脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296109111

作品紹介・あらすじ

なぜトヨタが、あそこまで焦るのか--。それはカーボンニュートラルがこれまでのビジネスルールを一変させ、既存産業を崩壊させるからだ。事業環境を壊す気候変動、企業を追い込むESG潮流、脱炭素市場での中国の独走…。
本書が綴る現実は、21世紀の企業の盛衰は脱炭素が握ることを示している。新たな経済競争「ゼロカーボノミクス」の勃興を直視し、今すぐ動き出さなければ日本企業に未来はない。

■目次
序章 トヨタの危機感を共有せよ
第1章 ゼロカーボン時代の幕開け
第2章 ゼロカーボンとは産業革命だ
第3章 紅く染まる脱炭素市場 エネルギー・EV編
第4章 紅く染まる脱炭素市場 スマートシティ・デジタル編
第5章 米国は覇権を保てるのか
第6章 ゼロカーボン・テクノ曼荼羅
第7章 日本のゼロカーボン戦略
終 章 勝ち抜くために、いかに変わるか

感想・レビュー・書評

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  • 「脱炭素」は21世紀の産業革命 『ゼロカーボノミクス』 | 日経BOOKプラス
    https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/040100020/032400046/

    脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス | 日経BOOKプラス
    https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/21/282450/

  • 脱酸素の動きの中で、いかに中国が国家戦略的として動き圧倒的な優位性を持つ分野があるという事を具体的な事実として良く理解できた。日本、また日本企業としてどうすべきかという提言も中々面白い。執筆から2年経っているだけだがそれでも既に、環境や優位性、プレイヤー、状況変わっている点もあり、各国、企業の主導権争いの激しさも感じられる。2030年どうなっているか、、。

  • 話題のカーボンニュートラル本。
    「超入門カーボンニュートラル」に続いて、読んでみました。

    ※超入門カーボンニュートラル
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4065235049#comment

    著者の一人が中国人なだけあって、中国の状況など地政学も含めて、
    各国の力関係と日本の立ち位置、将来の展望がよく分かる本です。

    業界によって、危機感の温度感は異なると思いますが、
    危機感の高い業界に所属する人はこの本を読んで、
    現在の状況について理解するには最適な本だと思います。

  • 中国がすごいというのは何となく聞いていたが、具体的にどうすごいのかをしっかりと論じた読み物はあまりないと思うので、新鮮だった。他の部分は他でも聞いたような話だという気もした。

  • 北極は2030年代に氷がない夏になる。
    パリ協定は自主性重視。
    イギリスで石炭火力座礁資産論。採炭からの投資が撤退され、石炭採掘会社が倒産した。
    カーボンプライシングは国ごとに負担が異なる。国境炭素調整が検討されている。
    企業は環境にうといと投資されないため、危機に陥る可能性があってESG経営が盛んになった。
    CSS=炭素回収
    EVが本格化、
    風力と太陽光では60%程度まで。水素はせいぜい10%、その他は火力などになる。
    中国は太陽光発電でシェア80%、風力は中国国内が55%。蓄電池は、中国と韓国のシェアが高い。原子力も中国が新増設中。
    太陽光は、発電コストが安い。次世代の石油。

    スマートシティは個人データのの線引きが難しいが、中国ではそれほどこだわりがないため、進みやすい。

    石油はアメリカの覇権のために必須だった。
    アメリカの勝ちパターンはテスラ。
    原子力は小型原子炉でアメリカに優位。

  • 中央区

  • 脅威理解・考察が良く、国内外の脱炭素動向がシンプルに理解できる。脱炭素を起点に今後の世界経済についても考えを深めることができる。昨今出版されたカーボンニュートラル本の中で、まず最初に読むことをおすすめしたい。

  • どれだけ脱炭素の領域で中国が優位に立っていて、日本がやばいかをファクトとして知ることができて勉強になった。

  • ゼロカーボンが騒がれる中、米中の国家戦略から今後の趨勢を占う本作。緻密な取材とデータに裏付けられており、関連本の中では現時点で間違いなくトップクラス。

    中国のゼロカーボン戦略の強かさとその完成度に驚くとともに、日本での危機感の欠如に衝撃を受けた。

    途中出てくる曼荼羅のみ微妙ではあったが、全般的に一読に値する本。

    ゼロカーボンについて簡単に整理すると、元々1997年に制定された京都議定書ではCO2を削減しようというレベルであったが、環境悪化がより深刻となり、2016年のパリ協定において、CO2排出量を実質ゼロにするという概念にまで踏み込んだことで普及した概念。

    EUの国々が中心であった宣言に対し、中国が国際覇権を握るために同様の宣言をしたことで、日本、アメリカも続き国際的なムーブメントへと至った。

    CO2排出量を実質ゼロにすることは、ただEVを導入したり省エネ家電を買うだけでは到底達成できず、発電方式を原子力や新エネに切り替えたり、スマートハウス、産業界における構造変革、CO2の回収など、総合的な対策が求められる。

    そんな中、中国は新エネルギー(太陽光、風力)、原子力の分野で覇権を握り、EV、スマートハウスへと食指を伸ばし、圧倒的な地位を築いている。

    アメリカは、トランプ政権時のパリ協定離脱などの影響もあり、上記において出遅れる形となったが、カーボンネガティブ(CO2を減少させる)など、ゲームチェンジ可能な技術に勝機を見出している。

    日本は残念ながら弱者として、唯一の強みである自動車産業を基軸に、うまくアメリカと足並みを揃えることが求められている。

  • 包括的に温室効果ガス削減の現状、産業界へのインパクトをまとめた良書

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著者プロフィール

日本総合研究所フェロー。1958年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了後、三菱重工業に入社。1990年に日本総研へ。2021年に同社専務執行役員を退任し現職。アイフォー代表取締役、北陸産業活性化センター・エグゼクティブフェロー、NECエグゼクティブ コンサルタント、Team Energy顧問、DONKEY取締役会長も務める。

「2021年 『脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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