてくれる本。「こういうところが好き」が、発信側も受信側も共通して持つこと、その共通して保つためにはコアファンやファンの声をしっかり拾うことが大切。

  • 著者の別の著書である「ファンベース」の実践ケーススタディ本。

    冒頭の「ファンベースとは?」を読み、あらためてファンベースでブランドをやることの大切さを身に染みて感じる。まだまだできることも改善できることもあるのがワクワクする。

    ・ファンは作るのではなく、出逢う

    ・ファンベースとは、
    ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていくこと

    ・パレートの法則

    ・情報価値
    1位家族友人、2位学者専門家、3位有名人インフルエンサー

    ・ファンベースのポイント
    イイトコロを伸ばす
    機能価値+情緒価値
    支持基盤を固める

    ・感情でファンになってもらう

    ・機能価値→コピー可能
    情緒価値→コピー不可

    ・ファンの支持を強くする3つのアプローチ
    共感
    愛着
    信頼

    ・共感→熱狂
    ファンであることに自信を持ってもらう
    ファンの言葉を傾聴しフォーカスする
    新規よりファンを優先する

    ・愛着→無二
    商品にストーリーやドラマをまとわせる
    ファンとの接点を大切にし改善する
    ファンが参加できる場を増やし活気づける

    ・信頼→応援
    それは誠実なやり方か?を自分に問いかける
    本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
    社員の信頼を大切にし最強のファンにする

    ・未来価値
    商品、サービス、ブランドを通して見た社会・未来に対するポジティブなイメージ

    ・ファンミーティング
    イイトコロをきく
    情緒価値をきく
    支持ポイントをきく

  • ファンベースとは、「ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や事業価値を高める」考え方

    ファンベースを実践していくのに最も重要なのは予算でも組織でもなく「中の人たち」

    ファンベースの事例は、その人たちにしか創れない唯一無二の物語

    ファンとは「企業やブランドなどが大切にしている価値を支持してくれる人」

    たくさん買ってくれる人が必ずしもファンではない

    長く売れ続けるためには、会社が大切にしている価値を伝えて、感情で「好き!」になってもらう必要がある。

    世の中に「好き!」が増えれば、暮らしに笑顔が増え、社会が幸せに包まれていきます。


    感情というのは本当に深いテーマ
    ただ良いものを作れば売れていた20世紀とは違い、21世紀は情報やモノがあふれ、社会的に多くの問題を抱える難しい時代。このような中で、企業が生活者の感情と向き合い、世の中に「好き!」を増やしていくことは21世紀の大きなテーマ

    感情と向き合うためには、まず自分の想いや感情を語ることから始めるべき。自身の想いを整理し、語ることから人付き合いは始まる。

    日本人は特に自分の思いや考えを語ることが苦手。


    ファンは作る・囲い込むではなく、出会う

    働くとは、人と動くこと
    想いを共有し、前に進める仲間が必要



    ファン・マーケティング
    ファン・ビジネス
    と混合してはいけない

    ファンのみなさんの気持ちに寄り添って、誠実に丁寧にコミュニケーションやキャンペーンや経営を考えていくことが重要。


    ファンベースを始めた方がいい理由
    ①売上
    ②時代
    ③類友


    ・売上
    ある飲料メーカーでは、8%のコアファンによって、年間売り上げの45%が作られていた。

    ファンも含めると90%近くの売上を占める

    パレートの法則
    顧客の上位20%が売上の80%を占める

    LTVの向上にも繋がる

    ※ファンを新たに増やすことではない


    ・時代
    人口急減
    高齢者の消費意欲減退
    超成熟市場による消費意欲減退
    新規顧客獲得の難易度アップ

    ジャムの法則

    2020年の情報量は、45ZB(ゼタバイト)
    1ZB=世界中の砂浜の砂の数

    1日にアップされるYoutubeの動画を見終わるのに82年かかる

    ファンは自分から情報を探して見に来てくれる


    ・類友
    口コミのチカラ

    1番信頼できるのは家族や友人

    ファンからの言葉は、熱意を伴う
    友達であるファンからのオススメされるものは、価値観が近い✖️熱意によって強い影響力を持つ


    ■ファンベースのポイント
    ・いいところを伸ばす
    ・機能価値+情緒価値(感情)
    ・支持基盤を固める


    ブランドやUSPは必ず陳腐化していく

    機能価値はコピーできても、情緒価値はコピーできない

    共感・愛着・信頼の感情にアプローチ

    テクニックではなく、相手をよく見て、感情を刺激することが大事


    共感→熱狂
    愛着→無二
    信頼→応援
    にアップグレードさせる

    加えて、未来価値も大切な時代になる


    機能価値:成果としての商品
    情緒価値:人材、技術、知識・課題解決、価値観、歴史、伝統、文化風土、地域貢献
    未来価値:創業の志、ミッション、パーパス、哲学


    ■どこから始めたらいいか?
    いいところ
    情緒価値
    支持
    をファンは知っている

    アンケートではなく、ファンミーティングを実施

    ファンステージ
    発見 使いたい

    定着 続けたい

    参加 協力したい

    共創 共に生きたい

    ※ファンベース診断


    <ロングセラーブランド>
    ①読売巨人軍
    まずやったのはアンケート&ファンの調査

    ファンは大事と分かっていても自分の部署だけで考えてしまう

    ファンミーティング&ドームツアー
    「ファンは仲間」

    本当のファンは、選手だけではなく、理念やブランドのファンでもある


    ②カゴメ
    ファン=ヘビーユーザー&ロイヤルユーザー
    「&KAGOME」 コミュニティサイト

    ③レタスクラブ
    社員のファン化
    お金を払ってでも行きたいファンイベント
    自社ファン→自分の仕事に誇りと自信をもってもらう


    <ベンチャー&新規事業>
    ④ネスカフェ
    ファンが求めていることを聴き実現してさらにファンになってもらう

    その人から口コミで新しいお客さんに紹介してもらう

    その繰り返し


    ⑤マイネオ
    ハッピーメーター 掲示板 
    ハッピーな言葉が100万個集まったら全国の公園に桜を植える活動

    ★数年後の未来をシェアできる企画
    タイムカプセル クラファンのリターン


    ⑥ユーグレナ


    ⑦address
    「隙」を作ってファンが参加できる余白を生む
    家守(やもり)制度
    あえて小さなコミュニティを創ることを意識


    <愛されブランド>

    ⑧イケウチオーガニック


    ⑨スープストックトーキョー
    会社を辞めた人も大切にする


    ⑩里山十帖


    ★ファンは各社それぞれ異なる

  • 文庫本は読んでいたけれど、ファンベースの具体的取り組みをストーリーで学べることはとてもありがたい。
    普段仕事をしていると、忘れそうになるファンベースへの想いがまた沸き上がってきたような気持ちになりました。

  • 企業の成長と幸せな社会のための働き方

  • さとなおさんの著書は、いつも目から鱗です。
    企業が積み上げているのが「機能価値+情緒価値+未来価値」であるが、生活者から見えづらい情緒、未来の蓄積こそが熱狂的ファンを惹きつける根幹だと。ついつい機能価値を全面に打ち出す有象無象の競合相手に浮き足立つことがあるが、これまで培ってきた情緒価値、未来価値をブラさずコアファンをつかまえておくのみ。

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著者プロフィール

◉──株式会社ファンベースカンパニー創業者、取締役会長。大阪芸術大学客
員教授。助けあいジャパン代表。花火師。1961年東京都生まれ。
◉──㈱電通入社後、コピーライター、CM プランナー、ウェブ・ディレクタ
ーを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築す
る仕事に従事。2011年に独立し、㈱ツナグ設立。19年、㈱ファンベースカンパ
ニー設立。
◉──著書に『明日の広告』『明日のコミュニケーション』(アスキー新書)、
『明日のプランニング』(講談社現代新書)、『ファンベース』(ちくま新書)な
ど。最新刊は『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ス
トーリー』(津田匡保氏と共著、日経BP)。

「2022年 『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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