- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309203355
感想・レビュー・書評
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病気が進行して、やがて父はただの人となった。
仕事で外を飛び回り、家にはほとんどいなかった父。ユーモアが大好きで、真面目な話は何一つしようとしなかった父。
謎の多い父のことを何一つ知らないことに気づいた息子は、必死で父にいろいろ聞きだそうとするが、父はいつも冗談でうやむやにしてしまう。
息子の父親に対する気持ちって、こんなものなのかな、と、ちょっと新鮮だった。
自分より偉大で、反抗したくなって、気づけば自分より小さくなっているけれど、それを認めたくない気持ち。
そんな父が死にゆく話、となると、湿っぽい内容になりそうだが、本書は一風変わっている。何しろ、父の臨終間近の様子がなんとテイク4まで描かれ、その合間に、父の誕生から青春時代、結婚、仕事、息子の誕生、といった人生のストーリーが、風変わりなおとぎ話のごとく語られるのだ。
それは、父が息子に語り聞かせたジョークだったのかもしれないし、父を良く知らずに育った息子の父親に対するあこがれが作り出した神話だったのかもしれない。
図らずも、死にゆく母について観察したエッセイ『母の前で』の次に、死にゆく父を描いた本書を手に取ってしまった。
父と母のこれまでの人生について、改めて聞いてみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んだことがあるよ~~な気がしつつ読み終えた
無条件でいい人
会ってみたいわ -
映画を観たので、原作も。
全く印象が違う。そら大分ストーリーも変えてあるのだが。
面白いなー。 -
映画はこの小説にあった色んな要素を、実にうまくひとつの太いストーリーに再構築していると感じた。
小説は本職がイラストレーターでひとり5歳の息子を育てている状況で可能な執筆状況にあわせて、短い断章の積み重ねになっている。それだけに、全体としてゆるやかな流れを形作ってはいるものの、脇にそれたままどこかへ消えていってしまった小さな支流がたくさんある。
映画版ではひとつひとつの要素を吟味して一本の太く力強い物語に仕立て直している。未熟なままになっている話をふくらませ、本筋から外れてしまったものを組み込み直し、きれいな形に整える。小説の映画化を見事に成し遂げた作品。
小説版も、死んでゆく父親から受け継いでいく息子という湿っぽくなりそうなところを、軽やかなユーモアで語るのが良い。ほかの作品も読んでみたい作家。 -
お父さんは確かに大物だった。
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2005.3.10. 映画がすごくすごく良かった!から、原作を借りてみた。うーん。エピソードが散りばめられてて、でも、つながってない感じ。いちいち章で分けるからか、気が散った。映画のシーンを思い出しつつ、読みました。
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さっき映画(DVD)を見たので!
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映画になった時、ストーリーなんてあっただろうかと悩んだけど、映画になったらストーリーがあって、おどろいた。印象深く、記憶に残りやすい作品だと思います。