- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299041678
作品紹介・あらすじ
第21回 『このミステリーがすごい! 』大賞・文庫グランプリ受賞作!
「どんでん返しが大好きな私にとって最高の作品でした!
最初から最後まで、物語にどんどんと引き込まれていき、そしてある一文で鳥肌が立ちました。
狂気に満ちた人間たちに翻弄されて、読み終わったあとは放心状態になります。
沢山伏線がはってあるので、何度も読み返したくなる作品です! 」――齋藤なぎさ(女優・声優)
「二転三転四転五転の展開にねじ伏せられました」――瀧井朝世(ライター)
十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。
しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。
被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、
妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。
感想・レビュー・書評
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登場人物が全員怪しい!胸糞サスペンス×ミステリー。
過去、通り魔に父親を殺された女性に忍び寄る影!犯人はまたあいつなのか?目的は?
序盤から、いくつもの〇〇トリックで読者をミスリードに導き、さらに主人公の〇〇〇〇が、それを助長する。
伏線がじゅうぶんに張られた後半、その回収とともに、事態は何度もひっくり返される。
そのテンポの良さに「え?」「え?」「え!」「えー!」。そのままクライマックスへ!
「あいつ怪しい」となる、疑わしい人物が多く、推理する楽しみが大きい。(しかも、主人公にもなにか違和感….)
殺人事件を発端としてストーリーは展開され、報道による人権侵害、貧困、いじめ、ルッキズムといった要素もあるが、それほど重さを感じず、文章はかなり読みやすい。
ラストの「〇〇〇の反転」に、勇気をもらえる人もいるかも。
やや都合のいい部分もあるのは確かだが、この犯人と真相を読み切れた人はすごい!
私は見事に外れました。 -
こちらも会社の方からオススメ頂いていた本。
文章はとっても好み。読みやすい。
スピード感もあり、1日で一気読みできる。
ミスリードに引っかかり、面白くなってきたなぁと思っていたが、意外な展開に(^◇^;)
なんだか都合よく関係者が大学に集まり過ぎていて、胡散臭いことこの上ない(笑)
叙述トリックは警戒しながら読む癖がついているので、ある程度の予測は出来たが、なるほどいくつか警戒ポイントがあったな(^^)
なかなか楽しく読み進められたのだが、サイコパスの気持ちだけはどうにも感情移入はできず(-。-;
当たり前だけど(~_~;)
最後はまた二転三転するのだけど、期待し過ぎてしまったのか、若干失速したように感じてしまった(^^;;
十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺された。
母親は失踪し、双子の姉妹は、それぞれ別の親戚に引き取られた。
ある日妹の妃奈が遺体で発見される。
妃奈は業務委託の生命保険会社の外交員だった為、被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられていた。
妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。
姉の美桜は大学の事務へ派遣されていた。
そこで過去に自分を嘲り笑った女、真凛が大学生として、彼氏と一緒にまたしても自分を笑いに事務室へ訪れる。
ひょんなことから真凛の彼氏と共に真相を解明することに。
そんな時、子供のお世話をするボランティアに誘われる。 -
2023年第21回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作。
くわがきあゆさんの作品は『初めて会う人』に続き2作目です。『初めて会う人』がとても面白かったので、この作品にも期待大でした。
以下一部軽くネタバレしている部分があるのでこれから読まれる方はお気をつけください。
妃奈と美桜の姉妹は十年前グリル那見を経営していた父親を佐神翔という少年に刺殺されています。
母親は失踪しています。
そして次に保険外交員だった妃奈が刺殺され姉の美桜は生前妃奈が恋人に保険金を掛けさせて保険金殺人を行っていたのではないのかというマスコミの疑惑を晴らそうとします。
美桜は殺された父と同じ刺殺で妃奈が殺されたことから、犯人が父を殺し出所してきた佐神ではないかと疑います。そして失踪していた母も刺殺されていたのが見つかります。
美桜は佐神が次は自分を殺しにくるのではないかという恐怖におののきます。
美桜の周りには怪しい人物がうじゃうじゃと何人もいて本当に怪しいのは誰か最後までわかりません。
妃奈の保険金殺人疑惑は妃奈が三千万円を施設に全額寄付していたことから晴らされますが、美桜を殺そうとしている犯人の魔の手がそこまできていました。
最期のどんでん返しはくわがきあゆさんらしいとんでもない仕掛けで見破られる人はいないかと思いました。
面白かったです。 -
「あらゆる『あかん人(ヤバイ人)』を登場させてみようと思いました」らしい。
確かに、何か怪しい人ばかり。
「ウシワカ!ウシワカ!」ばっかり言ってたり。牛若丸って、そんなに人をスパッと斬ってたんか?って話。
力が全てみたいやヤツとか…
幼い頃に父親を殺され、更に最近になって、妹、母親と…
父親殺しの犯人は、出所して行方不明。
次は私か!で、見る人見る人、そんなヤツに見えてくる!
まぁ、確かに、周りに訳分からん人多い感じで誰が殺人してもおかしくない感じ。
しかし、家族を次々に殺していくんやけど、そんな理由で家族殺していくとは思いもよらんわ〜
合理的というか…
短絡的というか…
もうちょっと、居合いとか修行したら、目的達成できんの?
あっ!目的あかんヤツやから、そんなアドバイスしたら、あかん(^^;;
ウシワカ〜
ウシワカ〜
何か、良い響き〜(^◇^;)-
2024/01/18
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こちら、私も少し前に読みました〜!
二転三転四転五転…翻弄されました。
登場人物みんなアカン!でしたねー
くわがきあゆさん、他2冊も狂気っぷ...こちら、私も少し前に読みました〜!
二転三転四転五転…翻弄されました。
登場人物みんなアカン!でしたねー
くわがきあゆさん、他2冊も狂気っぷりがたまらないので(笑)文庫になりましたらぜひ!2024/01/21 -
nikuさん
おはようございます!
他の作品もそんな感じなんですね!
読みま〜す!
情報ありがとうございます!nikuさん
おはようございます!
他の作品もそんな感じなんですね!
読みま〜す!
情報ありがとうございます!2024/01/21
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環境に恵まれない女性がさらに事件に巻き込まれ… 壊れやすくもおぞましいミステリー #レモンと殺人鬼
■きっと読みたくなるレビュー
いつもながら雪下まゆさんの装画が可愛すぎですね。レモンと悲し気な少女の引力と、心を揺さぶるタイトルが強烈すぎて、速攻で買ってしまいました。
さて、この可愛い女の子の物語。
本書で伝えてくるメッセージは、そんなに甘いものではありません。
可愛くもおぞましい、サスペンスミステリーです。
家庭環境、経済的にも鬱屈とした人生を歩んできた主人公。
いつもコンポレックスで爆発しそうな精神状態の描写が切なく息苦しい。そんな彼女が巻き込まれるように事件に向き合っていく。さらに周囲の我欲や世間の人間の冷たさにも翻弄され続ける。
真面目で、謙虚で、人を傷つけるのが嫌いな、どこにでもいそうな女性なのに、なぜこんなに劣等感を抱えて生きなければならないのか。いらだちよりも、ただただ悔しさで胸が張り裂けそうになってきます。
そんな常に後ろ向きの彼女も、事件を経て自分の中の深層心理にある真実を知ることになる。気づき、成長して一歩踏み出していく彼女を、応援したくなりました。
このミス文庫グランプリの新人先生ですが、ぶ厚い心情描写はピカイチでした。さらに文芸的センスもあり、文章もお上手で読みやすい。
プロットや謎解きが、ちと盛り込みすぎ感じもしますが、読み手を楽しませてくれるスパイスなので、人によるかもしれませんね。
次回以降も、楽しみにしたい作品でした。
■ぜっさん推しポイント
本書は分かりやすい暴力ではなく、静かで息苦しく、まさに「酸味のある狂気表現」が素晴らしい。
主人公は不幸を完全に受け入れることで、むしろ精神が安定するという状態になってしまっている。たぶんここまでくると、ほぼ病気に近い。
犯人やその他の他の登場人物たちも、なかなかの気狂いっぷりです。
タイトルのイメージとおりの世界観を、しっかりと堪能させてもらいました。 -
幼いころ父親が通り魔に殺害され、
当時の犯人が出所してから今度は妹の妃奈が殺害されてしまう。
さらに妹には保険金殺人の容疑がかけられ…
姉である美桜はその疑いを晴らすべく調査をするのだが…
序盤はそこまで大きな展開はなかったのですが、
中盤から後半にかけての畳みかけがすごかったです。
ミステリー×サイコホラー要素があり気味悪かったです。(いい意味で)
登場人物全員が最初と最後で大きく印象が変わっていき人間の怖さを感じました。
誰かの不幸を感じることによって、自分の価値を感じることが、
知らず知らずのうちに自身の視野を狭くさせてしまうのかなと思いました。
最後もある意味スッキリとした終わり方で、
逆にそれがゾクっとさせてくれました。(もちろんいい意味で) -
洋食屋を営んでいた父が通り魔に殺害されてから母は失踪、姉妹はそれぞれ別の親戚に引き取られる。
それから10年経ち、姉・美桜のもとに妹・妃奈が遺体で発見された知らせを受ける。
その妹が亡くなったことも被害者であるにも関わらず、誹謗中傷が酷い。
生前保険金殺人を行なっていた疑惑がありネットで晒されて美桜の元に現れる報道陣たち。
何も答えることも反論することもできずにオロオロしてしまう美桜。
自分と同じように質素に暮らしていた妹を信じるべく動きだす美桜だが…。
美桜の周囲をさまざまな人物が登場してくるのだが、誰も疑わしく信じ難い。
終盤に二転三転し、落ち着いたかのように思えて、えっまた違う?といった裏切られることの連続。
いったいこいつの正体は…。
敵か味方か犯人は?が掴みきれないまま進む。
気が弱く虐げられてばかりの美桜が最後に立ち向かった相手は、まったく想定外であった。
こういうことがあるのだろうか…
まさにラストは突き抜けていた。
美桜の開放感ぶりが凄すぎた。
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先ずこの表紙から興味を惹きますね!
タイトルも、秀逸でした。
伏線の使い方や、視点の変更など
とてもうまいなと思いました。
著者の他作品も読んでみたいです。
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はじめて読む作家さんの作品。
「このミス」大賞、文庫グランプリ受賞作品。
中盤くらいまではタイトルや背景から東野圭吾さんの「流星の絆」を感じながら読み進めていたのだが、終盤からサイコ感が強くなり読後としてはミステリーというよりはサイコパスを感じた。
人間の奥深い心裏が多くありすぎて(素直にそこは凄く面白いのだが)飽和しだした感じで完結せず、考察しても宙に浮いてサイコすぎて意味がわからない人物、そしてその行動が在りすぎる。
後半は二転三転と繰り返して新たな真実を提示される度に先程の渦中の人の行動と言動が宙に浮いていく。
真実はどんどん転回されていくが内容がついてこないというか、ほったらかし感を感じた。
全体を通しては面白い作品だった。
特に家族間、姉妹間での関係の描写とその感情や境遇等は最高な奥深さがあり、名作感を感じてた。
最後の怒涛の転回でその名作感を壊されたような読後感。そこだけが少し残念に感じた。
この本は貸出中だったので、予約しました。早く読みたいなー。
この本は貸出中だったので、予約しました。早く読みたいなー。