ダフト・パンク: テクノ・ファンクのプリンスたち

  • 河出書房新社
2.00
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309274539

感想・レビュー・書評

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  • 本はまあ流し読みしましたが、
    「ワンモアタイム」「ゲットラッキー」
    だけじゃないのを発見できました。
    「アラウンド・ザ・ワールド」
    さっそくビデオクリップを観ました。
    カッコ良すぎ!

  • う〜ん。
    「テクノの最候補デュオはいかに音楽の未来を切り拓いてきたのか。計り知れない魅力とそのデビュー以降の軌跡に迫る決定版」と帯にはあるけど、それは"偽装表示"だと思う。

    話のを中心は「アラウンド・ザ・ワールド」という初期のヒット曲だ。この曲は1stアルバム『ホームワーク』からの1stカットだけれど、同アルバムの発売日が"フレンチタッチ"が生まれた日であるというのが核となって、"フレンチタッチ"とは何か? "フレンチタッチ"がフランスがもたらした影響について(少々)語られている。

    帯にあるようなダフトパンクの軌跡にはまったく迫っていないと思う。『ディスカヴァリー』も『ヒューマン・aアフター・オール』も駆け足で紹介された程度だし、「ワン・モア・タイム」でさえ軽く流されている(2008年に上梓された本の翻訳なので『ランダム・アクセス・メモリー』に対する記述がないのは仕方がないだろう)。

    著者は「ティチャーズ」(「アラウンド・ザ・ワールド」のカップリング曲)でシャウト・アウトされているポール・ジョンソンやリル・ルイス、DJファンクといったシカゴ・ハウスのプロデューサーの名前をよく知らないのではないか? なにせミニマルといった言葉を用いるのにテリー・ライリーやスティーヴ・ライヒの名前だけを持ち出すくらいなのだ。言うまでもなくダフト・パンクについての文章であれば、ジェフ・ミルズや前述のシカゴ・ハウスのプロデューサーの名前を出すべきなのに。

    訳者あとがきには(僅かながら)1997年のフランスの状況が語られている。1998年のワールドカップ開催を目前に控え、右傾化するフランス社会で移民や経済的に恵まれない若者(多くは「郊外」にすむ)が極右勢力と対決の姿勢を示し始めた年だった。フランス語によるラップが完成されたのが1995年(映画『憎しみ』が公開された年)。その前年の1994年にはフランスにおけるテクノのゴッドファザー=ロラン・ガルニエの1stアルバム『Shot in the Dark』がリリースされている。

    ダフト・パンクのヘルメットを脱がすことができなかったのであれば、せめてそういった背景について語って欲しかった。

著者プロフィール

ファッション誌「ELLE」やクラブ系の音楽誌に執筆するジャーナリスト。マルセイユ出身、パリ大学で哲学を修めた。DJ。実に頻繁にいまもクラブに通っている。

「2013年 『ダフト・パンク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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