- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309418551
感想・レビュー・書評
-
時は室町。犬王は疾り、謡い、舞う。友魚の琵琶が響く。
父親が、芸の頂点を窮めるために魔性の者と交渉し,異形のものとして生まれた犬王。壇ノ浦から引き揚げた草薙の剣によって視力を失った友魚。二人は出会い、能楽師として、琵琶法師として、名声を得ていく。
リズムのある短文を重ねた語り口で『腕塚』『重盛』『鯨』と、能の舞台が目に浮かんだ。
「世に知られていないからこそ、それゆえに語ってほしいと願う者たちがもたらす真の異聞」とある。友魚の死を知る犬王、友魚の呪縛の様、そして解きあい。また、「犬王は余の偏愛する者」と足利義満に言わしめたにもかかわらず、観阿弥・世阿弥以上に歴史に名を残すことのなかった理由。そのあたりも気になる。
映画化されていることを知らず、偶然YouTubeでいくつかの画像を観た。室町で能舞台だけれど、とにかくRockで、いつまでも耳に残った。舞台化するのもおもしろそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
TVアニメ『平家物語』放送開始日が2022年1月12日に決定 最新PVも公開|Real Sound|リアルサウンド 映画部
https:/...TVアニメ『平家物語』放送開始日が2022年1月12日に決定 最新PVも公開|Real Sound|リアルサウンド 映画部
https://realsound.jp/movie/2021/12/post-921454.html2021/12/09 -
映画「犬王」ムビチケやオリジナルグッズが当たる!全国1,005書店で映画公開記念キャンペーン実施 | ほんのひきだし
https://ho...映画「犬王」ムビチケやオリジナルグッズが当たる!全国1,005書店で映画公開記念キャンペーン実施 | ほんのひきだし
https://hon-hikidashi.jp/bookstore/148749/2022/05/13
-
-
平家物語!時は室町!?
という表紙が気になって購入!
平家物語を語る光を奪われた琵琶法師と平家物語を舞う異形の能楽師の物語!
36章200ページとなっており、非常に読み易い!
タンタンと(べんべんと)したリズムを奏でるかのようなストーリー
でも何故か場面場面が印象的で所々が刺さってくる!
平家物語とは言うものの、平家物語を舞い語る室町時代の物語!
個人的には犬王よりも友魚の方がカッコいいと思った!
今年の夏に映画が封切られる様であるが、私の読んだイメージと映像音楽が近いものか遠いものか比べてみたいと思います。 -
平家物語を完全現代語訳した古川日出男さんの〝続編〟。伝奇であり、友情物語であり、歴史小説でもある。200ページに満たないが、中身は意外と濃い。友魚(琵琶法師)と犬王(能楽師)と平家、それぞれの物語が次々と切り替わって進み、最後余韻を残して終わる。とにかくテンポが良く、サクッと読めるが、講談調の独特な言い回しは好みが分かれるかも。5月公開予定の劇場アニメも面白そう。
-
映画館の下が書店で、映画観終わった後に買いに走りました(笑)語る側の物語。語ることは、亡くなったものの魂の浄化。だから、大切な人のために語る。映画の最後の無音の場面にあんな意味があったとは…。尊い!
-
何度も同じような内容を反芻するように物語が展開していくのですが、一つ一つの章が2〜3ページと短いため、ポンポンとテンポがよく、スイスイと読むことができました。
犬王や友魚(ともな)の出会いや二人の数奇な人生が、今で言うファンタジーのようで、面白かったです。
アニメ映画になったそうなので、どのようにこの物語が再現されたのかが気になります。 -
読んでる途中で映画観に行った。映画も小説もすばらしい。
-
映画を観てからこちらの小説に触れたので、犬王や友魚の台詞はあの声や抑揚で聞こえるし、もちろんビジュアルは映画そのものを想像して読んでいきました。けれど、それで違和感を感じないほど、しっくり馴染めてたのしく読めました。
それは、展開も結末もところどころ違う小説と映画だけれど、物語の根っこにある「犬王と友魚」という不運に遭いつつも前向きに生きるふたりの生き方や友情が篤く描かれている、その芯がまったく違っていなかったことが、まずひとつ大きいからだと感じました。
そしてもう一つは、小説そのものの文体。歌をうたいあげるように、切れ味の鋭い抑揚の波に載せられるがままに、人々の運命を紡ぎあげてゆく描きかたが、歌で物語を紡ぎあげる映画ととても近しいものだと思えたのです。そういう意味で、最高の原作と映画という関係なようにも思いました。
映画の結末の付け方もとても浪漫を感じるものでしたが、この原作の結末も、これはこれでとても好きです。知らず闇へ放りだされた二人の最期として、潔く、そして美しいものを感じました。 -
湯浅監督のアニメ「犬王」がこれまた傑作だったので、原作も気になり手を取ってみました。どうしても、アニメーションと比べると映像がない分、臨場感に欠ける印象はあるのですが、それでも口承のていで展開する短い文章が連続する構成は非常にテンポがよく、まるで能を見ているような気持ちよさがありとても新鮮でとても楽しめました。
あくまで個人的な感想なのですが、映画は友魚と犬王の友情がかなり濃密に(時に湿っぽく)描かれていたのが印象的で、かつそこが一番好きな点でもあったので、そのあたりが結構あっさりとしていたのは少し残念でした。(ただ、ラストの展開は小説版も負けず劣らず良かったです)