美術館って、おもしろい! : 展覧会のつくりかた、働く人たち、美術館の歴史、裏も表もすべてわかる本

制作 : モラヴィア美術館 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 275
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (68ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309256573

感想・レビュー・書評

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  • チェコ共和国にあるモラヴィア美術館が製作した、美術館の歴史や仕事の内容、働く人たちを紹介した本。絵本のような大判のページの中に、カラフルなデザインでさまざまな仕掛けが施されていて、楽しく読める工夫が満載だ。

    学芸員、学芸員のアイディアを実現するために手配してくれるロジスティック担当、広報、現代美術にも対応できるようなITの知識を持った技術担当や清掃の人まで、美術館にかかわるあらゆる人とその仕事が愛情とリスペクトを込めて紹介されている。
    特別展示はともかく、常設展示などはさらっと流し見してしまっているが、美術館の展示はこんなにも多くの人が知恵と技術を寄せ合って造り上げているのだな、と改めて感心する。
    硬い内容になりがちな美術館の歴史のページについては、見開き+観音開きの4ページにわたって帯状に歴史が紹介されており、全体の流れがとらえやすくなっている。いかに訪れた人に楽しんでもらえるか、日々試行錯誤している美術館ならではのアイディアだ。

    博物館と美術館の違いはあるかもしれないが、先日読んだ本の中で、日本の博物館の学芸員が、自分は交渉事が苦手なので、交渉の専門家がいてほしい、とぼやいておられた。ロジスティック担当のような仕事は日本にはないのかもしれない。
    学校の教員もそうだが、日本は教育や文化、それにかかる人材にお金をかけなさすぎる。専門家が専門分野でよりいっそう力を発揮できる体制を整えないと、日本の文化はどんどんだめになるのではないか。
    外国のカラフルで魅力的な本を見ながら思わず日本の将来に思いをはせてしまった。

  • ◆展覧会の裏側 生き生きと
    [評]山梨俊夫(国立国際美術館館長) 東京新聞
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/39817?rct=shohyo

    河出書房新社
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309256573/

  • チェコの美術館が著者。
    美術館や美術展、美術についてがよくわかる。欧米の美術品が多く、アジアのものが無かったのはチョット残念。

  • 今まで美術館の仕事の本はあったけど、イラストで楽しめるこういう本はあまり無かったと思う。美術館そのものの歴史、どんな人が行くのか(デートの口実でもよい)、そもそもどうやって作品を得ているのか(寄贈、競売…)、建物のレイアウトの工夫、盗難に関するあれこれ(盗難によって絵が有名になった)などなど色々角度から美術館を捉えた本。10代から楽しめるこういう本が出てくるのすごく良い。翻訳物だから、日本の美術館の実情とはかなり違うのかもしれない。(その実情の違いが、日本でこういう本が出てこない理由なのかも。)

  • 「『美術館って、おもしろい!』っていう本おもしろい!」って言いたいくらいワクワクが詰まっている本。博物館の歴史、展覧会の作り方、アート作品についてなど、内容盛りだくさんで大人も子どもも楽しめる。イラストも可愛い。

  • フォローしてる方が紹介されてたので読んだ。早く色んな事が解決して、いつでも海外の美術館に行ける様な時代になればと言う思いが強くなった。

  •  子供向けの大きなサイズだけど、ページをめくるたびにわくわくがとまらない。翻訳本ではあるけれど、実際に美術館ってこんな感じに企画とかされてる(しかも数年先まで!)と思うと、昨今のコロナ禍は相当の大打撃だったのではと心配するレベル。
     どちらかというと文学館に行くことが多かったので、この事態が落ち着いたら美術館も積極的に行きたい。

  • 名前の通り美術館の運営について概要が知れる。本当の美術館が制作しているし、大人が読んでも満足度は高いと思う。また、イラストがすごく可愛くてコレクションとしても楽しめる。

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著者プロフィール

阿部 賢一(あべ・けんいち)
1972年、東京生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)。パリ第Ⅳ大学(DEA取得)、カレル大学で学ぶ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。著書に『イジー・コラーシュの詩学』(成文社、2006)、『複数形のプラハ』(人文書院、2012)、『カレル・タイゲ ポエジーの探究者』(水声社、2017)など。訳書に、フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社、2010/2019)、フクス『火葬人』(松藾社、2012)、オウジェドニーク『エウロペアナ 20世紀史概説』(共訳、白水社、2014、第一回日本翻訳大賞)、セイヤー『プラハ、20世紀の首都』(共訳、白水社、2018)、ベロヴァー『湖』(河出書房新社、2019)、ハヴェル『力なき者たちの力』(人文書院、2019)、チャペック『白い病』(岩波文庫、2020)、チャペック『ロボットRUR』(中公文庫、2020)、ツィマ『シブヤで目覚めて』(共訳、河出書房新社、2021)、チャペック『マクロプロスの処方箋』(岩波文庫、2022)など。

「2024年 『翻訳とパラテクスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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