「声」の資本主義 ---電話・ラジオ・蓄音機の社会史 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411521

作品紹介・あらすじ

電話もラジオもレコードも、そのはじまりから今あるようにあったわけではない。「声」を複製し消費しようとする社会状況のただ中で、音響メディアはいかに形づくられ、また同時に、人々の想像力と身体感覚はいかに変容していったのか-。混沌たる草創期の多様なるメディアのありさまを活写し、近年さかんな聴覚文化研究の端緒を切り開いた先駆的名著。

感想・レビュー・書評

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  • [private]かのっぴ[/private]
    .。oO ゲッペルスは「19世紀は新聞の時代であったが、20世紀はラジオ(*その後TV)の時代である」といったけれど、21世紀はネットの時代といえるかな。

    玉音放送はその内容よりも天皇の声がラジオから聞こえた衝撃の方が大きかったという指摘はナルホドと思った(他の本でも読んだ気もする)。

  • 新書文庫

  • 大人数が同じ体験をすることが容易な感覚である聴覚に絞った文化歴史学。

    電話の初期がアマチュア無線などと同じく双方向性のメディアであった点は現在のネットにも似て、また、ネットの今後を考える上でも有用だろうと思われる。

  • これは、面白い。特に、声と「女性」について。声優論に使えそう。

  • 電話・ラジオ・蓄音機。単なる「情報伝達」装置ではない。かつて存在していなかった新たな空間に「声」を伝えるメディア装置。想定外の使用法がスタンダードと化した時、あらたなメディア装置が起動する。そんなこんなを想像するのにいい刺激になりました。

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著者プロフィール

吉見 俊哉(よしみ・しゅんや):1957年生まれ。東京大学大学院情報学環教授。同大学副学長、大学総合教育研究センター長などを歴任。社会学、都市論、メディア論などを主な専門としつつ、日本におけるカルチュラル・スタディーズの発展で中心的な役割を果たす。著書に『都市のドラマトゥルギー』(河出文庫)、『大学とは何か』(岩波新書)、『知的創造の条件』(筑摩選書)、『五輪と戦後』(河出書房新社)、『東京裏返し』(集英社新書)、『東京復興ならず』(中公新書)ほか多数。

「2023年 『敗者としての東京』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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