私立図書館・黄昏堂の奇跡 持ち出し禁止の名もなき奇書たち (宝島社文庫)
- 宝島社 (2021年4月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299015570
作品紹介・あらすじ
総応募数10,332作品! 第8回ネット小説大賞受賞作!
地下書庫に眠るのは禁帯出、閲覧禁止。異界への扉を開く本--。
名もなき手記に宿る想いは、時空を超えた事件の“鍵”となる。
今、壮大に描かれるビブリオファンタジー!
鬱蒼とした雑木林に囲まれた、町外れの私立図書館・黄昏堂(たどがれどう)。
そこで働く新人司書・湊(みなと)は、怠惰で偏屈な館長・空汽(うつろぎ)や愛猫のクロ、数少ない常連客に囲まれ仕事に励む日々を送っていた。
ある日、館内から忽然と姿を消してしまった来客を捜す最中、空汽に案内されたのは地下書庫の隠し扉。
《永劫廻廊(えいごうかいろう)》と呼ばれる異界へつながる道で、湊は神々や使い魔たちと出会い、やがてある手記に纏わる“時空を超えた謎”を知ることとなる――。
古書に秘められた人々の想いが奇跡を呼ぶ、ビブリオファンタジー。
感想・レビュー・書評
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蔵書数が桁違いに多いうえに、変わった書籍がこれまたたくさん保管されていて、おまけにどうやら異界へ通じる道まであるらしい……そんな図書館があったら、本好きさんたちが絶対に我も我もと殺到するだろう。もちろん自分もその中の一人に入るわけだが、この黄昏堂にいたっては門前払いされたほうが幸せなのかもしれない。ここで何かの本を見出してしまうこと、見出されてしまうことがとても怖い。優しさの裏にある狂気、恐ろしさの陰にある苦しみと、さまざまな者の心の叫びにあふれた一冊だった。それにしても、印刷ミスか裁断ミスかと思ったわ……余白なさすぎ(笑)。
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2021.9.12読了
町外れの私立図書館 黄昏堂。そこで働く新人司書、湊さんは館長の空汽さん、愛猫クロと共に仕事に励む毎日。
ある日常連のシスターに頼まれて不眠症の青年の話を聞きますが‥
ビブリオファンタジーですが、サスペンス要素もあってよかったです! -
そこまでファンタジー性も強くなくて内容も面白く最後まで楽しく読めました。
印象に残ってるのは図書館司書の守護聖人は聖カタリナだということ、、
気になるのは私だけかと思ったんですけど、他の皆さんも書かれてたので。
ページの隅まで文章が印刷されていて読みにくい... -
図書館の中に異世界への入口があったら…。そう考えるだけでワクワクしてくるが、このお話はそんなに明るいものではなかった。今の世の中を思い返してしまうような、戦争の悲劇が背景にある。
ともかく本好きにとっては魅力ありすぎの図書館である。台帳を見たいものだ。そして鎖につながれた本、というのがどういう状態なのか確かめたい。様々な作品も登場し、中でも「モモ」のタイミングは絶妙だった。あの風貌が作品にマッチしている。
黄昏堂の図書館長はぐうたらに見えるが実は鋭い人。そして主人公の女性は悲しい過去を持つ人。この二人、これから先、進展はあるのだろうか。
ところで私は最近目が悪くなってきてリーディングルーペを使用しているのだが、とても見にくい本だった。ページのぎりぎりまで印刷してあるからだ。本を広げてすぐに違和感があったのだがすぐにはわからなかった。余白のない本というのは実に珍しい。 -
岡本七緒氏によるビブリオファンタジー
町外れにある私立図書館黄昏堂、面向きはよくある図書館、その地下回廊の先には不思議な世界へ続いていた。
前半部はがっつりファンタジーで話が進むかと思いきや後半ヒロインの過去と館長とのつながりなどサスペンス展開が入り引き込まれる。
よくあるなろう系ファンタジー小説かと思って侮って読んでいた。
異世界色はそこまで強くない。
過去の起きた事に対してのヒロインの向き合い方は見習いたいと思った。
宝島社の小説は初めて読んだがページギリギリまで文章がありちょっと‥…と感じた
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要素は多くて盛り沢山なんだけど、そこに係わる人の心情をもう少し描いてくれると嬉しかったかな。ちょっと硬い印象。
綺麗にまとまってるけど色々あり過ぎて一個一個が流れて行っちゃうのでなんか勿体無い。 -
図書館✕古書✕書籍修復✕オカルト
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飴色と朱色
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サスペンスなのかミステリーなのかファンタジーなのか、
色んな要素が組み合わさった物語。
一つ一つの要素が強すぎてなんだか乖離してしまっている部分もあるような気がする。
だが、ストーリーが、面白くて読む速度が止まらなかった
見開きののどまで、文章があって厚さの割に飲みごたえがあり楽しかった。上記に挙げた一つ一つの要素が更に深堀したストーリーが欲しいなと思った。