- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314011754
作品紹介・あらすじ
人は誰でも初めて中年になる。
若いつもりでいたのに、あるときを境に
気力・体力の衰えや老いの徴候が目につき、
家族の問題がのしかかり、
仕事でも上と下の板ばさみになる。
この先、自分に何ができるのか――
中年期に差しかかり、そんな迷いのただなかにいた著者の蔵書の一角を、次第に中年に関する本が占めるようになった。小説・エッセイから自己啓発本・実用書まで、中年期に書かれた、あるいは中年をテーマにしたありとあらゆる本を手に思考をめぐらせた、「scripta」で人気の読書エッセイを単行本化。
【著者】 荻原魚雷(おぎはら・ぎょらい)
1969年三重生まれ。文筆家。著書に『古書古書話』『日常学事始』(以上、本の雑誌社)、『本と怠け者』(ちくま文庫)、『古本暮らし』(晶文社)ほか、編者をつとめた本に『吉行淳之介ベスト・エッセイ』(ちくま文庫)、梅崎春生『怠惰の美徳』(中公文庫)ほかがある。
感想・レビュー・書評
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中年(雑誌連歳時43歳から50歳)による中年のための‘中年本’のブックガイド!
自己啓発本あり、昭和の文学、エッセイあり。
ああ、いろんな人がいろんな切り口で‘中年’について文章を残しておいてくれているのね、と心強く思った。
著者も書いていますが、誰でも初めて‘中年’になるもの。それぞれの、戸惑いやあきらめ、気づきなど、とても参考になった。
特に尾崎一雄さんの文章にはシンパシーを感じたので、読んでみたい。
最後に読みたい本リスト☆
『Y』佐藤正午
『未来の想い出』藤子F不二雄
『サブカルスーパースター鬱伝』吉田豪
『杉作J太郎が考えたこと』杉作J太郎
『40代職業ロックミュージシャン』大槻ケンヂ
『星を撒く』田辺聖子
『真贋』吉本隆明
『私生活』神吉拓郎
『悲しいだけ』藤枝静夫
『このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?』ボーブロンソン
『歩くひとりもの』津野海太郎
『中年シングル生活』関川夏央
『父の生きる』伊藤比呂美
『死を想うーーわれらも終には仏なり』伊藤比呂美、石牟礼道子
『たそがれたかこ』入江喜和
『女子学生、渡辺京二に会いに行く』渡辺京二×津田塾大学三砂ちづるゼミ
『老いの微笑』中村光夫
『虫のいろいろ』尾崎一雄
『沢がに』尾崎一雄
『私とハルマゲドンーーおたくと宗教としてのオウム真理教』竹熊健太郎
『マンガ自営業の老後』上田惣子
『引越貧乏』色川武夫
『中年男ルネッサンス』田中俊之、髭男爵・山田ルイ53世
『いつまでも若いと思うなよ』橋本治
多い、、、。欲張りだな、自分よ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいてピンとこない私は、中年ではなく、やはり老人かと思い知ったような本。作者は、40歳代を中年と、人生の変わり目、ブレーキを踏んだり、ハンドル切ったり、いったん止まったり、後半に備えて一呼吸置く時だと示唆する。
仕事も私生活も一番油の乗り切っているとき、そんなときにサービスエリアに入るなんてと思いきや、考えてみると私は37歳の時に、人生のハンドルを切りましたな。
もう老人いまさら中年と思いきや、気になった本で、入江喜和さんの「たそがれたかこ」と羽生善治さんの「適応力」、そして山田ルイ53世さんの「中年男ルネッサンス」、星野博美さんの「戸越銀座でつかまえて」あたり、遅まきながら読んでみたいですな・・・・。 -
中年期に差しかかり、そんな迷いのただなかにいた著者の蔵書の一角を、次第に中年に関する本が占めるようになった。小説・エッセイから自己啓発本・実用書まで、中年期に書かれた、あるいは中年をテーマにしたありとあらゆる本を手に思考をめぐらせた、「scripta」で人気の読書エッセイを単行本化。
読書エッセイとして十分に面白い。 -
中年になる心構えができていない。
この本を読むと誰もできていないようで安心する。
魚雷さんは全然いわゆる中年おじさんっぽさに当てはまっていないような感じで、謙虚で、読んでてしんどくないのが良い。
まだ先と思いつつも、このタイミングで読んだことで、心構えのための準備運動くらいはできた気がする。 -
著者が、43歳から50歳の時に、季刊誌『scripta』に連載していたエッセイを纏めた本。
正に中年真っ盛りの最中に、中年について書かれた書物についての考察をしている。フリーランスである著者は35歳の頃より中年に関する本を集めて読んできたという。
肉体的にも精神的にも環境的にも色んな人生の岐路となる中年。同世代のワタシとしては、内容がもうグサグサ刺さりまくり。引用されている文章は含蓄のあるものばかりだった。 -
「中年とは何か」を過去の作家たちの事例を引きながら考察したエッセイ。人生における「中年時代」を生きる難しさを語る。サラリーマンと違って、フリーライターの著者には、中年時代は多難な時期と映っているようだ。
「中年」には明確な基準はなく、一般的には、夢と希望に溢れる若者と社会で一定の地位に収まった高齢者の間の世代を言う。年齢で言えば、40~50歳代、人を指導する立場、家族を持ち養うことが使命とされる時期の人達だろう。
読んでみて、自分にも色々と心当たりがある事例も多く、著者の気持ちもよく判る。呑気に生きてきて、40代の時に病気で何度も入院した時に、自分の人生を考えた。まだまだ若いと思っていたが、「中年」を意識した瞬間だった。中年になると先の事も色々考えるようになる。家族、家、両親の事など、自分も著者と同じだなと思いながら読んだ。このエッセイには結論は無い。著者の中年時代は進行中だからだ。中年時代が終わりに近づいている自分としては、頑張れとしか言いようが無いけど、、。 -
ウーン、まだまだ早かったと思いたい。
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読むまで知らなかったのだが、本書は中年にまつわる内容を持つ本を巡る書評というかエッセイである。中年の危機、中年の悩み、そうした話に興味ある方はブックガイドとしてぜひ。