- Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309015491
作品紹介・あらすじ
奇蹟をめぐる5つの"聖なる愚者の物語"。"楽園"を追われた子どもたちの魂の放浪…。連載時より各紙誌で絶賛された、文芸賞作家による話題の連作小説。
感想・レビュー・書評
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最初ニ篇はやってることは明快なんだけど響くものがなくていまいちだった
「この世の果てでのキャンプ」「一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する」は★5
特に表題作の哀しみはとても共感できてしまった
気持ち悪いことに詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聖書がちりばめられた、現実ではない日常。
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気持ちの悪いかきかた! でも愛。
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聖書の創世や受難の物語と現代の教室や男女関係の物語を重ね合わせて、そこに古代から現代にいたるまでかわることのない人間の不安を、やや神秘的な雰囲気で浮かび上がらせようとしている、ような気がする。聖書についても女子の世界についても、実生活の中で体感することのないので、何かありそうだけどよくわからなかった、というのが正直なところ。5編の中では「この世の果てでのキャンプ」が一番しっくりきた。
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鹿島田真希の原点(デビュー作は『二匹』だが以降の著作の方向性はこの作品で決定づけられている)と思う。無力さ、孤立感、絶望と呼ぶことすらできない絶望、名まえを失くす閉塞感と名まえを手放す開放感、徹底した無個性の特異さ、愚者の聖性、抑圧された性欲の虚構化、それが、この世で唯一真実とされる虚構である「聖書」の、モチーフや象徴を戯画化する形で描かれる着想と構成、その様式美。著者の様式美は後に、完全過ぎて違和感すらある平凡さ、に行き着くがこの作品ではまだ隙だらけであり、その揺らぎ自体が不安定で面白い。
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☆4 水無瀬
鹿島田真希の原点(デビュー作は『二匹』だが以降の著作の方向性はこの作品で決定づけられている)と思う。無力さ、孤立感、絶望と呼ぶことすらできない絶望、名まえを失くす閉塞感と名まえを手放す開放感、徹底した無個性の特異さ、愚者の聖性、抑圧された性欲の虚構化、それが、この世で唯一真実とされる虚構である「聖書」の、モチーフや象徴を戯画化する形で描かれる着想と構成、その様式美。著者の様式美は後に、完全過ぎて違和感すらある平凡さ、に行き着くがこの作品ではまだ隙だらけであり、その揺らぎ自体が不安定で面白い。 -
あー気持ち悪い気持ち悪い。自分が理解できない感情に対しては、気持ち悪いとしか表現できない。なんでこんなにも理解できないのだろう。
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短編集
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私は図書館で本を借りて読む事が多い。
タイトルや装丁で選ぶ事もあるが、
そんな時にはたまに理解不可能な本を引き当てる。
この本もそうだった・・・
どう解釈していいのか・・・
確かに哀しい時は自分の世界が狭いよね。
終わりに匹敵するわ。