選んだ孤独はよい孤独

著者 :
  • 河出書房新社
3.19
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感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026855

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    地元から出ないアラサー、女子が怖い男子高校生、仕事ができないあの先輩……。誰もが逃れられない「生きづらさ」に寄り添う、情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる19の物語。

    「女のリアル」の最高の描き手・山内マリコが、
    今度は「男のリアル」をすくいあげる、新たなる傑作登場!


    「おれが逃がしてやる」
    ・館林さんのタバコの吸い方は、またしても俺を魅了する。なんだろう、この良さは。年を取った敗北者だけが漂わせることのできる、この叙情は。


    眠るまえの、ひそかな習慣
    ・「ああ、もっと自分自身に忠実に、自分らしく生きればよかった。あんなに一生懸命働かなくてもよかった、もっと家族と過ごせばよかった。世間の目を気にせず、自分を出す勇気を持てばよかった。自分の気持ちを押し込めすぎた。そう、私はあんなに人生に怯えなくてもよかったのだ。自分の手で、幸福を選んでもよかったのだ。いつだって幸福は、選べたのだ。」


    【個人的な感想】
    「おれが逃してやる」が個人的に1番好きな話だった。
    主人公が、夢を諦めて普通のサラリーマンになろうとするが、会社で館林さんに出会って夢を諦めない選択を選ぶ話。

  • 面白かった。
    中高生の我が子には分からないかもしれない。

  • サクサクっと読めます。
    個人的に読後感は気分が↓

  • 女性作家が書いた男性の孤独。
    短編ですぐに読み終わった。

  • 短編たくさん。

  • 冒頭の2〜3つ位の作品は、ちょっと女性視点の狭さと言うか小馬鹿にした視点が鼻についたものの、後半になるにつれてどんどん良くなって行きました。

    ■ぼくは仕事ができない
    こうゆう社員は何処にでも居ますね〜笑。経験値が無い若手からは光って見えるけど実態がアレな人。

    ■おれが逃がしてやる
    本作で1番良かったです。浅野いにおの素晴らしい世界を思い出しました。

    ■愛とは支配すること
    逆説的だけど"平穏な夫婦生活"とは全く愛が無い機能的なものなのかも。

    本当にあった話は爆笑。今だったら、この先生を尊敬していたでしょう。

    あのこは貴族の映画版が良かったので、本作を手にとって良かったです。

  • 読みやすいけど立ち止まらせる文章。ウィットの効いた鋭い人間洞察力に、気づかされること多々あり。「おれが逃してやる」と、「心が動いた瞬間、シャッターを切る」が特に気に入った。

  • 詩のようなものや、1ページに満たない短編も含む19編。
    読みやすく、さらさらと読了。

    心に残ったのは、「俺が逃がしてやる」。
    人生暇になるとか、
    飲み会での話題が結婚や家を建てることしかなくなるとか
    同じクラブの会員だとか。
    新しい視点を持てた。

  • 女性視点の作品が多い山内マリコさんが男性視点の作品を書かれたということで手に取った。
    言葉を選ばずに言うと、ダメンズばかり(笑)
    うだつが上がらない彼らにやや疲れつつ、1日で読了。半ページで終わるショートショートもあり、軽めの文量なので、一気に読破したけれど、あまり共感できる部分がなく★2つ。

    【さよなら国立競技場】
    国立競技場がなくなることに対する早川くんの気持ち、私のミニバス時代の"明日地球が滅亡して練習試合なくなればいいのに"のあの時の感覚に限りなく近い(笑)今思うと不謹慎だけれど、当時は必死だったなぁ。早川くんに「大人になったらいい思い出になるよ」って伝えたい。

    【女の子怖い】
    タイトルそのまま(笑)P43読んでいて笑っちゃう。まるでお嬢様と執事。主人と下僕。同姓でも、この彼女は本当に怖いと思う。

    【本当にあった話】
    こういう先生嫌だなぁ…苦笑

    【ぼくは仕事ができない】
    こういう上司いる…!!

    【心が動いた瞬間、シャッターを切る】
    これが唯一穏やかな気持ちで読めた。ありがとう、ニコン。

  • いろんな人の孤独を切り取った短編集。
    1ページもない話もあって、ちょっとずつ読めた。
    「心が動いた瞬間、シャッターを切る」がよかったなー。

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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