- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309410500
感想・レビュー・書評
-
大河ドラマ『真田丸』の楽しみの一つは、最近の新しい歴史的解釈が採用されている点です。具体例を二つ挙げると、一つは豊臣秀次切腹事件、もう一つは徳川秀忠関ヶ原遅参の件です。豊臣秀次は秀吉の命令によるものではなく、勝手に自殺してしまったことが最近明らかになっています。また、徳川秀忠も、家康との合流を目指していたわけではなく、最初から真田攻めを担っていたことが明らかになりつつあります。『真田丸』では、この新解釈を採用しています。
そして、『真田丸』の脚本家・三谷幸喜氏が果たして本書を参考にしたかどうかは分かりませんが、大坂の陣においても、本書で提示されている解釈が『真田丸』に適用されているように見えます。それは何なのか?
http://naokis.doorblog.jp/archives/osaka_fuyunojin.html【書評】『大坂の陣---豊臣氏を滅ぼしたのは誰か』その1〜冬の陣の首謀者 : なおきのブログ
http://naokis.doorblog.jp/archives/osaka_natsunojin.html【書評】『大坂の陣---豊臣氏を滅ぼしたのは誰か』その2〜夏の陣の火種 : なおきのブログ
http://naokis.doorblog.jp/archives/wardead_and_ronin.html【書評】『大坂の陣---豊臣氏を滅ぼしたのは誰か』その3〜戦死者・牢人 : なおきのブログ
<目次>
第一章 豊臣公儀 秀頼の誕生
第二章 徳川幕府 秀頼の成長
第三章 大阪冬の陣 秀頼の沈黙
第四章 大坂夏の陣 秀頼の最期
2016.10.09 大坂の陣の文献を探して
2016.10.16 借りる
2016.11.01 読書開始
2016.11.02 読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
関ヶ原から大阪の陣までの豊臣&徳川の動きを丁寧に追う事で、豊臣氏滅亡の原因を「通説」とは違う点に求めた一作。 xいわゆる「通説」がいかに物語然と整えられているか、史実に見られる各勢力の動きがいかに迷いや葛藤を含んだものであったかがよく伝わってきます。豊臣方の自滅の色が濃い事(特に自分たちのために雇った牢人集が己の首を絞めた)も、種々の文献からはっきりとして行きます。 xただ、あまりにも「家康は義人である」という著者の前提に寄りすぎており、「~だと思う」「~であろう」という記述が目立ち、それ故「家康は腹黒タヌキ」派としては説得力を欠く場面が非常に多い。もう少し家康に対する評価は白紙に近いところから始めても良かったと思い、その点は減点しました。 x
-
豊家を滅ぼした大悪人として語られるイメージが強い家康公ですが、史実を並べてみると、そうでもなかったということがわかる。いや、そうではないという見方もできる。ということがわかる。
物事は逆の視点からも見なければ真実を探求するきっかけすらつかめないのだ。
家康嫌いの人も、このようなものを読むと評価が変わるのではなかろうか。