- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407920
作品紹介・あらすじ
どこにでもいる無邪気で平凡な女子大生、一実。自殺した親友の四十九日の翌日、眠りから目覚めると、彼女の右足の親指はペニスになっていた。突然現れた親指Pに困惑し、揺れ動く人々。そして無垢だった一実にも徐々に変化が訪れ-。驚くべき奇想とユーモラスな語り口で大ベストセラーとなったあの衝撃の作品が、待望の新装版に。
感想・レビュー・書評
-
どこにでもいる無邪気で鈍くて平凡な女子大生、一実。自殺した親友の四十九日の翌日、眠りから目覚めると、彼女の右足の親指はペニスになっていた。突然現れた親指Pに戸惑う一実とその恋人の正夫。。。
大学の頃、ゼミの教授が議題として挙げた本。
当時は衝撃を受けました。。
嫉妬心の強い正夫との別れ、新恋人 春志との出会い、春志に寄生していたチサトとのすったもんだ、そして、チサトのパートナーになった晴彦の紹介で「フラワー・ショー」の一員となり、一緒に旅回りをすることになる一実。
異形の性、マイノリティな人たちが繰り広げる見せ物集団「フラワー・ショー」で自身の性を見つめる旅の行方は・・・!?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ペニスについていろいろと考えさせられる作品
-
もはや「子供ができる」以外にちんことまんこにこだわる必要はないのでは。
ついでに性器をくっつける必要もないんだな。
でもかなりの信用と信頼と愛がないと、自分たちの最上のセックスを発見できなそう。
セクシャル性癖盛り合わせ! な爽快ビルドゥングスロマン。 -
細かくレビューを書いてしまうと物語の設定上、どうしても猥褻な表現を連発することになるので控えるが、抽象的にでも感想を残したい。
世の中で多くの人に支持(という意識もないまま植えつけられた)考え方に対して勝負を仕掛けた作品だった。
誰が作ったかもわからない、作った人間にとって都合のいいルールみたいなものが日常には溢れている。それが生きづらさの原因にもなったりする。
それに気がついて抗ったものは敬遠されたり変人扱いされて排除されていく。気が付いた者負けのゲームをいつまで続けるのか。違和感を押し殺して飼い慣らされることになんの意味があるのか。
私はこの小説をもっと早くに読みたかった。読んでいて感情が激しく揺さぶられた。この小説を読んだからといって現実が変わることは1ミリもないのだが、現実に向かうこの心に変化を与えてくれた。それだけで十分過ぎる。 -
「何かを選べば何かを捨てなければならなくなる…選ぶということは自分を追い詰めるということだ」
-
性器の結合にこだわらない快感を描きたかったという作者の意図には同意するが…長すぎるなあ
-
親友が亡くなって足の親指が男性器に変わってしまった女性の話。と書くと何の話だか分からないけれど友人も恋人も自ら選ばない一実の主体性の無さに共感を覚えた。でも彼女は盲目の音楽家の春志に出会って誰かを特別視することを知る。そして同じように性において稀少な人達に出会う。無垢な彼女を知っていた知人や友人は彼女の変化を堕落と嘆くだろうか。私はそれを成長と呼びたいのだけれど。
-
昔読んだ本
-
フラワー・ショーに加入してから以降は個性の爆発みたいな感じが人物が一挙に登場して読み易かった。それまではなかなかページを捲る手がノらず。
読み難かったのは多分、地の文に一実の主観的な描写が強過ぎるからだと思う。チサトや彼女の行為を一方的に性的欲望に放埓な淫乱女としてのものとして描いたり、初対面の人間を矯めつ眇めつして偏った判断を下したりしておきながら、でも春志だけは特別!結婚しよう!…「私は物事を俯瞰で見れる特別な女です」感が鼻について親指ペニスがどうこうよりそっちが気になった。正直。
ジェンダー的な話はこの支離滅裂な世界観の中では考えるのさえ疲れそうなので、他の方の考察に任せたい。「ペニスは男の印」?それが右足の親指についたということは?かつ、それが同性の手によって興奮と安らぎを獲得し、勃起するというのはどういう意味を持つ?あとなぜ射精しないのだろう?等々。