- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309252186
作品紹介・あらすじ
150年前のロンドンを見えない敵が襲った!大疫病禍の感染源究明に挑む「壮大な実験」と「壮絶な闘い」はやがて独創的な「地図」に結実していく。恐怖や惨劇のなかで進むスリルあふれる探偵劇から、公衆衛生の概念の転換点と、現代都市が抱える共通の問題を多面的に検証する話題作。
感想・レビュー・書評
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h10m-図書館2021-1-9 期限1/23 読了1/12 返却1/13
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下水道委員会の命を受けたエドムンド・クーパーという技師は、下水道の経路が引いてある既存の街路図に、コレラの死者が出た場所に一本ずつの線を引いて、死者が多かった場所がわかるようにした。
ジョン・スノーは、クーパーの地図から詳細な情報を削って井戸の記号だけを残し、それぞれの井戸からの徒歩の距離が近い地域を線で囲んだ(ボロノイ図)。
ヘンリー・ホワイトヘッドは、スノーの地図を見て、飲料水媒介説に関心を持ち、井戸を掘削し、指針症例を見つけた。
コレラ菌は、CTXファージから遺伝子形質転換によって遺伝子を受け取ったことにより、宿主に感染できる病原性を獲得した。
ヒト・インフルエンザは、人から人へ感染する。H5N1は人から人へ感染はしないが、よく似たヒト・インフルエンザ・ウイルスから遺伝子情報を受け取れば、人から人へ感染する能力を獲得する恐れがある。 -
19世紀ロンドンで大流行したコレラ。原因が飲料水媒介による事を突き止めた無口な医者スノーと世話好き牧師のホワイトヘッド。科学者と市民の協力。彼らの貢献なくして現代の都市化はありえなかったことを実感した。
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19世紀半ばロンドンで流行したコレラ。当時のロンドンはごみだめの街。道には糞便が撒き散らされ、汚水を生活水に利用する有様。「微生物」という概念もまだなく、コレラの原因は瘴気、つまり「臭い」だと考えられていた。この説に疑問を持ち飲料水が原因だということを証明するため、地元医師ジョン・スノーが奮闘する。
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最初は良かったが、途中で飽きてしまった。
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約150年前のロンドンで発生したコレラの大流行についての記録が事細か記されています。下水道が整備されていない状況で人口が集中した都市を襲った感染症の恐ろしさと、当時は未知であった感染症の原因追求に奔走した人々の様子がありありと伺えます。
本の前半には見えない原因を追求するさながら探偵物を読むような楽しさがありますが、後半は当時の人々を支配していた「固定観念」との戦いの苦難がポイントになります。
最後の方は、原因究明の際に使われた統計的手法の説明、新興感染症やテロ等の人類の脅威に話が繋げられているため、コレラの話の本筋から外れていきます。
特にテロのあたりは話が飛躍している感がありました。
改めて星4つにしておきます。 -
なかなか読ませた。
この出版社は史実を物語にするのが得意というか、そういう著作が好みなのか、面白かった。
スノーのことははじめて知ったが、誰かに話したくなる、そういう興奮をもたらされた。
人に勧められる本。