ロデリック:(または若き機械の教育) (ストレンジ・フィクション)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 112
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309630052

感想・レビュー・書評

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  • SF。コメディ。
    簡単にいえば、ロボットがつくられ、成長していく物語。
    独特のユーモアが散りばめられすぎて、会話の意味が全然分からなかったり、話が脱線したりで、なんとも読みにくい。
    終盤に大きなサプライズがあり、読後感はなかなか良い。
    ストレンジフィクションの名に相応しい、とにかくヘンテコな作品。
    続編もあるようですが、これは翻訳されなそう…。

  • 帯に"コミック・ノベル"とあるが、思いのほか読みにくい。
    文章に独特の癖があって、例えば筒井康隆の文章を外国人が読んだらこんな感じじゃないかと想像する。
    ロデリックのことをあくまで人間の障害児として扱う(ロボットなど存在しないという立場を取る)学校の方針にはゾッとするものがあるし、神父との一連の会話もおもしろかった。
    しかし続編が未翻訳というのは困る。

  • ミネトンカ大学のコンピュータ・サイエンス学科はNASAの秘密の予算で人工知能プロジェクトを進めていた。天才的プログラマーのダン・ゾンネンシャインのお陰で人口減少有したロボットのロデリックが完成しようとしていた。その時、NASAからの秘密資金が途絶え、ロデリック・プロジェクトは停止され、幼い人工知能を備えたロデリックは大学の外に放り出されてしまった。ロデリックは、ハンクとインディカのカップルのところや、旅してまわるジプシー一家や、ギャングや、不思議な老夫婦の所などに預けられたり、盗まれたりして暮らしていた。最初は幼い人工知能もだんだんと周りの環境を覚えて少しづつ成長していく。深遠な神の存在についての問答や、ロボット三原則の矛盾点の議論など、ギャグや哲学的問答やナンセンスが一杯ある不思議な本。

  • SF

  • BRUTUS2017/1/1号、「危険な読書」

  • 人工知能というか意識を持ったロボットが世間に放たれたらどうなるのか、ロデリックの意識とは、人間が人間であることの証明やロボットが人間ではないことの証明など、哲学的なことを考えさせられる。そもそも文体というかストーリ展開が独特で、自分には少々難しかった。続編が未訳であるのだけど、それと合わせて読むのがいいらしいので、続編が翻訳されたら改めて本書に挑戦するかもしれない。

  •  「凄いが何でこんなことに情熱を傾けるのかよくわからない」(オカルト批判本を書くように依頼を受けて、いろいろ研究した挙句オカルト本を書いてしまったことが知られている)作品を残してきたジョン・スラデックの伝説的ロボットSFである。
     とある大学でひょんなことから生まれたロボットが数奇な運命をたどるスラプスティックコメディである。ブラックジョークが飛び交うが基本的には登場人物の思惑や会話がすれ違っていく感じが楽しくそれなりに大部だが読みやすい。それにしても暗号の部分とかコンピュータが発達していない時代にどうやって作ったのか驚愕である。とにかく才人であることは間違いない。通常のSFは架空の理論によって世界が構築されることに力点が置かれるが、スラデックは論理体系そのものに強く惹かれる珍しいタイプのように思われる(だからミステリや論理で動くロボットの小説が資質に合った)。その結果本書のようなあれこれねじくれて理屈や物事がつながった奇天烈な小説が出来上がった。解説にもあるように本作ではロデリックは最後にようやく世の中に出るところで、本当の冒険は続篇の〝Roderick at Random"で繰り広げられる。是非『ロデリック』が売れて続篇が翻訳されますように!

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著者プロフィール

1937-2000年。アイオワ州生。SF界随一の奇才。マッドでシュルレアリスティックな短編小説で有名だが、本作をはじめとするロボットSFも高い評価を得る。84年、BSFA(英国SF作家協会賞)受賞。

「2016年 『ロデリック (または若き機械の教育)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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