QUITTING(クイッティング)やめる力 最良の人生戦略

  • 日経BP 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296116560

作品紹介・あらすじ

ミツバチだって、ラットだって、カラスだって、みんな、諦めることで、生き残っているんだ!
最新科学から諦める力の大切さを解き明かし、全米で注目の書が早くも邦訳で登場!

仕事、勉強、住まい、人間関係、結婚--。
これまで続けてきたことを続けるべきか、やめるべきか?科学的に正しい「やめどき」に「やめられた」人は誰よりも前向きに、人生を切り開ける。

生物は、種の保存のためにあえて積極的な退避行動をとるという。本書は経験豊富なジャーナリストが最新の神経科学や進化生物学の知見、著名アスリートなどの言説も踏まえて「辞めること」の妥当性をわかりやすく説く。

生き物の生得的な行動特性を例に挙げながら、なにかを「辞めた」人につきまとう「負け犬」「落伍者」「忍耐不足」「あきらめ」などのネガティブなイメージを根底から覆し、辞めることの意味合いを塗り替えるような前向きな生き方を応援する提言があふれた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • グリット(やり抜く力)が流行ったけれど、それとは対象的に「やめる」ことを選択肢の1つとして提案してくれる本になっている。

    「やめる」というと、良くないことというイメージがあるけれど、決していつも続ける事ばかりが良いわけではない。
    健康に良くないことは当然やめるべきだし、上手くいかない方法を続けていてもしかたない。
    例えば、仕事であっても辞めて新たな道に進んで、成功する人もある。
    「やめる」ことは決していつでも悪いことではない。

    新しいことをするには、やめないといけないし、
    すべてをやめなくても、やり方を変えてみるというやめ方もある。
    エジソンは、やめる達人でもあったと紹介されていた。
    彼は失敗すると、上手くいかない方法に拘らず、新しい方法を次々と試し、発明王と呼ばれる人となった。
    この姿勢は今の日本に足りないものかもしれない。

    一方で、何でもかんでもやめればいいやけでもなく、もちろん、続けることにも良さがある。
    あくまでも、やめることも検討すべき選択肢として、常に持っておくことを勧めてくれる本だった。

  • これまで読んだ多くの自己啓発書は、実行すること・継続すること・忍耐強くやり抜くことを説くものが多かったが、「やめる力」はその対極ではないかと半信半疑で本書を手に取ったが、読み進むにつれ、やめることは逃げることではなく、執着を手放し、辛いだけのものから自分を解放し、新たな選択をすること、ウェルビーイングを向上していくために必要な力だと理解した。
     動物は生き延びるために役立たないことはしない、我慢するのは人間だけ、というのは極端な対比ではあるが、分かり易い。身体が発する「やめ時」の注意信号に耳を澄ませることも必要か。
     もちろん初志貫徹してやり抜くことは素晴らしい。その場合も自分がやりたいと思えることが重要だ。「sunk costの誤謬」の例でよく使われる「コンコルド計画」のように、これまで多くの資金や労力をつぎ込んだためにやめるにやめられないという類でも、これからの自分にとって何が必要かを考えた上で、「勇気ある撤退」という選択肢もあろう。
     完全にやめなくても「半やめ」 (Semi Quit)すなわち、一時休止や後退、軌道修正という選択肢もある。最終的に選ぶのは自分。これが副題の「最良の人生戦略」の意味するところだろう。

  • 「GRIT(やり抜く力)」が世間的にも評価される中で、なかなか評価されない「QUIT(やめる力)」。「やめること」の大切さを事例を交えて説明してくれる。動物や虫など、自然界は無駄を嫌うそう。効率的ではないものはやめる。説得力はあったが、「無駄」や「非効率」、「GRIT」を否定しきれない私…。

  • 新しい時代に相応しい良質なビジネス書。今まで正しいとされてきたものの見方の真逆から論じられる切り口はとても新鮮でもあり説得力もある。指摘していることはまさにその通りで、特に日本にも深く染み付いてしまっているポイントを鋭く言い当てていると思う。

  • やめることは悪い事であるとの風潮に対し、やめることは最良の人生戦略になる事もある、価値のある選択肢の一つであることを複数の事例を使って説明した本。
    自己啓発書に多い、忍耐、努力、継続する事で成功するとの考えに疑問を抱き、やめるという反対の視点から物事を見る事が出来たのは新鮮であった。
    人間の出来る事(リソース)は限られており、新たなことをやるためにはまずは何かを辞めなければ行けない。引き算を先にする大切さも改めて認識できた。あと自分ではコントロール出来ないこことはさっさと諦めるのが大事な事も再認識できてよかった。

  • 「やめること=悪」で、やめた人を「人生の落伍者」とみなす風潮は、実は自己啓発書がルーツであり、作られたものだったという話が衝撃的。

    生物はほぼ全て「生き延びる」ことが再優先で、それにそぐわないことはさっさとやめる。
    やめないのは人間だけ。

    もちろん何でもやめることを勧めるわけではありませんが、続ける気持ちが本心からくるものか、それとも周りの目が気になるからかはその都度自問したいと思いました。

    やめる人はそれだけいろんなことを始めている証拠、という言葉にも救われました。

  • 仕事を辞めようか否か悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
    生存のみを重視する動物や鳥、虫たちとの比較から、人間がいかに『やめること』にネガティブな印象をもっているかピューリッツァ賞を取った著者が諭します。『やめること』は新たな人生の選択肢であり、希望でもある。でも満ち足りた夢の人生が用意されている訳ではない。
    会社やコミュニティから離脱することの恐怖の存在についても漏らさず触れてくれています。

    頑張ること、努力することが賛美され過ぎている世の中に警鐘を鳴らしてくれる著書です。
    この本を読んで今がやめ時だと決意することは難しいかもしれませんが、紹介されている実在のやめた人達の物語からは希望を感じます。

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD02132256

  • まとまりがなく、同じような事例が永遠にでてくる。
    やめたくてもやめれない人は背中を押されるのかな。頑張れ論調をわざわざよくない例として対比させる必要もなく思いました。
    やめてもいいんだよ、というより、他人の目を気にしなければいいってこと。

    私論
    頑張ることもやめることも、時制の違いだったり
    場面によっての適切な選択力ではなかろうか。
    ちょっと無理して頑張ることが必ず間違いでもないし、辛いとすぐやめることが正しいとも思わない。
    自分の心身と対話し、自分を理解し、自分の人生を、自分で考えて選択する。

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12830659885.html

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著者プロフィール

ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト兼小説家
オハイオ州立大学で英文学博士号取得。プリンストン大学、シカゴ大学、ノートルダム大学で教鞭を執り、ハーバード大学ニーマン・フェロー、「シカゴ・トリビューン」紙のスタッフ・ライター、書評チーフを歴任後、ジャーナリストをやめて、執筆活動に専念する。自身の人気ミステリー小説シリーズ『検事ベル・エルキンス』の舞台でもあるウェスト・ヴァージニア州出身、オハイオ州在住。

「2023年 『QUITTING(クイッティング)やめる力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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