花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 後篇 (河出文庫 は 1-28)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413921

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  • 大島弓子、萩尾望都、山岸涼子、陸奥A子…「少女マンガ」がはじめて公で論じられた、伝説の名評論集が待望の復刊!解説:中条省平 三浦しをん氏絶賛!

  • 後篇では、なぜか江口寿史と鴨川つばめや、吾妻ひでおのギャグマンガについての分析も含みつつ、陸奥A子、土田よしこ、大島弓子らがとりあげられています。

    陸奥A子と土田よしこの二人をあつかった章は、対をなすものとして読まれるべきでしょう。『シンデレラボーイ シンデレラガール』(河出文庫)にも見られるような、読者に対して厳しくてやさしい著者の一面がかいま見えます。

    しかしやはり本巻の中心をなすのは、半分近くのページ数を割り当てられている大島弓子論でしょう。『いたい棘いたくない棘』『綿の国星』『バナナブレッドのプディング』などの作品を読み解きながら、大島作品の指し示す「ハッピィエンド」の意義について論じられています。わたくし自身は、大島作品の予定調和的な世界観が、萩尾望都や山岸凉子にくらべて問題の突きつめが甘いように感じていたのですが、著者は『綿の国星』のチビ猫に代表される大島作品の登場人物たちの経験してきた「時」の先に、彼女たちの悲しみを受け入れる世界を見ようとしています。そうした著者のまなざしは、やはりかぎりなくやさしいものだと感じます。

  • 少女漫画論なのに少年漫画が入っておもしろい。

  • 【メモ】
    ・少女漫画評論。
    ・1995年の単行本を文庫化したもの。どちらも二分冊。
    ・知人曰く、橋本治作品の五指に入る。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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