カルテット!

著者 : 鬼塚忠

• 河出書房新社 (2010年1月21日発売)

作品紹介・あらすじ

「そこにぼくの音楽があるんです!」家族、初恋、音楽…。心温まる涙と感動の青春&家族物語。

感想・レビュー・書評

[まろんさんの感想 · 2013年9月11日]

お店でカレーを食べる時は、どうがんばっても中辛。
ペペロンチーノも、ひとかけらずつ唐辛子をよけてから食べるほど
辛いものが苦手なのだけれど。。。
ごめんなさい！　今日の私は辛口です。

ああ、スカイエマさんの表紙はこんなに素敵なのに！
音楽を通して家族の再生を描く、というテーマも大好物なのに！
永江カルテットがコンサートに選ぶ曲目も素晴らしいのに！
しかもこの本、舞台化したとき、美咲役を知人が演じたというのに！

なんだか音楽が、双六でいえばサイコロのように
物語を進めるための、取り換えのきく道具みたいに感じられるのがやりきれなくて。

ろくに練習もしないで派手なパフォーマンスとトークだけでチップをもらう姉の美咲も
音大のピアノ科出身なのに、そんな娘を舞台に上げてしまう父、直樹も
息子を一流の演奏家にするという野心のためだけにカルテットに参加する母のひろみも
う～んう～ん、どうしても好きになれないなぁ。ごめんね、永江家のみんな。
でも、家族を音楽で繋げようとする開くんだけには見所がある！と思っていたら。。。

選抜オーケストラの第一バイオリン最前列というポジションに選ばれていながら
いくら日にちのかぶった家族コンサートに参加したいからとはいえ、
演奏会当日、開演直前に演奏をすっぽかすなんて！
たとえ学生オケでも、インフルエンザにかかって演奏できなくなった子が
熱で朦朧としながら代役を探し回っていた姿を見たことがある私には
開くん、音楽への愛情が足りないよ、と言わずにはいられません。
ましてや、演奏をすっぽかしたその日のうちに
家族をひとつにしてくれた音楽っていいね、ぼく指揮者になるよ、だなんて。
今すぐ選抜オケに選んで熱心に指導してくれた重松先生のところに
開くんを引っ張っていって、平身低頭、一緒に謝りたくなってしまいます。

願わくば、半端な演奏で謝礼をもらってきた永江家のみんなが
慢心することなくこの先も真摯に練習を続け、
音楽の素晴らしさを本当の意味で伝えられるカルテットになりますように。
だってせっかく、かけがえのない家族としてまた歩み始めたのですもの。

[だいさん · 2013/09/12]

＞派手なパフォーマンス

完成された芸の影には、人並みならぬ努力がある！
と思うのだけれど、そんなのは、はやらないのかなぁ？

[まろんさん · 2013/09/15]

だい▽さん☆

私も、見えないところで必死に努力を積み重ねて作り上げた芸を
お客さまの前ではさらっとスマートに披露する人こそ素晴らしいと思います！
そういう粋な芸をする人が、もっともっと増えるといいですよね。

[凪野基さんの感想 · 2018年10月8日]

36：某巨大本屋の「話題の本」コーナーで見つけて予約したもの。……うん、これでほろっと来ないはずがない、という意味ですごく王道な展開です。ものすごく文章がうまいかといえば、そうでもない（←失礼）のですが、挫折、失敗、困難、離婚危機……とくれば、主人公の開くんの選択は読者的には当然だったので、そのあたりの葛藤がもう少し楽しみたかったです。開くんがいい子すぎたのかなあ。いや、頑張り屋さんで可愛いんですけど。というか、千尋先生が実はものすごい人なんじゃ……！？

[あずきさんの感想 · 2017年2月4日]

1ページに対しての文字が少ないから、読みやすくて1時間くらいで読めました。家族で一番、中学生の開くんが大人な考え方してましたね。面白かったけれど、展開が速すぎたかもしれないです。何故、カルテットに反対だった母親が、そんなあっさりとビラ配り？とか。でも、やっぱり音楽はいいですね。自分も何か楽器を始めたくなりました。

[sukonbuさんの感想 · 2016年11月3日]

家族全員が楽器経験者の開の一家。カルテットを組み演奏会を目標にする中で家族の再生を描く。
読みやすいんだけどメリハリに欠ける感じかなー。もうちょっと演奏とか音楽の描写があったら良かった気もする。

[姫草ユリ子さんの感想 · 2016年8月3日]

ばらばらになった家族が、カルテットを組むことで再生していく物語。

安心して先の読めるストーリーで、ちょっとほっこりしました。ただ、フルート担当のお姉ちゃんが頭の悪いギャルすぎてちょっとムカッときましたけど。

指揮者になれるといいね。

[ayaponさんの感想 · 2013年11月17日]

家族が音楽を通して再生していく物語。プロのバイオリニストを目指す弟、かつてピアニストを目指していた父、かつてチェリストを志願していた母、弟と同時期にフルートを始めたが才能のある弟にばかり注目がいきいつしかフルートをあきらめた姉。4人がカルテットを組み壊れかけた家族が再生していく。スカイエマさんの装画がステキ。2013/365

[mizunikatamukuさんの感想 · 2013年11月5日]

永江カルテットのいざなう世界…起承転結のやわらかさは伝わるのだけれど、メリハリの強弱と一捻りには欠けるかなぁ!。上手くまとまり過ぎの分、フルート・美咲ちゃんが気になって仕方なかったなぁ♪

[kikubksさんの感想 · 2013年9月20日]

バラバラになりかけている家族で、カルテットを組んで、絆をもう一度取り戻していくお話。メンバー内の力量の差とか、モチベーションの違いとか、そういうのを抱えながらも、みんなで夢中になって一つの音楽を作っていくというのは、やっぱりいいものだ。

[みみーさんの感想 · 2013年9月19日]

いつの間にかすれ違い，不協和音をかなで始めた家族の絆の再生を描く。

[bookstyleneriさんの感想 · 2013年6月16日]

家族愛もの。ほんわかしたい人におすすめ。

著者プロフィール

著者・鬼塚 忠（おにつか・ただし）
鹿児島市生まれ。大学在学中から世界放浪の旅を始め、四〇ヵ国を巡りながら世界各地で働く。帰国後、海外著作の版権エージェント会社に勤務したのち、独立する。

著作に『Little DJ』（2007年映画化）、『カルテット!』（2012年映画化・ミュージカル化）、『僕たちのプレイボール』（2010年映画化)、『花戦さ』、『恋文讃歌』、『鬼塚パンチ！』などがある。

「2017年 『風の色』 で使われていた紹介文から引用しています。」