黄金時代 (河出文庫 121L)

著者 :
  • 河出書房新社
3.29
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本棚登録 : 75
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309401461

作品紹介・あらすじ

60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか? 本書はその思索の跡を示すエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 澁澤龍彦展が、彼が幼少期を過ごした埼玉県の文学館(桶川市)でやっていたので(2023年秋)、見に行きがてら本棚から引き出してカバンに突っ込み電車で読む。

    読みどころは、サド裁判の顛末についての回顧調ではないリアルタイムの文章と、タイムリー!!!な「大阪万博への嫌悪」と、三島との最後の日々。

    これは60年代後半から70年代初頭あたりに書かれたエッセイをまとめたもので、空中庭園、ユートピアや幻想文学、バタイユなどファンおなじみのモチーフが登場。ボルヘスとの親和性への言及も見受けられて良い。あとがきにあるが、それらのモチーフへの興味はこのあと薄まるので、後年の著作より熱がこもって、やや難解な書き方にもなっているので、濃縮されたシブサワって感覚。

  • バビロンの架空庭園 失われし庭を求めて/ユートピアと千年王国の逆説/ヨーロッパのデカダンス/もう一つの世紀末/万博を嫌悪する あるいは「遠人愛」のすすめ/時間の死滅について/ミューゼアム・オブ・カタリズム/サドは裁かれたのか サド裁判と60年代の精神分析/魔的なものの復活/A・キルヒャーと遊戯機械の発明/幻想文学について/幻想動物学/メタモルフォーシス考/からくりの形而上学/ジョルジュ・バタイユ 比喩としての畸形について/妖怪および悪魔について/ヨーロッパの妖怪

  • [ 内容 ]
    60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。
    そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。
    時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか?
    本書はその思索の跡を示すエッセイ集。

    [ 目次 ]
    バビロンの架空園―失われし庭を求めて
    ユートピアと千年王国の逆説
    ヨーロッパのデカダンス
    もう一つの世紀末
    万博を嫌悪する あるいは「遠人愛」のすすめ
    時間の死滅について
    ミューゼアム・オブ・カタクリズム
    サドは裁かれたのか サド裁判と60年代の精神分析
    魔的なものの復活
    A.キルヒャーと遊戯機械の発明
    幻想文学について
    幻想動物学
    メタモフォーシス考
    からくりの形而上学
    ジョルジュ・バタイユ 比喩としての畸形について
    妖怪および悪魔について
    ヨーロッパの妖怪

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    [ 参考となる書評 ]

  • 440
    六〇年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決と至った。そして七〇年代が幕を開け、政治の季節は終わった。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか?本書はその思索の跡を示す。

  • 私にはちょっと難しかったです。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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