- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025636
感想・レビュー・書評
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小林先生の料理への考え方、好きです。
肩の力がぬける。
昔買った小林先生の本の料理を何度作ったことか。
また先生の本を読みたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
料理とは美味しく食べるためのもの、というシンプルな考えを軸に書かれたエッセイ。料理はきちんと作らないといけない!と思ってる人に読んでほしい。もともと「食べられれば良い」という考えの人にはそこまで響かないかも。でも二章、三章と読んでいくと小林カツ代さんの人間性に惹かれ始め、最後には彼女の優しさと強さを見せつけられる。思想は強さ。
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2014年に亡くなった料理研究家のエッセイ。1992~95年にかけて書かれたものを編集している。ほぼ話し言葉で書かれており、小林氏の人柄が伺える。戦争を体験した世代で「職業婦人」という久しぶりに目にした言葉も出てくる。
「男だから、女だから」という習慣が当たり前だった時代の苦労話が多く出てくるが、口調は常に明るい。料理の心得が全くないところから結婚して家事をするうちに料理の楽しさを覚え、テレビにまで出るようになったらしい。今人気の和田明日香氏もそういえばそんな経歴だった。
「健康に気を使った食事」という考えに対する疑問を呈している。特に自然食品と言われているものの過剰包装と価格の高さには傲慢さを感じているようだ。
世間からも「料理研究家だから健康的な食事を作っている」とステレオタイプで見られることも嫌っている。「食べたいときに食べたいものを食べる」という主義だ。これは大いに賛同。 -
生活は思想である。
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まさか食をテーマにした本で泣くとは思わなかった。
小林カツ代さんは料理研究家でもあり、思想家でもある 今年読んでよかった本にランクインした。 -
596.04
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小林カツ代さんが書いた文章や講演、対談などを収めたもの。寄せ集め感はあるけど、確かに本のタイトルにあるようなカツ代さんの「思想」を感じさせる。カツ代さんは、食や料理を中心にして、生きていく上での基本を大切にすることを根底においた思想家なのだ。家族全員が満足して暮らすために機械や出来合いの食材の手を借りることをよしとしたのも、戦争のない世界をよしとすることも、底にあるのは同じことのような気がするでしょ。以下のような発言なんか、ほんと素晴らしい。イノベーター的でもあるよね。
「みんな『本当はこうするんだ』って思い込んでることが多すぎると思うんだけどなぁ。『本当は』じゃなくて『従来は』なのよね。世の中、本当のことはひとつじゃなくて、いっぱいある。」(p.26)
「こういう食べものが体にいいんですよ、こういう食べものが元気をつくるんですよ」じゃないんですよ。食べ「物」じゃないんです。食べ「方」なんです。食べものと食べ方を忘れちゃいけない。」(p.136) -
カツ代さんのレシピはもちろん、エッセイも大好きです。
この本も、いつもの軽妙な文章で楽しく読めました。
講演も、アドリブで入れているだろう言葉も面白くて、生で聞きたかったなぁと思いました。
カツ代さんは環境問題とか反戦主義とかかなり強く意識して、自らそういう活動もされていたようですが、著作にはあまり強く思想を反映してこない人だという印象だったのですが、この本はちょっと前面に出てる感じのエッセイが多かったかな。