星の時

  • 河出書房新社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309208190

感想・レビュー・書評

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  • 語り手がぐいぐい前に出てくる語りに驚いた。こういう物語り方があるんだという新鮮さの一方で、戸惑いもあった。

  • 不思議な二重構造の小説。作家が「ブラジルのウルフ」とも知らず。色々知らずに読んでいる。ブラジル人作家ということになろうが、生まれはウクライナでユダヤ人迫害から逃れブラジルに渡ったのだと。
    長さは短いのだが、思索的、観念的な言葉が続き初めとっつきづらい「ぼくは壮年の自分の血のような深紅の色に、それゆえ自分自身に、みずからを捧げる。」。他方で、語り手ロドリーゴが語るマカベーアの物語はシンプル。ひじょうに貧しく醜くやせっぽっち、だめ男と付き合うも同僚に取られる希望の持てないひたすらに地味な女性。彼女へのシンパシーが募るにつれ難解な語りがリーダブルになる。
    いや、三重構造か。読み直すと(短いので読み直しやすい)、ロドリーゴを通して女性の一生、死を語るリスペクトルが見える。

  • ぼくからマカベーアの話に入りこむまでが長かった。知識を、世界を、他を知らないがゆえに幸せだったマカベーアの人生。欲を未来への希望を持つことが分からなかった彼女がある変貌をとげる。貧しいとはそういうことなのか。マカベーアはある時期のブラジルのイメージだという。

  • 当初はメタい構造で斬新だったのだろうけど、メタ構造が使い古された今の時代に読むとさすがに辛いものがある。訳文の読みづらさも、意図されたものだろうけど、ちょっとつらかった。

  • 無垢で無知な子を、そんな風に描写することに違和感。

  • p32

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著者プロフィール

1920年ウクライナ生まれ。大戦下にブラジルへ移住。43年の初小説でグラッサ・アラニャ賞を受賞。その後英米伊ほか外国生活の末帰国、77年に亡くなるまでをリオで過ごす。著書『GHの受難/家族の絆』ほか。

「2021年 『星の時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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