窓の灯 (河出文庫 あ 17-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 389
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408668

作品紹介・あらすじ

喫茶店で働く私の日課は、向かいの部屋の窓の中を覗くこと。そんな私はやがて夜の街を徘徊するようになり……。『ひとり日和』で芥川賞を受賞した著者のデビュー作/第四十二回文藝賞受賞作。書き下ろし短篇収録!

感想・レビュー・書評

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  • 青山七恵さんのデビュー作「窓の灯」と書き下ろし短編1作を収録したもの。
    青山さんは、この「窓の灯」の次の作品「ひとり日和」で、芥川賞を受賞されています。
    本作も純文学よりの作品ですが、特別な出来事が起きるわけではないけど、かといって誰もが経験するような日常でもない、ちょっと不思議な日常が描かれています。

    私は、青山七飯さんの「あかりの湖畔」を読んで、その文章表現力の素敵さに驚かされたのですが、デビュー作でも、卓越した文章表現力の萌芽は見られます。

  • 窓の灯がデビュー作ということでこれから読み始めました。内面の描写が上手く例えられており、ストーリーもなんでもないことを文学的に描かれており好みの小説でした。この作品以外の作品もぜひ読んでみたいと思わせる作品でした。

  • その窓から向かいの窓が見える。レース越しに男と女が笑う姿に毎日まりもは釘付けになる。ふらふらと夜中に彷徨う目は、窓からこぼれる灯に人影を求め、ドアから漏れる話し声に期待する。中身の見えない幸福に嫉妬し、そんな自分がこの世の誰よりもちっぽけで下らない人間に思えた。もっと怒鳴って欲しい。もっと喚き泣き散らせ!!人間の欲望を醜態を恥を不幸を、毟っても毟っても思い通りに無くならない雑草のような愚かな自分に見せつけてくれ!誰かが窓にいる自分だけに気付いてくれた。消しかけていた光を、また少しだけ灯らせてみようと思った。

  • どんどん読んだ。人の暮らしとわたしの暮らしと
    平行線なんだよなぁー

  • 瑞々しい作品
    まりももミカドねえさんも周りのオトコたちも平凡だがいそうな人たち
    風にそよぐカーテンの描写が良かった
    まりももミカドのような大人になるのだろうか?

  • なんか、エモいという言葉が似合う小説だ!!
    夜の繁華街、喫茶店、魅力的なお姉さん。
    こういう雰囲気結構すき。

  • 読みやすい。さくっと読めて、特に心は動かない。
    だからどうしたって言う話をこうして表現するのはすごい。世界観を楽しめると言うか。家の灯りを外から眺めるのは私も好き。

  • 淡々とした文書で読みやすい。
    街の家々の窓の灯りを見るのは私も好き。

  • 昔読んだ本をふと思い出して再読。
    夜の散歩に出かけたくなった。

  • 好きな人が自分の欲望とか汚い部分とか、さらけ出してくれないと、ちょっと寂しい。まして他の人にだけそれを見せているとしたら、疎外感をかんじてしまう。だからこっそり覗いてみたい。そんな感じを受けました。そんなまりもの行動は「変な子」なのか、「わかるわかる」って思うのか。

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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