- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309279374
感想・レビュー・書評
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日本にはまだこんなに手仕事で作られている物があるのかと驚く一方で、いつ失われてもおかしくない状況なのだなと思いました。
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お弁当の時間の延長で軽い気持ちで読み始めたが、直美さんの文章が厚かった。後継者問題、機械化、安価な輸入物に追いやられてしまった手仕事たち。安価な輸入品、便利なプラスチック製品を選んでしまった私も含め現代人にも一因があるのだろう。
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女子栄養大学図書館OPAC▼
https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000039321 -
JRの会員誌に連載されていた沖縄を除く都道府県(JRが走っているところ)の手仕事、ものづくりの現場を紹介した企画をまとめた一冊だ。
クラフトが好きな人間だったらよく知られている著名なガラス作家から、こんな民芸品あったのか、というような無名の道具まで、さまざまなアイテム、土地、人が紹介されている。
類似の紹介本はよくあるけれども、この本は、取材対象者との距離感がすごく良くて、ものづくりの信念だけでなく、作り手の価値観や生活、喜びや、信念、といったものが気負わずに伝わってきて、読んでいて楽しい。
日本のどこかで、こんな風に暮らして、ものを作っている人がいるのだな、と思う。
自分が死んだ後も使われること、を考えてものを作っている、というのが、時代の流れの中でどんどん移ろう仕事をしている自分にはハッとさせられる言葉で、しみじみ、すごい、と思った。
巻末にある通り、取材後に亡くなられてしまった方も多く、ああ、この取材がその人の人生に間に合ってよかったな、と思う。 -
日本にはそれぞれの地域に根差した貴重な文化があって、世に知られている伝統工芸品というのは氷山の一角なのだなと改めて感じた。こういったものが消えつつある現実は残念だけれど、伝えて残していくこともまた難しい。時代の変化と割りきってしまうにはあまりにも惜しいものが多く、商売と切り離して文化として継承していく方法論を考えていかなければならない。