- Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313750661
感想・レビュー・書評
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序盤は少しダラダラとしている感があってだるい。
早く本能寺の変来いよという思いがつのる一方。
しかし、そここそが筆者が伝えたいポイントなんだと思う。
信長と光秀の間の幾つかのいざこざ。
それに伴う思いの移り変わり。
我慢と忍耐。いざこざ。我慢と忍耐。
そして、本能寺の変へと突入した。
後半は痛快な展開だ。ただ、歴史は変わらない。
山崎で秀吉に打たれるべくして打たれてしまう。
当然ながら、そこで物語は終わる。
終わってみれば、序盤のダラダラ感こそが一番大切なところなのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歴史小説好きだった友人から頂いた本。全三巻におよぶ大長編の最終巻。ラストはもちろん本能寺の変を経て山崎の戦いで戦死して終わる。作者は織田信長が比叡山焼き討ちや、一向一揆との戦いなどで、大勢の非戦闘員を巻き込んだことをかなり悪し様に書いておられ、そこは賛否の分かれるところだとは思う。個人的にはこういう信長像も「あり」だと感じた。
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歴史は好きだがある特定の人物が好きという感情はあまり持たない。ましてや嫌いな武将など・・。小説なので主人公を際立てたいのは理解するがこの作品では信長をこれでもかと言うぐらい悪役に仕立てている。この年代の方のGHQ史観なのか信長をヒトラーや大東亜戦争当時の軍部になぞらえたり捕虜を縛って森蘭丸や小姓達に虐殺させたり挙げ句の果ては信長の出で立ちを国籍不明、馬鹿殿様と表現したり。光秀を天下万民を思う素晴らしい人物に描きたいのはわかるが本人にも打算があり信長の禄を食み仕えていながら内部から反旗を翻すのはどう良いように解釈しても不忠。中巻まで読んでいた時少し?がついたのですが最後までよんで決定的になりました。残念な作品です。
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下巻では信長軍団の主力となってから本能寺の変、光秀までの死を描く。
本能寺の変が起こるまでの、信長・光秀の心境の変化がうまく表現されている。
初めはちょっとした君臣間の違和感だったが、
力で服従させたい信長に対し、王土土民思想を曲げられない光秀。
名将と言われ領国統治に長けて名声もある光秀に対して、
嫉妬心から更に力で抑えつけようとする信長。
本作では光秀が本能寺の変を起こす原因として
・信長の残酷な性格に対する嫌悪
・暴力、領国没収などに対する反感
・人を殺しすぎる信長から日本を救うという義務感
あたりがピックアップされている。
また、(著者独自の見解だと思うが)本能寺の変後、
信長の首が発見されなかった理由についても描写がある。
最後に光秀が残した名言・句を2つ。
・「仏の嘘は方便という。武士の嘘は武略という。土民百姓は可愛ゆきものなり」
・「時は今 天が下なる 五月かな」