- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313860957
作品紹介・あらすじ
老い、自立、介護、家族、ケアワーク、市民事業体-上野千鶴子が最新の研究成果をふだん着のコトバで語る。
感想・レビュー・書評
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カテゴリ:図書館企画展示
2017年度第4回図書館企画展示
「大学生に読んでほしい本」 第2弾!
本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
神前裕子講師(心理学科)からのおすすめ図書を展示しています。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年7月17日(祝) ~ 2017年9月23日(祝)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
超高齢社会において、老いや介護についてはおそらく誰もがいつか関わったり、考えたりする事象であると思います。介護保険制度が始まり、日本の介護は変化してきましたが、課題は山積みです。皆が安心して暮らす社会はどのようにしたら可能でしょうか。一つの視点として、本書は参考になり、きっと学生の皆さんにも興味を持ってもらえると思います。 -
介護を担う官、民、協のちがいや未来について気になることを教えてもらった。確かに民間は金もうけなくては企業として成り立たないけれど、そこで働く職員はお金のことばかり考えてやっているわけではない。若い人が働いてみたいな、将来この仕事で食べていけそうだなと思うような市場にするためには民間企業も必要じゃないかな。
だからニューシルバーにはどんどん自分のしたいことをサービスとして提供できる企業になりたい。柔軟な対応こそが民間の生きる道! -
図書館所蔵【369.26UE】
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雑誌論文や講演内容を加筆修正したものなので、通して読むとまとまりのない印象を受ける。だが、一つひとつの論文は老いと介護に関する根源的な論点を含んでいて示唆に富んでいる。高齢者はかわいい年の取り方をしなければならないのか?介護は年長者のこれまでの社会貢献や人生経験に対して行われるものなのか?日々機能低下していく高齢者はリハビリを“頑張って”、「自立」を目指さなければならないのか?介護保険制度の成立がケアの社会化・脱私事化を前提していることからすれば、老化と介護の問題とは身近な家族に要介護者がいるかどうかではなく、市民的に共有されるべき課題であることはたしかだろう。老いと介護への考察を通して、労働や女性に関する日本の現状も見えてくる。
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まだまだ若い!老いてもハツラツ!とかいうのは本当は元気だから言えること。
私はいつまでも永遠に若さにすがりつくなんて、そんなエネルギーはもてそうにない。
死ぬ直前まで元気ならそれは幸運だけど、運がなくても健康じゃなくても安心できるところで老いたいんだ。
と、そういうことを若いうちに考えておかなきゃならんと思った。 -
¥105
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<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872339711/" target="_blank"><strong><u>『クォータリーあっと』</u></strong></a>(太田出版)という雑誌に、上野氏の「ケアの社会学」という連載記事があり、楽しみに読んでいます。「介護」や「ケア」について、実務的?な角度からだけではなく、より理念的な部分も踏まえて意義深いコトバを発している人は、そう多くないんですよね。「ケアの社会学」にしてもこの本にしても、そういう点で重要であり貴重だと思います。あと、「NPO論」としても見るべきものがあるかもしれませんね。ただ、NPOについてはワタシは不勉強なのですが。。。。これから勉強します。(20060123)
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フェミニズムの騎手としてはなばなしい活動をしてきた著者が、50を超してたどりついた介護問題は、実は「主婦労働がなぜタダなのか」という若い頃にいだい疑問の総決算でもあった。これまでのような家族に代わって、老後をみとるのはいったいだれか、嫁が見る場合にはどうすべきか等々、これからの時代の老人問題、介護問題に対する提言がちりばめられている。人生の盛りを過ぎたと人が感じたとき、人はこれからの人生にどう向きあえばいいのかをも考えさえてくれる。
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まずは中年男の定義から。『何かしたいことがあるわけでもない。何かしてきたと思うには人生は中途半端にすぎ、未来があると思うには盛りの季節をすぎている』。
社会の中でのほほんと生きてきた中年男に対してきつい一発を見舞った後で、いかに老いていくかを論じている。
「介護はもはや家族だけの責任ではない」という国民的合意ができたからこそ介護保険は成り立ったとして、介護保険による家族観の変化と介護の社会化を前提に話は進む。
その上で、これから先の日本人の一番現実的な暮らし方として、『年金にプラスしていくばくかの仕事を続け、利子配当所得もある。家庭菜園で野菜は自給し、各地の友人から米や名産のもらいものがある』という“持ち寄り家計”をあげる。でも、この生活のどこが「現実的」なんだろう?これは上野氏自身の幸せな将来像じゃないの?「いくばくかの仕事」?今の仕事でさえ、いつリストラされるかわからないのに。「利子配当所得」?はあ?なけなしのカネを銀行に預けても利子なんてほとんど付かず、配当を期待できる株なんてどれだけの人が持ってると思ってるの?「家庭菜園で野菜は自給」?どこにそんな土地があるの?定年後はこぞって地方に移住しろってか?「各地の友人から米や名産のもらいもの」?全国を講演して回って各地に知人も多く、熱烈な支持者から貰い物も多そうな貴方と違い、全国各地に知人がいる人や、名産品を貰える人なんてそんなにいないぞ!
うーん、書いているうちに、だんだん腹が立って来た。
彼女が考える「明るい老後の共通点」に至っては、『趣味が多くて交際が広いこと』。そのためには『早い時期から仕事や家族以外の趣味や交友関係があり、老後になだらかにソフトランディングしている』。
はいはい、わかりました。どうぞソフトランディングして下さい。私たち「ただの中年男」は暗い老後に向けて墜落していきますよ!