偶像の黄昏 (河出文庫 ニ 1-3)

  • 河出書房新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309464947

感想・レビュー・書評

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  • ニーチェによる「ニーチェ入門書」のような本
    ちくま学芸文庫の翻訳?で好きだった言葉がガラリと印象が変わっていて驚いた……昔の方がインパクトがあったけどこの本の方が解説が丁寧に書かれているし、翻訳者の方も本当に真面目にされていたようだしこれはこれで好き
    デカダンスについての考察も興味深い点が多くあった
    ただ私の無知さには驚いた 本当に難しい ゲーテの引用、マタイの福音書の引用、過去の自分の作品の引用……なんというか本物のインテリに殴られてる感じだ 背伸びして読んだがまだ私には難しかった 学び直してからまた読みたいから買おうと思う

  • ニーチェの思想の基礎が大まかにわかる書。

    キリスト教道徳は聖職者の聖なる妄想であり、人間の生の部分を貶めると考え、触れた人間たちの生命力を弱めている。

  • ドイツ語で通読した初めての哲学書。

  •  「力への意志」の構想を変更し、断章や草稿に加筆を行って編集されたという変則的な経緯をもつ本書は、ニーチェの疾走感溢れる着想→思考→思想の大いなる跳躍を至るところで感ずることができる。
     また、近づく晩年への活動遍歴を一覧できるほど広汎な分野に言及されており、具体の人物評、歴史批判、さらに同時代考察が隈なく記述されていることから、散文自体も比較的読みやすく、それぞれの事項について入口とも出口とも言える思い切った寸評が痛快な印象を与える。

  •  ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
     中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人のせい」にして復讐そして革命を煽る。これは今まさに世界で起きていることであり、これをすでに指摘していたニーチェの視点の鋭さに驚くばかりである。
     ニーチェの当時のドイツに対する忠告であるが、それは現代に対しても有効であるように思う。"生"を否定する存在、すなわち、自らの意思で行動することを否定し、変わろうとする(=豊かになろうとする)意欲を奪っていく存在から、どのようにして身を守るべきかを改めて考えていかなければならないだろう。

  • 2019年4月11日、とりあえず手元に置いておく。

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著者プロフィール

1844-1900年。ドイツの哲学者。近代という時代の問題を一身に受け止め、西洋思想の伝統と対決し、現代思想に衝撃を与えた。代表作は、本書のほか、『愉しい学問』(1882年)、『善悪の彼岸』(1886年)ほか。

「2023年 『ツァラトゥストラはこう言った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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