図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 176
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309761619

作品紹介・あらすじ

中世末から近世にかけてのヨーロッパを狂乱の坩堝と化した魔女狩り。約5万人が犠牲になったこの現象はなぜ起きたのか。そして、魔女とは何だったのか。魔女とは誰か、なぜ彼らは迫害されたのか。当時の文化・社会に根ざした研究から、歴史の闇を照らし出す。

感想・レビュー・書評

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  • 図が多くて見るだけでも、印象に残る。異端審問と魔女狩りは別のものだということがよくわかった。魔女については他の本でも知ったところだったが、それ以上に残されている図による資料が多く、興味深かった。また、地図に魔女狩りが激しく行われたところなどを落とし込んであるので、イメージしやすかった。

  • 魔女狩りの時代的な変遷や、西洋史の諸要素とどのような関わりを持ってきたのか、などということについての概要がわかる本。また図説というだけあって絵が多いので、パラパラめくるだけでもある程度楽しいものだった(扱っているテーマ自体は愉快なものではないにしろ)。

  • 試験対策用に借りた本。中世において、魔女という存在がどのように作り上げられ、裁かれていったのか。一連の流れはキリスト教の再布教運動と見なせるが、その背景が分かりやすく示されている。

  • ふむ

  • 断念。5月5日返却。

  • 魔女がメランコリー症に罹っているかどうかという問題は、魔女狩りの時代、重要な争点であった。なぜなら魔女がメランコリーに冒されているとすれば、サバトや空中飛行など魔女が供述することは想像にすぎないということになり、魔女を火刑台に送る理由がなくなったからである」

    日本語の魔女狩り関係の本では一番今のところ新しく、そして参考文献もそれゆえに新しいという意味で、最初に読むとしたらこれかもしれない。

    それはともかく、現代ではあらゆる不可思議なことが精神病の枠組みに追いやられているというのがすごく特徴的だと思う。精神病院に隔離することこそが正義といいますか、とりあえず応急対処的なというか。

    たとえばシャーマンに後天的に成る人は、それ以前に巫病と呼ばれる精神障害的な徴候を示すことがよくあるらしい。
    シャーマンの文化があるところでは、その人はシャーマンという文化枠組みの中に回収されて、シャーマンになるための修行を受けるとのこと。

    そういった文化がないところでは、精神病を疑われた人は精神科に行くかカウンセリングを受けるかあるいはその両方ということになってしまう。
    別に僕は精神科とかカウンセリングが必要ないと言っているわけではないし、精神病(と言われている状態)そのものを賛歌したいわけではないけれども、一つの事象を捉える枠組み、意味付けというのは複数あったほうが良いと思うし、文化としてもそういうものがいくつも知れ渡っている状態のほうが望ましいのだろうと思う。

  • 読了。

  • バイトの資料にしようと思って借りたんだけど、つい全部読んでしまったw
    政治とか戦争とかはもちろん、地球規模の天候の変化とかに魔女狩りの波が対応しているってのが興味深い。

  • ホント暗黒時代だわ

  • 異教の悪魔化は悪魔についての思索の深化とこれに伴う呪述の悪魔化と同時並行して進んだ。中世のあいだに練り上げられたユダヤ教のイメージもまた魔女像の結晶化に影響を与えた。
    ユダヤ教の教会シナゴーグという言葉がとりわけ中背待つを中心に魔女のサバトを意味する言葉として使用されていた。やはりユダヤ教がターゲットなのか。ハンセン病患者も魔女扱いされていた。

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著者プロフィール

1970年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、東京大学)。現在、太成学院大学人間学部教授。専門は西欧中・近世史、宗教史。著書に『図説 魔女狩り』(河出書房新社)、『魔女とメランコリー』(新評論)、『魔女狩り─西欧の三つの近代化』(講談社選書メチエ)、訳書にバーストウ『魔女狩りという狂気』(創元社)などがある。

「2018年 『魔女・怪物・天変地異』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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