東南アジア スタートアップ大躍進の秘密 (日経プレミアシリーズ)

  • 日経BP 日本経済新聞出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296113354

作品紹介・あらすじ

ユニコーンの3強――グラブ、シー、GoTo(ゴジェック、トコペディア)
なぜ世界中の大企業が殺到するのか?

 東南アジアでユニコーンと呼べる有力スタートアップが続々と誕生しています。中でも、シンガポールのグラブとシー、インドネシアのゴートゥー(ゴジェックとトコペディアが合併)は「3強」と言える有力企業で、グラブは2021年内に米国NASDAQで巨額の上場を果たしました。
 東南アジアのスタートアップのノウハウや巨大市場を狙って、世界中の大企業が提携や出資をしようと殺到しています。日本企業もソフトバンクグループをはじめ、トヨタ自動車、三菱UFJ銀行などが出資や提携を積極的に行っています。

 本書では、まず、スタートアップ「3強」のビジネスモデルの実力、創業者の素顔、成長の秘訣を解説し、続いて、なぜ東南アジアでスタートアップが育つのか、政府、大学、民間が織りなす起業のエコシステムを明らかにします。また、東南アジア域内外から流れ込む巨額のファンド資金の動向やタイ、ベトナム、マレーシアなどで次に来るスターアップを紹介し、東南アジアのスタートアップ事情が丸ごと1冊でわかります。
 スタートアップに出資や提携をしたい、あるいはスタートアップのビジネス手法を自社に取り入れたいビジネスパーソンなどに役立つ内容です。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んで本当によかった!と心から思える本は、新書の中では本書が初めてかもしれない。

    「東南アジア、発展してきてるよね」という曖昧な感覚しか私は持っておらず、実際に現地で取材した著者による描写は、ページをめくるごとに新たな発見を与えてくれた。

    タイトルにもあるように、巨大なスタートアップ企業の躍進を中心に、目まぐるしく変わる東南アジアの様子が、いきいきと書かれている。

    また、本書で特に勉強になったのは、投資についてだ。投資家が起業家の何を見て、何を考えて投資するのか。また、投資の規模はいかばかりになるのか。知らないこと尽くめだった。

    この本には大いに刺激された。これからも世界経済について知見を広めていきたい。

  • 東南アジアの社会や市場の勢い、要因がわかるとても良い本だった。東南アジアで挑戦する日本人が増えること、共同でイノベーションを起こせるエコシステムを作る必要性を感じている。また、社会や政治のマクロの動き、市場のニーズやテクノロジーの進化の動きを追い続ける必要性も強く感じた

  • 東南アジアのスタートアップやユニコーン大躍進の経緯がわかる本。
    日本でこのまま同じ事業をやっても同じ結果にはならないだろうなと感じながらも、その過程でユニコーンが生まれていることは純粋にすごいと感じた

  • ASEAN域内の人口は6億超と、中印の約半分ながら、それ以外の大国の数倍の規模。新興国ならではの社会的課題は、その分成長余地(=チャンス)ともなり、後発ゆえの有利もある。日本が彼らから学ぶべきという指摘に、何ら違和感無く頷ける時代になったのは感慨深い。且つまた中国がコロナ禍に足を取られてしまった事は、全体的には東南アジアへの追い風にもなりそう。有望と目されたスタートアップに膨大な資金が投入される流れは、物事が上手く且つスピーディに回る事に繋がる。日本もひと頃よりは状況が改善されているとはいえ、勝者総取りの時代は3年後5年後の趨勢さえ読み難い。アジア旅行の際、現地キラーアプリの便宜を被るのは、もう当たり前になっている。

  • 東2法経図・6F開架:B1/9/474/K

  • 序章 スタートアップが担う東南アジアの成長
    デジタル市場の変化ー標準化・深化・地方の都市化
    東南アジアの可能性
    第1章 グラブ--創業10年で米国に上場
    第2章 シー--「東南アジアのアマゾン」の実力
    第3章 ゴジェック--社会を変えて 「インドネシアの誇り」に
    第4章 トコペディア--大型統合で「Go To」が誕生
    第5章 巨艦ファンド・テマセク、ソフトバンクグループ
    第6章 起業を促すエコシステム
    NOCマフィア 東京大学を上回るNUS 充実するエコシステム
    第7章 3強に続く各国のスタートアップ
    第8章 財閥第3世代が秘める可能性
    同族経営 開かれた財閥 歴史かる巨大企業の大転換
    第9章 米中のはざまで
    テック・クラックダウン ギグワーカー保護

  • よく取材している事が、読み取れる。
    このうねりは、現地に足を運ばないとわからない。そしてこのスピード感は、日本人経営者のみならず、政府官僚含め、ビジネスパーソン全員が認識しないと、一気に飲み込まれないほどの危機であると気付いた時には、手遅れだ。

  • 序章 スタートアップが担う東南アジアの成長/第1章 グラブー創業10年で米国に上場/第2章 シーー「東南アジアのアマゾン」の実力/第3章 ゴジェックー社会を変えて「インドネシアの誇り」に/第4章 トコペディアー大型統合で「GoTo」が誕生/第5章 巨艦ファンド・テマセク、ソフトバンクグループ/第6章 起業を促すエコシステム/第7章 3強に続く各国のスタートアップ/第8章 財閥第3世代が秘める可能性/第9章 米中のはざまで

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著者プロフィール

日本経済新聞シンガポール支局長 兼 クアラルンプール支局長1977年生まれ。2000年、早稲田大学政治経済学部卒業、日本経済新聞社入社。経済部、政治部、日経BP 日経ビジネス編集部などを経て2017年から現職。共著に『生保はどうなる』『TPPがビジネス、暮らしをこう変える』(以上、日本経済新聞出版)などがある。

「2022年 『東南アジア スタートアップ大躍進の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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