郵便配達夫シュヴァルの理想宮

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309279992

感想・レビュー・書評

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  • 「シュヴァルの理想宮」の話を
    できる人と出逢うのは
    まことに うれしい体験であります。
    観てみたい
    行ってみたい
    そこに
    佇んでみたい
    その一つが ココです

    きっと 観てきた人は
    ものすごく 面白く読めるのでしょう
    書かれてある以上に 楽しめる一冊なのだと
    思います

    次は
    映画化されているらしいので
    そちらに向かおうと思っています

  • もっと細かく色々見たいのに画像が小さい…最後の他の芸術家と絡めた哲学論はピンと来なかった

  • 実在するフランスの郵便配達員、シュヴァル氏についてのノンフィクション。私が読んだのは文庫版でした。

    郵便配達の途中でつまずいた石ころにインスピレーションを受け、それから長い年月をかけて石を運んで積んで、大きな宮殿をつくった郵便配達員が実在したと知った時、とてつもなくドキドキしたのですが、この本の内容はその時のドキドキにおよぶものではありませんでした。

    それも致し方ないのかなと思うのは、シュヴァル氏はアーティストや建築家ではなく、いち市井の郵便配達員であったために、彼について残っている記録や資料が少なく、彼の人間ドラマ的な描写が少ないのです。単に著者がそういう表現を選択しなかったという可能性もあります。

    本文から引用すれば、
    "人々が関心を抱いたのはむしろ、一介の田舎の貧しい郵便配達が、三十三年かけて、独力で夢の宮殿をたてたという事実の方であって、必ずしも宮殿そのものではなかった"
    私もそのひとりということですね。

    また、各章の終わりに図版や写真をまとめて掲載してあるので、わざわざそのページまで行って写真を見てからまた本文へ戻るという作業もすこし煩わしく、本の構成についても少し不満が残りました。

  • 独力で『理想宮』を建築した郵便配達夫シュヴァル。この『理想宮』については、これまで数多くの本が書かれていて、本書もそのうちの1冊。
    私が初めて『シュヴァルの理想宮』の存在を知ったのは、確か澁澤龍彦の著書だったか(多分、入口はオーソドックスだったはずだ)。たった1人で、建材を蒐集(!)するところから始め、長い時間をかけて完成した理想宮は、粗いモノクロ写真からも圧倒的な存在感が伝わる。執念というか妄想というか。
    尚、本書ではシュヴァルとルソー、ルーセルの共通点についても言及されている。『アフリカの印象』は良かったよなぁ……。

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著者プロフィール

岡谷公二(おかや・こうじ) 1929年生。東京大学文学部美学美術史学科卒業。跡見学園女子大学名誉教授。著書に『ピエル・ロティの館』(作品社)、『貴族院書記官長柳田国男』、『柳田国男の青春』(筑摩書房)、『島の精神誌』(思索社)、『神の森 森の神』(東京書籍)、『島』(白水社)、『南海漂泊』(河出書房新社)、『殺された詩人』、『南の精神誌』(新潮社)、『絵画のなかの熱帯』『柳田国男の恋』(平凡社)、『南海漂蕩』(冨山房インターナショナル、和辻哲郎文化賞)、『原始の神社を求めて』『神社の起源と古代朝鮮』(平凡社新書)訳書に、レリス、ドランジュ『黒人アフリカの美術』(新潮社)、レリス『幻のアフリカ』(平凡社ライブラリー)、ルーセル『アフリカの印象』、同『ロクス・ソルス』(平凡社ライブラリー)など多数。

「2016年 『島/南の精神誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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