14歳からの哲学入門: 「今」を生きるためのテキスト (河出文庫 や 33-3)
- 河出書房新社 (2019年3月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309416731
感想・レビュー・書評
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哲学の大きな流れを、今の言葉に置き換えて要約して、わかりやすく説明してくれている。
その時代の価値観を斜に構えた哲学者が蹴飛ばす様を、擬人化して説明してくれるので、とてもわかりやすい。
このノリが軽くてウケる!
そして哲学者達の幼稚さにひっくり返りそうになるけど、なんとも尊くて、愛おしい。
現代は「これがしたい!」という目指すべき価値を見つけ続けながら生きるのは大変。
ニーチェは、これに疲れて、ただ暇を潰す「末人」が増えると予測。未来を生きるより今の一瞬を大事にしろと言う。
新しい価値観を定義付けた。
そして新時代の哲学は「暇」な社会への適応。人生100年時代、AI・自動化、人口増加、コロナでの新しい生活様式の見直し。
労働には価値があり、人間は働いて当たり前の考え方を前提にすると暇が苦しみにる。
なるほど、暇さえも苦しみになるんだね。
もうお釈迦様や達磨様に教えを請うしかない。
文中にはキングオブニートとあるし笑
さあ次は仏教かな。
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14歳とは、中学2年生の時期。つまり、中2に向けて書かれた哲学入門書ということ。なぜ中2なのかというと、哲学における偉人たちは、今でいう厨二病的に極端で、かつ幼稚な発想の持ち主ばかりだったから。その視点からして、おもしろい。
著者の書いたほかの本に比べると、すこしだけ読み進めるのに骨が折れる気はしたが、それでも十分にわかりやすかった。ただ、スキマ時間で読むのにはあまり適さないと感じたので、そこは注意。じっくり時間のとれるときにどうぞ。
飲茶さんの本なら、とりあえず『最強のニーチェ』をおすすめしたい。読みやすく、わかりやすく、何より厨二心を揺さぶられる。 -
【星:5.0】
タイトルからすると子供向けの内容に感じるがそうでは無い。著名ば哲学者の発想は14歳レベルの無邪気なものから始まる、というのがタイトルの趣旨である。
内容は哲学を分かりやすく、面白おかしく説明し、それでいて体系的な入門書である。
ほんとすごい1冊。 -
デカルトから今後の哲学について分かりやすく解説してくれる。
キルケゴールのくだりは涙を誘う。
ポスト構造主義の後、哲学は終焉を迎えたのだろうか?
今後必要とされる哲学についても予測している。
とても面白かった。 -
飲茶さんの文章のテンポが心地良く、難しい内容も分かりやすい。最後のニートの所では、象徴的な存在として出してきているのかなと思いつつも、なかなか受け入れられない私を見つけた。記号消費社会の枠組みでしか物事を考えられていない証拠かな。本を読んで私はこう思う!ということが出てくることはとても楽しい体験だ。毎回、飲茶さんの本にはそういう楽しさがある。
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14歳に読むこなすことは難しいと思うが、高校の倫理の授業と並行して読むと、かなり思想の理解が進むと思う。受験生は必読である。
おそらく研究者が読めばツッコミどころは多いのだろうが、大胆な例え話が用いられているため、おおまかに思想を理解しやすい。また、古い思想を乗り越える形で新しい思想が生まれてくる、という哲学のダイナミズムを把握しやすい。 -
この本から哲学が好きなった。哲学が全くわからなくても面白く読めるし、身近に感じられるようになる。
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色んな哲学本を読む前に読んでおきたかった本。まず哲学者の名前を覚えるより先に哲学史を学んだ方がめっちゃわかりやすい。哲学の歴史は喧嘩の歴史。そして今私たちが哲学的に考えなくてはいけないことは?私も今日から14歳。
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星が何個か本当はつけられない。
読み始めてから、読み終わるまで三,四年かかったと思う。
何回か繰り返して読めたらいいな、と思うけどその労力を思うとなかなか。私には難しい。
14歳とついているが、14歳に適しているという意味では全くありません。
哲学っていいな、もっと知りたいな、と思いました。