世界は思考で変えられる: 自閉症の僕が見つけた「いつもの景色」が輝く43の視点
- 河出書房新社 (2020年11月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309029320
感想・レビュー・書評
-
自閉症の自分のことを、自分の言葉で描いた第1作目の本は、それまで自閉症本人から語られる可能性は皆無であろうと世界中で、半ば諦めていただけに奇跡だった。
この本は私にとっては2冊目となる。
東田直樹さんが自分自身の言葉で設問あるいはテーマを一つ一つ答えている形式になっているのだが。
誰がこのテーマ、この質問を選んだのか?
直樹さんの丁寧で真摯な言葉は深く価値があると思うが、誰が?テーマを選んだと考えると、少しばかりモヤモヤしてしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人が書いたから凄いってなっているわけで。
本そのものは特に良くなかった。
けれど、だからこそ次作に期待している。 -
自閉症当事者による本
☆自分に合う人、合わない人という区別をやめる。今日のこの人は、こんな人。ただ、それだけ。
☆時間が経つ事で事態は変化する。悩みは永遠には続かないと信じ、一日一日をやりすごす。
☆自分を好きでいなければいけないと思い込んでいませんか?人の価値とは、誰かの役に立つ事だと言う人もいうかもしれませんが、あなたが死んだ姿を見て泣いてくれる人が一人でもいるなら、いま生きていることに十分価値はあると思います。 -
THE BIG ISSUE で特集されたり、コラムを書かれていたりで、
お名前を拝見していた東田直樹さん。
東京でパラリンピックがあったりで、多様性を知りたい気持ちがありました。
自閉症という視点があってもなくても、普遍的でまっすぐなことを書かれていらっしゃると思います。
これを読むと、生きやすくなる方がたくさんいるかもしれないなと。
みんなで優しく生きられたらいいですよね。
【本文より】
24.他の人が決める正しさは、そのとき誰かが得をするための価値判断。
自分自身が生きるために大切にしている「揺るぎない正義」ではない。
25.どう生きたかではなく、何を守ったかという基準で
行動の是非を評価するなら自己嫌悪に陥ることはない。
30. 自分らしさから生まれるものは、自由だけではない。
少しばかりの窮屈や我慢を他の誰かに強いるものになる。 -
読後の感想
東田直樹さんは思索家、単なる作家ではなく。
本のタイトルがまたすごくいい、「世界は思考で変えられる」。このタイトルの凄さに強く惹きつけられ、あっという間に読了。思索の素晴らしさに心から拍手です。
〈本から〉
生きているうえで僕が大事にしていることが二つあります。
一つは、自分が悪い人間だと思わないこと、もう一つは、何事も永遠には続かないと自覚することです。
1 悩み
時間が経つことで事態は変化する。悩みは永遠に続かないと信じ一日一日をやり過ごす。
人の価値とは、誰かの役に立つことだと言う人もいるかもしれませんが、あなたが死んだ姿を見て泣いてくれる人が一人でもいるなら、いま生きていることに十分価値はあると思います。
自分の人生なのですから、自分の評価は自分がすればいいのです。
誰も傷つけない笑い。それが最高のユーモアではないでしょうか。
自分に合う人、合わない人という区別をやめる。今日のこの人は、こんな人。ただ、それだけのこと。
友だちがいるからこそ素晴らしい人生があるのと同様に、友だちがいないからこそ味わえる人生もきっとある。
多様性を認める社会が健全な社会。絆の強さだけではなく人に対する寛容さが、生きやすい世の中を作る。
夢を持つことができたら、奇跡に等しい。「夢をあきらめないで」という言葉は、人にではなく、自分にかける言葉。