タブーと結婚: 「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ

著者 :
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305703408

作品紹介・あらすじ

古代人が抱え込んでいる、
[愛]と[結婚]と[性]の深層を、
物語から抉り出す!
源氏物語、万葉集、蜻蛉日記から、
精神分析学をとりこみつつ、
思想を先取りする主人公たちの
心性を明らかにする、
かつてなかった独創的な古典文学論!
[本書のキーワード]
源氏物語/タブー/親族と婚姻/神話分析/精神分析学

感想・レビュー・書評

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  • 返却期限がきたから一旦泣く泣く返す…

    難しく、
    とばしとばし読んでいたがインタビュー形式の章は
    目からウロコというか
    とても納得できた。

    現実に不倫や浮気は
    軽蔑すべきものとする考えが一般的なものの、
    不倫を題材にした歌やドラマ、小説、漫画の
    人気がある理由が
    "結婚"は社会を円滑に動かすためのあくまで"制度"であるからだということ、
    古語の似ているがニュアンスが異なる2つの言葉から"愛"という言葉が許容する意味の幅の広さを
    導き出すくだりが
    非常に面白かった。


    人間の心は
    社会制度の枠に
    おさまらないくらいに、
    情緒豊かで複雑で魅力的である。
    それは今も昔も同じなのだと改めて感じた。

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著者プロフィール

1942年(昭和17)、東京都文京区の生まれ。疎開先は奈良市内。その後、都杉並区に移る。東京大学文学部国文学科を卒業する。『物語文学成立史』(東京大学出版会、1987)、『源氏物語論』(岩波書店、2000、角川源義賞)、『平安物語叙述論』(東京大学出版会、2001)が物語三部作。詩作品書『地名は地面へ帰れ』(永井出版企画、1972)、詩集『乱暴な大洪水』(思潮社、1976)以下、詩作と研究・評論とが半ばする。1992〜93年、ニューヨークに滞在する。『湾岸戦争論』(河出書房新社、1994)、『言葉と戦争』(大月書店、2007、日本詩人クラブ詩界賞)、『非戦へ』(編集室水平線、2018)が戦争三部作。『水素よ、炉心露出の詩』(大月書店、2013)は副題「三月十一日のために」。2011.3.11のあと、『日本文学源流史』(青土社)、『〈うた〉起源考』(同、毎日出版文化賞)、『物語史の起動』(同)の三部作、『文法的詩学』(笠間書院)ほか古典文法論に打ち込む。沖縄文学論の『甦る詩学』(まろうど社)は伊波普猷賞。最近の詩集では『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』(思潮社、2022)が読売文学賞、日本芸術院賞。『物語論』(講談社学術文庫、2022)、『日本近代詩語』(文化科学高等研究院出版局、2023)、『〈うた〉の空間、詩の時間』(三弥井書店、2023)は新しい。

「2024年 『増補新版 言葉と戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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