サピエンス前戯 長編小説集

著者 :
  • 河出書房新社
4.07
  • (4)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 92
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309029085

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「もしかしたら、現生人類の意識や文化が高度に発展したのも、前戯のせいかもしれませんよ。」

    「全自動前戯機ペロリーノ」を開発した関ヶ原修治は、脳科学者の茂木山健多郎と意気投合、湯河原へ温泉旅行に行ったのをきっかけに新たなアイディアを思いつく。
    (「サピエンス前戯」)

    短編3作にそれぞれ「その後の展開」を書き下ろした「長編小説集」。

    収録作品は
    「サピエンス前戯」
    「オナニーサンダーバード藤代」
    「酷暑不刊行会」

    どれも下ネタに関する話だが、それぞれAIや意識、村上春樹、文芸界や編集社に対する造詣の深さがうかがえる。

    「オナニーサンダーバード藤代」は村上春樹の文体で下らないことを書いていて非常に笑える。


    「意識が脳に局在するという考えは誤りといえます。そもそも脳という独立した器官などなく、それはそれを生かす環境と切り離せませんから。 (中略) このように考えてみると、意識は究極的には私やあなたにおいて、あるいはその脳において生じているのではなく、宇宙において生じていると言えるでしょう。そこから私やあなた、その脳や意識、あるいは地球、そういう何かを個別に切り出すことはできないわけです。なぜならそうした個物、あるいはその構成要素でもなんでも、それらが単独で存在した例などなく、すべては根本的に境界なく連続しているからです。」
    (「サピエンス前戯」p.25-26)

  • 最高にくだらなく、最高に刺激的。

  • 【生き方】サピエンス前戯 長編小説集 / 20210310 / 木下古栗 / (25/865)/ <336/139452>
    ◆きっかけ
    タイトルにひかれて。

    ◆感想
    ・エロをここまで突き詰めて長編小説にすると崇高な文学に思える。この妄想力はスゴイ!

    ◆引用

  • 「サピエンス前戯」★★★★★
    「オナニーサンダーバード藤沢」★★★
    「酷暑不刊行会」★★★

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。著書に『ポジティヴシンキングの末裔』、『グローバライズ』、『生成不純文学』、『人間界の諸相』など。

「2020年 『サピエンス前戯 長編小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木下古栗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宇佐見りん
村田沙耶香
ヴィクトール・E...
木下 古栗
村田 沙耶香
劉 慈欣
円城塔
木下 古栗
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×