時間のなかの建築

  • 鹿島出版会
3.72
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  • Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784306043916

作品紹介・あらすじ

ムスタファヴィとレザボローの共著による建築の風化を主題にしたこのエッセイは、古典から現代までの数々の建築の時間の経過による変化を現象学的見地から、建築自体の生命あるいは運命に対して深い洞察を行っている。一方、今世紀を中心に展開したモダニズムの建築に対し鋭いクリティークを提供すると同時に、そのクリティークを通じてモダニズムの建築がもつ特異性を全く新しい視点から考察している。

感想・レビュー・書評

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  • 私のバイブルになった。

  • 【選書者コメント】建造物が避けられない「風化」というものに焦点を当てた一冊。とりあえずモダンな感じがして、なんとなくかっこいい現代の建築とは違う、風化することも考慮に入れた過去の建築についての本です。
    [請求記号]5200:587

  •  ムスタファヴィはAAスクールの学長でレザボローはどっかの教授。だから読む価値はあると思って購入。

    「近代建築は立ち上がったらそれで終わりで、その後のことを考えてないからよろしくない」

    こんな感じの内容。
     建築の「物質」としての側面を考えればもっともな考えだろう、妹島和世とかツンツルテン建築を作る人たちとかを野次ってやろう。だけど、建築を「空間」と捉えてみたならば、このクリティークは体を成さない。イデアは歪まないし空間は朽ちないのだ。
     恐らく、モダニズムは土地とか重さとかの制約モロモロから建築を解き放とうとしたのだろう、理念としては。そしてその制約の中に「時間」も入っていた。その思想はアッパレなんだけど、問題だったのは「空間」っていう大義名分を隠れ蓑にして無思慮に産業化を利用した点なのだ。だからつっこまれるべきはモダニズムという思想ではなく、建築家それそれの配慮の無さなのだ。っと思う。
    この本で改修前のサヴォア邸をはじめて見た。そりゃもうボロボロでただの廃墟だ。そこに物質→観念っていう変化が見える気がする。

    1900年代初めにはモダニズム。そして1960年代にはメタボリズム。メタボリズムは都市を生物体と見た。もしかすると、この建築運動は建築の失われた時間性を浸食、風化という放置プレーではなく、代謝という生命力になぞらえて新たに作りだそうとしたのかもしれない。そうだとするとモダニズムだって捨てたモンじゃない。
     話は色々あるけれど、そもそも時間性なんてあえて口にする必要なんかないのかもしれない。だから10年後、20年後ぐらいに妹島和世はしたり顔で「年数経っても美しいでしょ?」って言おうと思ってナイショで水切りとか考えてるるかもしれない。
    あと、写真はカラーにしてほしかった。

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