密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299037329

感想・レビュー・書評

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  • 前作よりさらにパワーアップしてます
    密室トリックも、おバカな会話も
    ただトリックもキャラクター造形も人を選ぶなとは思う
    そして自分はこういう作品大好き、大好物です(笑

    『温めると剝がれる特殊な接着剤』『破城槌車の突撃でも痕跡の残らない特殊な合金』
    トリックのために作られたオリジナルのアイテムが勢ぞろい、でもそれすらも許されてしまう勢いと熱量のある作品

    既視感のある密室トリックもいくつかあったけど、パクリと思う人はいないんじゃないでしょうか
    作者の「大真面目にバカやってます!」って気持ちが伝わるので、ちゃんと好意的に受け取れます

    一番好きな密室は「十字架の塔の密室」
    なんじゃそりゃ!と大笑いしつつも感心してしまいました
    部屋を吊ってカギとドアを近づけるという、ダイナミックな発想がたまらん!
    部屋を吊り上げるというアイデアをうまく再利用してるのも上手い

    「首切り密室」のトリックは、部屋が凹んで室内の人物を殺害、というネタは好きなんだけど、その後部屋の形はどうやって戻したの?という疑問が
    そもそも実行可能かどうかってのは気にせず楽しめるんだけど、でも作中で実行したのならその後のこういった部分の疑問を補完する説明があってほしかったなとは思いました
    作中で明記されてないのに「変形した部屋は自動で戻るのかな……?」って自己補完するにはちょっと思考のハードルが高すぎるかなと

    あと登場する女性キャラ全ての容姿説明に綺麗だとか美しいだとか書いてあるのも笑ってしまった
    馬鹿にしてるんじゃなくて、なんというか、徹底してるなぁって

    前作では後半存在が空気になってしまっていた夜月が、今作では出ずっぱりなのが嬉しい
    彼女主観になるパートもあってちょっとビックリ!
    嬉しいサプライズ!

  • 話題の本だったので、年末年始を利用して読んでみた!

    私は、情感あふれるミステリー、殺人者の悲しみ…が感じられるミステリーが好きです。
    そういう意味では、この本はそれが全くなかった。
    大掛かりで奇想天外なトリック、再現可能性はほぼなく、ミステリーマニアの大富豪が趣味のために作った孤島という特殊なシュチュエーションだから可能になるトリックたちが登場する。
    最初のラジコンのトリック読んだ時は「子供騙しだ…そんなにうまくいくか?」と思い、この先読み進められるか不安になったよ。
    しかしミステリーって「読み終わらずには終われない!」、そう、一度読み始めたら、最後まで読むしかないのだ。

    結果的に、最後まで読んでけっこう楽しめました。
    次々に殺されるので犯人が誰か?という点では選択肢が少なすぎるんだけど、それまでの認識をひっくり返すような展開もあり(どんでん返し、とまでは言えないので「ひっくり返す」とした)。
    私はどんでん返しミステリーも好きなので、ラストの仕掛けにはホッとした。

    シリーズもののようで、主人公とヒロインの物語は、主人公がヒロインのつくった密室トリックを解くまで終わらないそうです。
    登場人物たちは漫画やラノベから出てきたような可愛らしさがあり、密室トリック乱立のシリーズとして人気になりそう。
    裏ヒロインとも言えそうな外泊里は、釘宮さんの声で再生されるような厨二病的キャラだった。彼女はなんだか憎めない。これからも活躍しそう。

  • 前作同様、ほとんどの登場人物を含むあらゆる設定や舞台装置が単に密室を描くためだけに存在していて、もはや通常の小説としての体裁はかなぐり捨てているようにさえ見える。
    にも関わらず殺人と謎解きがテンポ良く進んでいく快感がすばらしく、ある意味では純粋なミステリの体験といえるかもしれない。
    次回作がもしあるなら、喜んで買う所存です。

  • 数々の密室殺人を、次々と解いていく爽快感が味わえる。よくそんなトリックが思いつくなと舌を巻く水平思考の随を凝らした作品。

  • シリーズ2作目ということを知らずに読みましたが、最後までほとんど違和感がなかったので、この作品単発でも楽しめます。
    とんでもない密室ばかりで、何でそんな数分であんな突飛な発想ができるの?と突っ込みたくなります。普通なら1冊に1密室くらいのところを、7個も詰め込んでいるので、探偵役がずっと頭を悩ませているわけにもいかないのでしょうが…果たしてこれを解ける読者がいるのでしょうか。

  • 前作に引き続き読んだか、主人公達の余計なおふざけなセリフ、要らない情報で益々読みづらい状態。
    トリックもありえない道具とか使っているしもう推理小説ではないし。

  • トリックがど派手過ぎて犯行時に誰かに気づかれるだろって思ってしまう
    密室を楽しむ話かな

  • ただただ色々な密室殺人についての話。
    how done it好きにはいいのかなあ。
    登場人物が気づいたらどんどん殺されていってついていけない部分もしばしばありました。

  • 孤島で起こる連続密室殺人、トリックは見破られるのか、冷徹で、美人、頭脳明快な女子高生が挑む。
    スケールの大きいトリック、古典的な密室方法、解説の文字が多く、密室殺人自体もポンポン殺されて多く、読むのに疲れてしまった。とにかく密室、殺人が読みたい!いろんなトリックを知りたい方にはとっておきかも。

  • 普段はあまり手に取らないようなタイトルを新ジャンル挑戦とでも思って購入。
    今の気分にちょうどよい、コテコテのミステリ、でも本格とかじゃなくどちらかというとバカミスに少しだけ寄ったミステリでもある。

    何せ時代背景は密室殺人黄金時代!?密室殺人は殺人にならないだって!?!?
    なんてこったい!

    そこからは連絡不能の孤島で密室殺人オンパレード!
    これでもかってくらい密室殺人が出てくる!
    古畑任三郎や千反田さんもちょっと登場するなんてパロディ要素もあり!私気になります!

    ちょっとーもうー密室殺人起こりすぎぃーみたいな無茶苦茶な設定なので、トリック自体が『…そんなバカな!?』みたいなものも多いんですが、割と真面目に読み込まなくてもいいというか…まぁ確かにそうやっちゃったらできちゃうよね…理論上はね…みたいなのが多い。

    理論上はできると思えんだ…確かに…
    決して実際できるかどうかは気にしてはいけない…
    そして、確かにそれならできるよねー!を楽しむ作品…
    大掛かりと言うか大雑把だな!とか思っちゃだめ…

    個人的には十字架の建物のトリックがめっちゃツッコみたくて気になったけど…
    大富豪のお嬢様がめっちゃプロ並みなクレーン操作してんの!?って。
    確かに窓と建物の余白はバッチリだろうけど、そんな繊細なことできるかね…思わずクレーン免許持ってる夫に聞いちゃったわ!笑
    だめ…そんな事気にしちゃだめ…
    (ちなみに軽く話しただけだけど、夫の見解はバライティ番組に出てくるクレーン操って云々みたいな人ならできる…の…かな…?あのレベルの話じゃない?それ。推理する話として成立するの?なんでそんなプロ中のプロが殺人犯で出てくるの?でした。笑)

    というか、そこを気にすると楽しめない作品だなと思います。笑
    最初の滑り出しからラノベっぽい雰囲気を受けて読んでたので、そのままそれを引きずって読んでしまったのが逆に良かったのかも。
    理論上は確かにできるな!すげぇ!って心を持って読んでほしい。笑

    逆にエピローグにはやられましたー!!
    あれは見事に引っかかった!
    確かに最初に提示されてるし、分かっても良さそうだったのに、いつからその前提を忘れてしまったのか…
    見事なひっかけでした。

    全体的には読みやすく楽しめたかな。
    本格とか目指して読むときついかもしれない…。




    @手持ち本


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著者プロフィール

1985年、山口県宇部市生まれ。東京理科大学理工学部卒業。現在はシステム開発会社に勤務。第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』(宝島社)でデビュー。

「2022年 『密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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