ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー
- 日経BP (2020年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296107698
作品紹介・あらすじ
ベストセラー『ファンベース』著者の佐藤尚之(さとなお、ファンベースカンパニー会長)と、ネスレ日本でコーヒーのオフィス向け定期宅配サービス「ネスカフェ アンバサダー」を大成功に導いた津田匡保(ファンベースカンパニー代表)の共著による待望の書。漫画と対談でファンベースの実践ポイントを解説します。
人口急減や超高齢化、超成熟市場といった消費環境の一大変化に加え、相次ぐ自然災害の発生などで「先が見えない時代」。あなたの会社や事業の逆境を支えてくれるのは、まだ見ぬ新規顧客ではなく、熱烈に愛してくれている「ファン」の存在です。
さとなおが提唱するファンベースとは、「自社のサービスやブランドを愛してくれるファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売り上げや事業価値を高める」考え方。ともすれば、顧客を囲い込む、無理に増やすといった発想に陥りがちな「ファンマーケティング」や「コミュニティービジネス」とは一線を画すものです。
みなさん、頭では理解したつもりでも、「実際どうやってファンベースを実践すれば良いのか分からない」というのが本音でしょう。それに100%応えるのが本書です。
本書では、さとなおによる漫画版ファンベース最新解説に加えて、ファンベースに試行錯誤しながら取り組んでいる「ファンベースなひとたち」の実践例を漫画と対談形式で紹介していきます。「中の人」はどんな思いで、どんな苦労を積み重ねながらファンと共に成長の道を歩んでいるのか――。漫画と対談で分かりやすくひも解いていきます。
ファンベースカンパニーで80社以上の企業プロジェクトに伴走してきた経験からブラッシュアップされた、最新の「実践ファンベース」をこの1冊で学べます。
楽しいファンベースの世界へ、ようこそ!
【本書のポイント】
◆最新のファンベース理論が漫画で学べる!「さとなお集中講義」
◆ファンベース実践10社の具体的な取り組みとポイントが漫画と対談で分かる!
◆ロングセラーブランド、ベンチャー企業、新規事業開発、地方企業・・・・・・
事業ステージ、タイプ別のファンベース事例からヒントが見つかる!
感想・レビュー・書評
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これからの時代に大切になってくるであろう「コミュニティー」に興味があったので、読んでみました。
佐藤氏の提唱する「ファンベース」という概念を実践されている色々な企業の実例が豊富に載っています。
半分くらいは漫画(コミック)なので、読みやすいです。
というか、あまり本の内容を分からずに本を買ってしまいましたが、
ベースとして新書の「ファンベース」という本を読んだ上で、
実例を読んだ方がより理解が深まったような気がします。
(本書にも冒頭、少しだけ著者の佐藤氏によるファンベースの解説はあるのですが…。)
※ファンベース
https://booklog.jp/item/1/448007127X
各社それぞれ色んな施策をしていてとても参考になります。
個人的に一番、印象的だったのは、
住まいのサブスクを提供している会社の担当者が言っていた
「ファン自らサービスに関わる機会を増やしたいので、できるだけ「隙」だらけの状態にしている」という言葉。
この感覚は、自分の普段働いている周囲にはない考え方だった。
(もちろん、この考え方が、全ての業界・業種に当てはまる訳ではないけれど。)
どの企業もB2Cだったので(おそらく)、
ファンベースという考え方はB2Bでは中々適応が難しいのかな。。
B2Bだとどうしても、「俺は客だから、オタクでやるのが当然でしょ」という関係になりがちだからなぁ。。
(そして、サービス提供側も、相手のニーズに応えて色々先読みしてやってあげる営業がいい営業、みたいな雰囲気もあるし…。」
基本、B2C向けのマーケティング担当や広報担当向けの本ではあるものの、
B2Bに勤める人が自分の視野を広げるために読んでみても面白いかもしれません。
(「こんなん、全く役に立たない…」と
拒絶反応を起こしてしまうかもしれないけど。。
頭が柔軟な人なら、感じるモノはあるはず…。)
「コミュニティー」については、こちらの本もおススメ。
※WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344032918#comment詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファンベースカンパニーの代表である著者が自社が展開するファンベースという考え方について実践している10の企業の事例をもとに書いた一冊。
誰もが知っているカゴメや巨人などの有名企業からネスカフェやmineoなどのきぎょうまでが実践しているファンベースという取り組みについて漫画と対談の二本立てで紹介されていて理解が深まりました。
自社の製品に特別な感情を持ってもらうために行うこととして社内を巻き込むことやファンが自腹を切って自社を知るイベントを企画することなど様々なアプローチでファンベースを展開していることを知ることができました。
コミュニティーサイトや社員とファンが交流するものや体験型のイベント開催など特別感を感じる施策を行っていくことが大切だと感じました。
自社製品だけでなく社員の知らない側面を知るきっかけになっていることやファンから入社して社員になるケースやファンベースが浸透するとファンがブランドやサービスを自走させていくようになっていくことなど新たな一面や展開があることも知りました。
物が飽和して多様な価値観で溢れている現代で熱烈なファンに支えてもらうファンベースの魅力を本書で知ることができました。
そして、各社のファンベースの取り組みを知って各社各様のやり方でファンの取り込みを行い自社製品の魅力を伝えていることも感じました。
本書でのファンベースの知識をさらに深めて自分のものにしていきたいと感じた一冊でした。 -
業界には「ファンベースを提案しよう」とか言っている輩が多いが、本当に理解しているのか疑いたくなる時がある。本書はちゃんと実践した人たちとの対話を通して、その難しさを教えてくれる。それぞれのブランドにそれぞれのファンがいるとのことで、ウワベをマネするのではダメだと説くがその通りだと思う。20年以上前に習ったCRMにおける顧客の段階は、機能的ベネフィットに共感する人たち、ブランドが自分のことを知っていると言う人たち、それが進むとブランドと顧客がコミュニティになると。まさに、それが今のファンベースにも通じていて、ブランドの「なかの人」と顧客がコミュニティになるのだと感じた。
また、山口周さんで言うと、「役に立つより意味があるブランド」と言うことだと思った。良書。 -
ファンがどうやってファンになったのか、ファンはこの会社の何が好きなのかを熟考する機会を与えてくれる本。「こういうところが好き」が、発信側も受信側も共通して持つこと、その共通して保つためにはコアファンやファンの声をしっかり拾うことが大切。
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著者の別の著書である「ファンベース」の実践ケーススタディ本。
冒頭の「ファンベースとは?」を読み、あらためてファンベースでブランドをやることの大切さを身に染みて感じる。まだまだできることも改善できることもあるのがワクワクする。
・ファンは作るのではなく、出逢う
・ファンベースとは、
ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていくこと
・パレートの法則
・情報価値
1位家族友人、2位学者専門家、3位有名人インフルエンサー
・ファンベースのポイント
イイトコロを伸ばす
機能価値+情緒価値
支持基盤を固める
・感情でファンになってもらう
・機能価値→コピー可能
情緒価値→コピー不可
・ファンの支持を強くする3つのアプローチ
共感
愛着
信頼
・共感→熱狂
ファンであることに自信を持ってもらう
ファンの言葉を傾聴しフォーカスする
新規よりファンを優先する
・愛着→無二
商品にストーリーやドラマをまとわせる
ファンとの接点を大切にし改善する
ファンが参加できる場を増やし活気づける
・信頼→応援
それは誠実なやり方か?を自分に問いかける
本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
社員の信頼を大切にし最強のファンにする
・未来価値
商品、サービス、ブランドを通して見た社会・未来に対するポジティブなイメージ
・ファンミーティング
イイトコロをきく
情緒価値をきく
支持ポイントをきく -
文庫本は読んでいたけれど、ファンベースの具体的取り組みをストーリーで学べることはとてもありがたい。
普段仕事をしていると、忘れそうになるファンベースへの想いがまた沸き上がってきたような気持ちになりました。 -
さとなおさんの著書は、いつも目から鱗です。
企業が積み上げているのが「機能価値+情緒価値+未来価値」であるが、生活者から見えづらい情緒、未来の蓄積こそが熱狂的ファンを惹きつける根幹だと。ついつい機能価値を全面に打ち出す有象無象の競合相手に浮き足立つことがあるが、これまで培ってきた情緒価値、未来価値をブラさずコアファンをつかまえておくのみ。