図説 花開くアメリカ児童文学 ; 「若草物語」から「大草原の小さな家」まで (ふくろうの本/世界の文化)
- 河出書房新社 (2022年1月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309763118
感想・レビュー・書評
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19世紀半ば~20世紀初頭のアメリカ児童文学。
物語の舞台となった時代、その背景等を、
作品の紹介と共に、分かり易く解説。
第1章 19世紀 ヤンキー文学とその周辺
第2章 19世紀後半~開拓者たち 第3章 孤児の文学
各章にTopics,Column。
目次の次に、本書で使用した書籍一覧と、本書で取り上げた
主な作品と舞台(アメリカの地図)。
参考文献、年表有り。
「若草物語」「アンクル=トムの小屋」「トム・ソーヤーの冒険」
「大草原の小さな家」「仔鹿物語」「シートン動物記」
「あしながおじさん」「少女レベッカ」「赤毛のアン(カナダ)」
「小公子セドリック」「オズの魔法使い」など、
アメリカの建国から紡がれる歴史の中で花開いた、
19世紀半ば~20世紀初頭のアメリカ児童文学を、
簡潔に作者やあらすじと共に、豊富な資料や画像を添えて紹介。
また、Topicsとして、ピューリタン、ヤンキー、
奴隷制度と黒人差別、クエーカー教徒、蒸気船、禁酒法、
「天路歴程」、スペイン風邪、開拓民と先住民、
バッファロー、銃、鉄道、学校と教師、孤児、
通信手段、自動車と事故、政治、本・雑誌や図書館等、
作品が描かれた背景にあるものを多数、解説しています。
アメリカの絵本の創世記についても記述有り。
孤児の物語が多い理由、「エレン物語」の大ヒットや
「少女ポリアンナ」の及ぼした影響なども。
アメリカ児童文学を改めて読んでみたくなる、指針になります。
また、N.C.ワイエスやジェシー・ウィルコックス・スミス等の
挿絵が多く掲載されているのも、眼福でした。 -
勉強になりました。
児童文学を通して、その時のアメリカの時代に触れる事ができます。
児童文学そのもの以外にも、電話や列車など、当時のアメリカの文明・文化の状況も記載されており、より理解が深まります。
作家は女性が多い。生活の支えにするため、執筆活動をする人もいた。一方奴隷制や差別などへの問題提起として作品を書く、という側面もあった。
その時の作者の状況があって、その状況を受けて児童文学が作られる。まさに時代が反映されているんだなと実感しました。
良いと思った点3つ
①児童文学には時代が反映されているんだなと実感できた
②読んでみたい作品を見つけることができた
③日本の作品もそうなっているのか疑問を持つことができた -
図説というだけあってイラストが豊富。歴史や背景知識も丁寧に説明されており、これだけの情報を見やすくまとめるのは大変だったのではないかと思う。折に触れて読み返したい。
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アメリカ児童文学 って、何を連想しますか?
『トム・ソーヤ』『赤毛のアン』『オズの魔法使い』…
児童文学は、ヨーロッパ文化だけじゃないんです。
移民・開拓・荒野……アメリカ文化を生み出した背景と共に、強く生きるひとたちの物語を紐解く一冊です。
図書館スタッフ