清潔文化の誕生

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314008419

作品紹介・あらすじ

掃除、洗濯、シャワーにデオドラント…清潔文化は、いまやわたしたちの生活をあまねくおおっている。いつから人々はかくも清潔好きになったのか?本書は、清潔文化発祥の地アメリカにおける、"清潔"の社会史である。悪臭ただよう19世紀アメリカから、国民がこぞって飽くなき清潔の追求に励む清潔大国へ。それはつまるところ、中流階級の価値観の勝利であった。その過程を、女性や移民、都市と田舎、行政など、さまざまな立場の声をすくいとりつつあざやかに描き出す。膨大な文献資料に基づくアメリカ社会史の労作であり、「清潔文化」に生きるすべての人に向けて問いかける書である。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末までまったく衛生・清潔に関する観念が一般の人々になかったアメリカで、企業の衛生関連商品の販売戦略も含めて、いかに「清潔」が売り込まれて行き、人々の生活上のオブセッションとなっていったかを書いた社会学的な論考。基本的には面白いのだけれど、アメリカのこの手の研究所のほとんどに見られるように、名も知れぬ誰か、「19××年にシカゴに移り住んだ○○によると」的な記憶の断片にも残らないような証言の多さには辟易する。それでもアフリカ系アメリカ人のおかれた状況、都市と農村の対比、企業の巧妙な戦略・・・それは石鹸会社からデュポンのような化学企業まで・・・など様々な角度から分析しているのは面白い。結果、思うのはフランス人もイギリス人もアメリカ人も19世紀末までは不潔だった。日本人は風呂好きで、日本に生まれて良かったかも? みたいなこと。

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